『乱歩さん!』
『抱かせてください!』
…………
『いやだ』
『なんで!?』
『…………』
『い・や・だ・』
納得のいかない太宰の顔をじっと見つめる
ガタッ……乱歩は椅子から立ち上がり、コツコツと太宰の方へ近づいて行く。
ポンッと、肩に手を乗せる
そして
ゆっくりと、その、白く華奢な指を滑らせ、太宰の心臓辺りに手を置く。
『……何、してるんです?』
『別に……、、ただ、やっぱり、お前は嘘をついてる』
『…私は、自分の心拍も操れます。もし、乱歩さんが私の心臓の音を聞いて、そう思ったのなら……』
『違う!』
『…こんな事しなくたって、お前が嘘ついてることくらい分かる』
『なら、なんで……こんな事したんですか』
『……ただ、太宰に触れたかったから、、お前が生きてることを確かめたかったから』
『……』
『私はっ、、ら、乱歩さんが、』
あれ、言葉が喉の奥に詰まって出てこない……
いつもなら、、こんな言葉すぐ云えたのに
『ら、乱歩さんが、』
『……』
『太宰……』
嗚呼、駄目だ。この人がそばに居ると、どうにも心が弱くなってしまう
乱歩は、太宰を抱き締めた。
『ら、乱歩さ……』
『何も云うな、』
『僕がいる時くらい、泣いたら?』
『こんな事、滅多にないんだから』
『……う、うぅ』
乱歩に抱き締められて、太宰の中で何かが、つっかえていたのが急にとれて溢れ出した。
『お前は、いつも冷静で頭が切れる奴だ。まぁ、僕ほどでは無いけど。』
『それ故に、お前は誰の力も借りず、誰にも頼らず……本当の姿を見せれる相手すらいない』
『太宰は、隠すのが上手いから……色々とね』
「ずっと……孤独だったんだろう?」
「……っ、わ、私は……」
嗚呼、駄目だ。。
多分、何を云っても全て見透かされてる
「僕はお前を理解できる」
「……そんな事を思っていたんだろ?」
「もし、そう思っていたのなら……もう、、”恋人ごっこ”は終わりにしよう」
「僕は、人を理解するのも、されるのも苦手だ」
「えっ……」
「い、嫌です」
「………………最初は……私よりも優れている頭脳を持つ乱歩さんに憧れ、、みたいなのを持っていました」
「……乱歩さんが云ったとおり、私は…誰にも理解されない……してくれていた友人も……もう居ない」
「ずっと孤独を感じていました」
「でも探偵社に来て、乱歩さんに会って」
「この人なら、私を理解してくれると思ったんです」
「……ただの自己満足です。孤独は嫌だった。解放されたかった。探偵社の人は皆よいひとだとは分かっています。」
「でも、勝手に蓋を閉じたのは私自身です」
「理解してくれる人などいないと……」
「それで、僕と恋仲になって…体を交える関係にでもなれば…孤独から少しでも解放される…?とか?」
「……その通りです。」
「…………最初から分かってた」
「お前が僕に恋愛感情なんか持ってないって」
「……。」
「お前が…毎日口癖のように云ってた、それ、やる?」
「……え?」
「それで孤独から少しで解放できるなら、やってあげてもいい」
「何故?貴方にそこまでしてもらう資格など私にはありません」
「へー、じゃあ、お前はずっとそのままでいいんだ?」
「……」
「私を煽っているでしょう」
「貴方を……傷つけることなど出来ません」
「はあー、もう、僕がここまで云ってあげてるのに」
「僕は…何とも思ってないやつに体を渡す様な真似をするほど、お人好しじゃない」
「それって……」
「僕は…お前のこと結構好きだけど」
「少しの言葉で僕のいいたいことを理解してくれるところとかね」
ドサッ……乱歩はソファに押し倒された
「そんなに強く握らなくても逃げないって」
「……余裕そうですね」
「だって、僕が不安になったら、お前はもっと不安になるだろ」
「鍵……」
「あぁ、別に大丈夫だよ」
「他の皆は、多分帰りは明日になるはずだから」
「社長も、出張で帰るのは明後日くらいだし」
「……念の為…閉めてきます。事務の人とか来るかもしれないですしね」
「どうしたんです?……」
「なにか問題でも?」
