5話新しい来客
アイリス)…おいコラ、離れろ……
仕事中、例の3人が一日交代で顔を出して私に甘 えてくるのだが…たまに…そう
別の客を連れてくる野郎がいる、まぁ、察しの良い奴なら分かるだろう
ランス)アイリスさーん
あ、来やがったな…また2つ別の魔力が感じれるぞド畜生
アイリス)てっめぇなランス!お前らこいつら連れてくるの何回目だ!
ランス)えっと…3回目?
こいつら…とは、こいつら
アイリス)バカか!もっと来てるわ!
アビス)えっと…お、お邪魔…でしたか?
アイリス)ちげぇよ、来すぎなんだよ、本来私の部屋は来るべきじゃねぇんだよ…毎日毎日毎日毎日!レインが来たかと思えばランスが来てこの二人連れて来て…
カルド)はい、マカロンです
アイリス)よーし許してやろう
2人)あ…(アイリスさんって…チョロい…)
アイリス)ほら、紅茶だよ
カルド)アイリスさんの紅茶って美味しいんですよね〜毎日飲みたいです
アイリス)飲みたいんだったら毎日来る事だな、ま…お前は特別で来る度にスイーツを持って来てもらうからな♪
カルド)お易い御用ですよ、アイリスさんのお菓子も美味しいんですけどね
アイリス)そりゃどうも
アビス)と、遠回しのプロポーズを躱してる……
ランス)いや…あれは気付いてないだけです……カルド先輩もそういうの気にせず言ったと思いますよ
アビス)ふ、2人して純粋だった…のですね
ランス)多分…
カルドの作ってきたスイーツを呑気に食べながらランスから2人の話を詳しく聞く
まぁ、どれもこれも聞いたばかりだが…ランスにとっちゃ持ちネタなのだろうか…
そして、私には1つ気になる事がある
アイリス)なぁ、何故アビスは仮面をつけている?
そう、それが気になっていたのだ
アビス)か、仮面…ですか?
アビスは声からして完全に戸惑っている
アイリス)あぁ、自分の顔にコンプレックスでもあるのか?有るとしたら申し訳ないものを聞いたな
アビス)な、ないですないです!私が持っているのは瞳です
アイリス)ふーん…あぁ、そういう事か……取っていいぞ
アビス)え…?
アイリス)いいから、あんたの持ってるものは私には効かねぇから取ってみな
アビス)で、ですが_
アイリス)その目の効力を抑えることぐらいはできるぞ、まぁ完全に効力を消すことは出来んがな
アビス)と、取ります!取ります!
アビスが慌てて仮面を取ると彼の左目にはやはりと言うべきか…魔法を封じる「魔封の瞳」が刻み込まれていた
アイリス)ふむ…視力に問題は?
アビス)い、一応両方とも見えてます
アイリス)見え方は?
アビス)ふ、普通…ですね
アイリス)ならこっちに来い、もう少し詳しく見てやる
アビス)あ、え…
アビスは自分を挟んでいるふたりを交互に見て最終的には「た、助けて…」と何故か助けを求めている
アイリス)??
カルド)おやおや…もしかして…女性が苦手です?
アビス)む、むりですむりです!
アイリス)はぁ…仕方ねぇな
パチンッ
アイリス)これで満足か?
話が進まないから男になるとアビスは「よ、良かった…」と完全に安心しきって私の隣に座ってきた
アイリス)まずはお前の目をよく見る必要があるな…少し見るぞ
アビス)え?あ、はい
アビスの目を少し開かせまじまじと見るとやはり簡単に効力を弱める事が出来るがよく分かった
アビス)あ、あのぉ…
アイリス)ちょっと待ってろ、効力を弱めてやる
左目に手をかざし唱えると赤色の目は私の魔力が混ざり少しピンク色になっていた
アイリス)どうだ?見やすいか?
アビス)は、はい!とっても!
アイリス)なら良かった、試しにランスを見てみろ
アビス)え?あ、はい…
アビスがランスを見るとランスは目を丸くした
ランス)つ、使える…使えると思います…
アイリス)試しに使ってみな
試しに使うよう促すとランスは試しに魔法を使ってみるとアビスは目を丸くさせた
アイリス)どう?少し威力は弱いけど使えるでしょ
ランス)は、はい!
