テラーノベル
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さっきの流れなら今頃、弥生は海のアレをしゃぶっているところだろう。
そして、海は私の動向が気になるはずだからスマホは持っていっているはず。
出るまでって、海の精子が出る前に電話に出るまで呼び出し音を鳴らしてやる。
1回、2回、3回、4回、5回
6回目の呼び出し音で海は電話に出た。
思ったより早い。
「奈緒?どうした?」
「ごめん、忙しかった?」
「いや」
「何だか声が切羽詰まってる感じがするけど、トイレだった?」
もしかすると、今も弥生は大好きな海のアレを口に含んでいるのかもしれない。
「いや・・・そうトイレなんだ。出てからかけ直すよ」
出るって何が?
可笑しい。
「実は、今日はランチがなくなってそろそろ家に着くんだけど、その前にコンビニで何か買って行こうかと思って」
「え、あっ、それならプリン、プリンを買ってきて」
「わかったじゃあね」
通話を切ってコンビニに向かう。
凄く慌てているのがわかる。
私って、こいういうところが優しいのよね。
トイレの弥生から出て自宅に戻る時間をプレゼントしてあげてるんだから。
もう一度、ベッドルームの隠しカメラに接続すると弥生が枕をベッドに何度も叩きつけている姿が映っていた。
家に帰ると海は何気ないふりでソファでタブレットを見ていた。
「プリン買ってきたよ」
「ああ、ありがとう」
「一緒に食べよ」と言ってテーブルに二つのプリンを置く。わざと鼻を犬のようにクンクンさせてから
「弥生さんが来てたの?」
「え?何で?」
「何となく弥生さんの香水の香りがしたような気がしたから」
「いや・・・あっもしかするとさっき郵便物を見に外に出た時会ったからかも」
「今日は土曜日だから普通郵便の配達は無いよ」
「そっか、だから何も無かったんだ。うっかりしていたよ」
くだらない言い訳を聞くのも面倒になったのでプリンを食べてからテレビを見始めた。
出したんだか、中途半端で終わったのか知らないがあんな光景を見ると、海のことが気持ち悪くて仕方がない。
夕食を食べた後は、韓国ドラマの続きを見ると言ってベッドに入るとイヤフォンを付けてドラマの視聴を始めるも内容は全く入ってこなかった。
そもそも、社長であるお義父様が仕事で出てるのに専務の海が休日を継母と楽しんでいるなんて、ほんとに最低。
お義父様は弥生のことをどう思っているんだろう?
あんな女でも愛してるんだろうか?
私なら、もっとお義父さまを大切にするのに。
お義父さまの優しい笑顔を思い出していると、海もベッドに入ってきた。
手を伸ばし抱きしめようとしたところで、イヤホンを外しスマホをサイドボードの上においた。
「ごめん、テニスで身体中が痛いの」
「そうか、お休み」
弥生が舐めていたものなんて気持ち悪い。
海は会議があると言って出て行った。
お義父さまが明日、札幌で行う会合についての話し合いをするとの事で、秘書の神山が迎えに来た。
私はどうもこの神山が好きになれない、見合いのセッティングをしたかもしれないという以外は接点はないが、なんとなくダメなのだ。
細胞レベルで拒否反応を起こしてしまう。
一日遅れの不倫10周年記念エッチ、馬鹿みたいで笑っちゃう。
でも、せっかくだから今夜は弥生をお祝いしてあげよう。
まずは眠剤入りワインを美味しくいただくためのおつまみを買いに行く。
豚バラと長ネギ、えのきで肉豆腐を作り、マロニーちゃんのサラダを冷蔵庫に入れた。
さらに、カットメロンに生ハムを巻いたものと、筒状にした生ハムにモッツァレラチーズを入れると小さくカットしたプチトマトを乗せそれも冷蔵庫にいれる。
アボカドでディップを作ってそれも冷やしておく。
「よし、これで準備万端!あとは趣味の悪いコースターを用意すれば完璧ね」
夜が来るのが楽しみで踊り出しそうだった。
夕食の片付けをしている間、海はワインボトルとグラスを持ってリビングに向かった。
お皿の真ん中にアボカドのディップを置き、その周りにクラッカーを並べて持っていくとワインはすでにグラスに注がれていた。
「アボカドのディップを作ってみました」
「へぇ〜美味しそうだな」
「あっ、海ゴメン、冷蔵庫に生ハムがあるの、持ってきてくれる」
「わかったよ」と言ってキッチンに向かい死角になるところでグラスを交換した。
あわてて置き換えた為、グラスの中身が揺れてしまい、収まりそうもなかった。
どうしよう
海がリビングに入ってくるタイミングで、慌てて自身の膝をテーブルにぶつける寸前にグラスを両手で持ち上げる。
「いったぁ」
生ハムを盛り付けた皿を手に持った海は慌てて近づいてきた。
「大丈夫か?」
「かろうじてグラスを死守できたわ、テニスを初めて反射神経が良くなったのかも」
「そんなに、早く?」そういうと海は笑いながら海の側に置いてあったグラスを私の手から受け取った。
「それにしても、生ハムか」
「カットメロンが売っていたから、海が行くようなお店のとは全然味が違うと思うけど」