「……いや…別に」
「あぁ、もしかして…隙をついて逃げようとか?」
「だーかーらー!逃げないって言ってるだろ!」
「じゃあ、そのポケットに入ってるものは何です?」
「……飴」
「…まぁいいです」
「乱歩さんのお許しが出たので、隅々まで愛させてもらいます」
太宰は、ゆっくり乱歩に近ずき……手を伸ばして優しく頬に触れる。そしてゆっくりと指を滑らせ、血色のいい、小さな唇に触れると優しくキスをする
キスをされることはわかっていたけど、あまりにも優しくするもんだから、つい照れてしまった
太宰に見られたくなくてソファにうつ伏せで寝転がったけど、やはり太宰にはバレていたようで、すぐに仰向けに直されてしまった
「はぁぁ、乱歩さん可愛い」
「最初は……孤独から放たれたくて、心を満たしたくて……貴方に近づきました。」
「でも、貴方の自由奔放で掴みどころがないところとか、普段は無邪気なのに推理するときに真剣な顔を見せるところとか……そうゆう所を見ていくうちに」
「好きになってしまいました」
「色々、順序が逆になって申し訳ありません。」
「私の……恋人になってくれませんか?」
「……、ははっ」
「莫迦だなあ」
「そんなさ、泣きそうな顔で言われて断れるわけないじゃん」
「僕、さっきも云ったよ?聞こえなかったの?」
「仕方ないから、もう1回だけ云ってあげる」
「……僕も好きだよ、太宰」
「…………」
嬉し涙とはこのことを云うのだろうか…生まれて初めて嬉しさで涙を流した。
「ははっ、今日の太宰は泣いてばっかりだなあ」
「これはもう要らないか」
乱歩はポケットから薬を取り出した
「これは……」
「睡眠薬」
「お前が暴走して、僕に被害が及びそうな時の為に持ってた」
「……暴走しないとでも思ってるんですか?」
「そんなわけないだろ」
「まぁ、ホントに死にそうになった時はまた考えればいいし」
「……受け止めるよ」
「頑張れる範囲で」
「乱歩さん、ホントにいいんですね?」
「うん、はやくしてよ」
「あとから、やっぱりなしとか言われても止めれませんよ?」
「そんな事いわないよ」
「……わかりました」
「逃げるなら今しか無いですからね」
「……はぁ、、もう、」
乱歩は立ち上がり、ドアの方へ行き、ドアノブに手をかける。
「…………」
「逃げようとしたら、したでそんな顔するだろ」
「ホントに出ていっていいの?」
「だ、めです」
「行かないで…ください」
「じゃあ、引き止めたら?」
ばっ、と乱歩の所へ飛び出し、体に抱きつく。
ユルユルの首元のネクタイを解き、乱歩の手首に巻き付けた
そのまま抱っこしてソファまで連れて行き、乱歩のシャツのボタンをひとつずつ外していく。
少年のように薄い体は太宰をより興奮させた
乱歩の許可を得る前に、下の方も無理やり脱がせて
乱歩が身にまとってるのは、靴下とシャツだけになった。
「……えっろ」
思わずそんな言葉が口からでる
「……っ!莫迦!」
恥ずかしそうにそんな言葉を云われても逆効果だってことをこの人は分からないのか?
はだけたシャツの隙間から見える肌は、白くて柔らかい。お腹にキスをすると、くすぐったいのか、恥ずかしいのか、顔を隠す。縛られているせいであまり意味はないのだけど。
次は心臓、そして首筋、最後に唇。
「……お前のやり方…なんか、、ムズムズする」
「焦らしてますからね」
「……」
「指……入れますよ」
「いちいち云わなくていいよ」
気だるそうに見せかけて、耳まで真っ赤だ。
可愛い。
「まぁ、最初は解さないといけませんからね」
「ひっ……あ、う、冷たっ……何これ……」
「おや、知りませんか?ローションですよ」
「なんで持ってるの」
「ふふっ……秘密です」
「…………」
「あぁ、乱歩さんに秘密は通用しないんでしたよね」
めっちゃきり悪いけど、疲れたから一旦切ります
コメント
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あ,す…好きです
めっちゃ好きです、!!