アイリス)さて、アビス、その目の本当の効力…つまり、今までと同じように使う方法を教えてあげる
アビス)は、はい!
万が一のために…と、思い今までと同じように使えるよう目の効力の解放を教えるとアビスは本当に嬉しそうな顔をした
アビス)ほ、本当にありがとうございます!
アイリス)別に、その目は魔封の目とか言われてるけど別名は「魔法使いを殺すための目」って言われてるからね、私も使おうと思えばその目は使えるわよ
アビス)えっと…でも、今は普通の目じゃ……
アイリス)こうしたらわかるかしら
黄色の目から徐々に紫色に染まる目を見せるとアビスは顔をギョッとさせた
アイリス)ランス、私の目を見てないけど魔法、使えそう?
ランス)ま、全く…です…
アイリス)でしょ、この紫色の目は私の周囲10キロ以内に居るやつは魔法をなにがなんであろうと無効だ、アビスのその赤色の目もね
アビス)で、でも…さっきまで普通じゃ……
アイリス)ん?あ〜、目の力を解放させただけ、抑えるのは凄い苦労したけどね、お陰で楽で仕方ないよ
アビス)ど、どうやって抑えるんですか!?
アイリス)ん?あ〜、よーく見てろよ
アビスの目をじっと見詰めながら力を抑えると綺麗な黄色の瞳に戻った
アイリス)はい、こんなもんだよ
アビス)な、なんというか…瞳の中に色んな魔法陣が…
アイリス)そう、私は瞳の中に魔法陣を組んで抑えるの
アビス)えっと…?
アイリス)簡単に言えば、私は杖を使って魔法を発動するよりも無詠唱かつ魔法陣を出現させて魔法を発動させる系の人だから
3人は頭の中にハテナを浮かべている為実演をする事にした
アイリス)ランス、魔法を使ってみな
ランス)え?あ、はい
ランスは杖を出し魔法を唱え魔法を発動させる
でも私は違う
アイリス)よく見ていろよ
地面に手をかざすと巨大な火属性の魔法陣が現れた
アイリス)っと、こんなもんだ、そして…
パチンッ
指を鳴らすと巨大な火柱がたった
アイリス)ほれ、私はこういうやり方だ
ぱっと魔法陣を消すと何故か目をキラキラとさせていた
アイリス)な、なんだよ…
ランス)つ、杖がなくても出来るってどんな芸当なんですか!?
アイリス)え、えーっと…そうだなぁ…確かに初めの方は杖を使っていたけど…なんと言うか…「もう要らなくね?」って思って…魔導書に自分の技をメモって…後は技の魔法陣を描いて…それを全力で覚えた…って感じ……?
アビス)け、結構普通だった…
アイリス)確かに普通だよ、魔法陣に関しては私の目に全て刻み込んで技を使う度にその技にあった魔法陣を自分の目に出現させてそれをこうやって地面とかに投影させてるの
壁に光の魔法陣を現すと面白いぐらいに目をキラキラとさせていた
アイリス)杖無しでやりたいなら先ずは自分の技を全て把握してその後白紙の魔導書に技とその技にあった魔法陣を描き写して覚えるってのが基本的かな
カルド)ち、ちなみに杖は今どこに…
アイリス)ん?よーく見てな
真ん前に手を出し「サモン」と唱えると地面から魔法陣が現れそこから1本の杖が出て来た…かと思えば手前で青白い巨大な槍に変化した
アイリス)グングニル
ランス)な、なんだ…これ……本当にただの杖…か?
アイリス)そうねぇ…ま、簡単に言えばこれは北欧神話に出てくる神様の武器…神槍、グングニル
アビス)神の…武器……
アイリス)私はこの槍が出ているあいだは魔法は一切使えないの、体術全振りのある意味不利状況に持っていく槍
カルド)そ、それで勝ったことあるんですか…?
アイリス)何回もね、でも基本的にはこいつを出す状況にはなった事ないね
呑気に話しながら槍を魔法陣に押し込み仕舞う
アイリス)さて、私はまだ仕事があるしもう帰れ〜
3人)はぁーい
アイリス)利口だな笑
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