「奈緒が作る料理はなんでも旨いよ」
「ありがとう、乾杯」
チリンとグラスをかさねてから、一杯目を喉に流し込んだ。
薬の心配のないワインは「美味しいね」と言うと、海も微笑みながら一息で飲み込んだ。
「海」
「海起きて」
ソファの上で完全に眠りに落ちている海の体を数回揺すってみる。
全く起きる気配がない。
すごい効き目、こんなものを飲まされていたんだ。
弥生のベッドルームのカメラに接続するとペットボトルの水や何かのボトルをサイドテーブルに置いている弥生は黒い総レースのベビードール姿だ。
用意周到で後は海が部屋に入っていけば開始できる手筈ということだろうか。
「でも、残念ながら海はここでぐっすり眠ってるわ」
海のズボンを下ろすが、眠っていて意識のない男性、まして海は身長も180cm以上ある為脱がすのは至難の技だし、何より起きないかハラハラしながらの作業はかなり心臓にかなりの負担がかかっているような気がする。
画面を見ると、弥生が落ち着かない様子で部屋の中を行ったり来たりしている。
少しするとベッドに座ってスマホを操作し始めたと同時に海のスマホに通知が入ってきた。
数件の通知が入った後、暫くしてから指紋を使ってロックを解除すると、既読をつけないために通知センター画面を表示した。
そこには弥生からのメッセージが並んでいた。
「薬はのませた?」
「まだ寝ないの?」
「何してるの」
「早く来て」
「遅い」
「我慢できない」
ほんと、気持ち悪い。
画面の写真を撮っていると
「焦らすなら、突撃するから」
隠しカメラ画面にもどすと、爪を噛みながらイライラしているのが見える。
「海の事を待ってるわよ」
規則的な寝息を立てる海に話しかけながらシャツのボタンを外し、前をはだけさせパンツも脱がせてから自分も服を脱いでいく。
もう一度画面を見ると弥生はガウンを羽織っているところだった。
裸で海に抱きつくように横になっていると、「海くん焦らすつもり」という声と共にリビングのドアが開く音がした。
振り返り慌てるふりをしながらシャツだけを軽く羽織った。
「弥生さん、こんな時間にどうしたんですか?」
血の気が抜けるという言葉がぴったりなほど、顔面蒼白になっている。
「わたしの方こそごめんなさい、ちょっと聞きたいことがあって時間も考えずに来てしまって」
「あの、こんな格好ですみません」
シャツで慌てて胸を隠す。
「それと、海は・・・・疲れてしまったようで、起こした方がいいですか?」
「結構よ、明日でも大丈夫だから」
「本当にすみません、海ったらこんな所で、誰かが来たら困るって言ったのに」
「わたしが悪かったわ、じゃあ」
弥生は慌てたように部屋を出て行ったドアに向かって
「スケスケのいやらしい下着をつけてたのに残念ね」
とつぶやいた。
テーブルに残っている生ハムを食べながらワインを飲む。
「美味しい」
カメラ画面を見ると、弥生が部屋の物を投げたり倒したりしながら暴れている。
「クソ女!許さないから!」
と、叫んでいるが弥生こそ最低なクソ女でしょう。
髪を振り乱し、ガウンもはだけベビードールの肩紐がずり落ちてシリコン入りの不自然にもりあがった胸を揺らしながら叫んでいる姿が惨めで、見ているのも嫌になってきた。
カメラの接続を切ろうと思った時、何かが飛んできてカシャンという衝撃音とともに画面が暗くなった。
暴れすぎて隠しカメラに何かが当たってしまった。
「何よこれ」
バレた、どうしよう。
今乗り込んでくるだろうか?
接続を切ると動画をクラウドに保存した。
どうしよう、盗聴器も探すだろうか?
簡単には見つけられないと思うけど、次の掃除の時は外したほうがいいだろうか?
それとも、そのままにしてしらばっくれる方がいいだろうか?
今日はもう考えるのはよそう、見つかってしまったのは想定外だけど、証拠は十分に揃っている。
完璧に戦える。
ソファの上で眠っている海の隣に横になると目を瞑った。
目が覚めた時、弥生のかわりに私が隣にいて驚くだろうな。
大声で笑いたいけど、気を張りすぎて疲れてしまった。
今日はもう
何も考えず
眠ろう
そう思ったのに、海の一言で眠気が吹き飛んだ。
「ナオ、トワ・・・ゴメン」
コメント
1件
いやあ、もう奈緒の駆け引きが細かくて、手に汗握りました…!特に「スケスケのいけ好かない下着をつけてたのに残念ね」ってつぶやき、ゾクッとしましたね。あの完璧なタイミングでグラスをすり替える冷静さも、弥生の取り乱し様との対比が鮮やかで…。でも、最後の海の寝言「ナオ、トワ…ゴメン」で、奈緒の心が一気に揺れたのが伝わってきて、ここからの展開がすごく気になります。復讐劇の行方、じっくり見届けたくなりました。
#大人の恋
鷹槻れん

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#ハッピーエンド
美凪ましろ
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