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さっきまで仲良く話していた男が崩れ落ちるのを、かなは窓越しに見た
リボルバー「…あ、あの男…」
気がつけばかなとsepiaは5時間ほど話し込んでおり、3人の存在にかなは気がついていなかったのだ
sepiaは肩を撃たれ、呻き声をあげる余裕もなく、鮮やかな血が花びらのように舞った
かなは目を丸くする
かな「…あ…」
かな「sepia…!!」
かなの眼はリボルバーを捉えていた。
かな「…」
かな「…ごめんなさい、言ってなかった私も悪いですね」
sepiaの右肩から血がドク、ドクと溢れる
sepia「…」
りさ「かな…!!だいじょう…」
かな「ごめん…りさ、私の説明が足りなかった_」
かなは申し訳なさそうにそうぼやくと、ナースコールを押した
看護師は驚きながらもsepiaをストレッチャーに乗せ消えていった。
かなも、sepia付き添いへ行ってしまった。
りさ「…な、何がどうなってるの…?」
真弘「…あの人とかなさんが話してるの、なんというか不自然というか…」
リボルバーはずっと俯き、今にも涙を流しそうなほど罪悪感に苛まれていた
ラピッド「…ま、まさか洗脳にかかった、とか、いや、説明が足りないって言ってたから、そんなことないですよ、ね…?」
真弘「…僕達の知らないところで、お2人が接触していた…いやでも、いつなんですかね…」
りさ「なんだか思っていたより打ち解けていた印象、だし…」
伽藍とした病室
昼の少し強い光に4人は照らされる
考えられなくなったリボルバーを気遣いながら、3人は考え込んだ
真弘「…」
真弘「…あれ…」
ラピッド「…真弘さん?どうかしましたか?」
真弘「………」
真弘は、突然うわの空となる
1分ほど経つと、真弘はバッと立ち上がる
真弘「…あの人が弟です!!」
2人は目を丸くする
リボルバー「…ぁ、え…?」
真弘「…ごめんなさい、僕は行かなきゃ、」
真弘「…本当に、ありがとうございました!僕も最初は弟だと思っていなかったんですから、リボルバーさんを責めたりなんてしません、」
真弘「…むしろ感謝したいことばかりです…!」
真弘は太陽の光に包まれながらも、同じくらい明るい笑顔を見せた
その姿はまるで無垢な少年のようだ
浮かない顔ばかりしていた真弘からは、想像もできないほど希望に満ち溢れた笑顔だった。
右目から1粒の涙を流すと、真弘は病室を出た
りさ「…ごめん、なさい、私の独断で、貴方を傷つけてしまった。 」
りさ「これは言い訳の余地もない。」
リボルバーは、相当ショックを受けたために、受け答え がままならなくなっている。
りさ「…貴方はどうか罪悪感を持たないで欲しい。」
リボルバー「…無理、ですよ」
リボルバー「…事情も聞かず、行動したの、は…俺だって……」
かなは手術室の外、入口横の椅子に座っていた
かな「…4人には申し訳ないな」
かな「…勢いで飛び出しちゃったけど、戻っ…」
真弘「かなさん!」
かな「…真弘さん、やっぱり、貴方…」
真弘「_はい、貴方が察する通り、僕は彼の兄なんです。」
真弘「かなさんにも色々説明して欲しいですし、僕も色々説明しなければなりません」
真弘「…弟の手術が終わったら、僕達とまた合流してくれませんか?」
かなは一つ返事で
了承する
真弘「…向かいに座ってもいいでしょうか?」
かな「…はい」
2人が向かい合って座る、何かを話すでもなく、ただ静かにsepiaの無事を祈った
真弘「…そうだ、3人に連絡してきます、何処に集合しましょうか?」
かな「…3人に苦労かけさせたくありませんし、私の病室にまた集まりませんか?」
真弘「ですね、3人に伝えてきます。」
かな「…いつ医師の方が戻ってくるか分かりませんし、私はここにいます。」
真弘「分かりました!」
sepiaの治療が終わり、5人は病室に集まる
かな「りさ、本当にごめん 」
かなは深々と頭を下げた
かな「私、凄い動揺してて冷たく当たっちゃった、本当にごめん。」
かな「最初にsepia…真弘の弟さんに接触したのは初めてsepiaが病室に来た時、私からなの。」
りさ「…かなから!?」
部外者にとって凄くトンチキな事情であることはかなも分かりつつ、包み隠さず全てを説明する
かな「…私からはここまでです。」
りさ「…sepiaは人が憎くてmiaに入ったけど、miaで酷い扱いを受けたから破壊したい_」
かな「まぁ、少しは私に動かされたっぽいんだけどね」
ひと呼吸置いた後、真弘も話し出す
真弘「…僕も、全て思い出したんです」
彼がタヒんだ日
彼は、飲食店に来ていた。
真弘「…仕事はいつも飲食店とか、人の多いところでやってたんです」
男「っフー、フー………」
真弘の後ろには、強く興奮しているがゆえ明らかに全身が震えていて、正気ではない男が息を荒らげながら座っていた
飲み物に全く手を付けず、ただ浅く呼吸をしていた。
ブツブツ何かを呟き、パソコンの画面越しに、拳銃を取り出したのが見えると、突然真弘の目をガン見した
真弘「…は?」
真弘に心当たりなどあるはずもなかった
真弘は誰かに恨みを買われるようなことをした覚えなどない、真弘の信念はずっと”共存”に焦点を当て続けているから
男「…お前が…お前が俺の家族を殺したんだろ!!?」
2人には強い心当たりがあった
りさ「…ねぇ、私達もしかして…」
ラピッド「…心当たりがあるんですか?」
かな「…」
かな「……現場、居た、よね?」