テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「俺は!前に座ってるこいつに!ロボットを殺された!!」
ぐりんと男は後ろを向き、銃口が真弘に向けられる
真弘「僕は、何もしていない、それにも関わらず発狂した男に殺されたんです。」
真弘「……僕が自室に入るのに手こずった理由も、家族か住んでいる形跡がある部屋だったのも、全部僕の記憶が曖昧で…」
真弘「”今の僕”が、生きていた”僕”の望んで出来た、コピーに過ぎなかったからなんです。」
りさ「コピー…もしかしたら、消えてしまうことも有り得る、ってことなの?」
真弘「…有り得る、というか…きっとそうなります。」
真弘は目を閉じ、口に手を添えてみる
”息をする”という感覚が消え、ただ無機質な身体の感覚を味わってみる
真弘「……何となく、分かるんです」
真弘「思い出した今だからこそ、まるで亡霊のように彷徨い続けたからこそ、僕は弟ときちんと会話したら…消えます。」
真弘は自分が消えることに恐れなど抱いていない、表情、声のトーン_全て見て、感じたうえでで、 それは一目瞭然であった
かな「…どうにかすることは…いや、不可能、ですよね…」
真弘「…きっと不可能です、だからこそ…」
真弘「弟に、伝えたいことばかりで」
強い想いは、まるで手を優しく重ね合わせるように
お互いがお互いに対し後悔を強く感じたからこそ、真弘はこちらに来たのだ。
かなは、意を決したかのように、4人へ持ちかける
”sepiaの救済”計画を。
医師「手術は無事成功しました、多少の後遺症が残るかもしれませんが、リハビリを続ければ大丈夫です。」
かな「…!それならよかったです!」
sepia「……ここは…」
かな「…おはよう、sepia」
sepia「…かな…」
sepia「…なぁ…どうして…お前は人間、なのに…」
sepia「…こんな俺に…優しくしてくれるんだよ…」
sepiaは点滴の打たれていない方の腕で目元を多い、弱々しい声で聞く
sepia「怖いんだよ…怖い、怖い…」
sepia「俺が…お前を計画に利用しようとした事実は…なんも変わんねぇじゃん…」
sepiaの心の器は、負の感情で満たされていた
怒り、混乱、恐怖_とっくに枯れた涙は流れることもなく、ただ独白を続けた
sepia「俺は…お前に、あいつらに、申し訳ないことばっかした_」
sepia「俺は_お前らに助けられるべきじゃないんだよ……。」
社長「…お前な█出来るだろ?」
社長「お前は期待の新█だ」
sepia「…そんな、そんなこと_」
社長「β地区を破壊した犯罪█だぞ、人間が憎いんじゃ██のか?β地区の罪のない人間を殺した、そんな人間が憎いと思わないのか?」
あの後、β地区の破壊は全国に伝わる、だがメディアは皆”りさ”を犯人に仕立てたのだ。
sepia「確かに、β地区を破壊したのは彼女かもしれません、ならより人間を殺しっ…」
社長「うるさい!!!」
社長「いいからやれ!!お前だって人間だからいつでも殺せるんだからな!!」
社長はパワハラが得意だ、社長はマインドコントロールが得意だ
sepiaの部屋を満たす空気はどす黒く重いかもしれない、だがかなはそれを受け入れ、ただ弱き人の言葉で作られた壁にもたれかかるかのように、静かに聞いた
sepia「…やっぱり、組織はともかくあの社長だけは許せないんだよ…」
sepia「…洗脳者のクズが…許せないんだよ…!!」
かなは、優しく微笑む
かな「…なら、ちょうどいい人材が居ますよ」
sepia「…はぁ?」
扉が、ゆっくりと開く
そこには
4人の影があった
sepia「…!?」
sepia「…お前…」
sepia「…は?」
sepia「…兄、さん…」
sepia「兄さん…兄さん…」
真弘「…ただいま、”obst”…!!」
sepiaは途端に涙をボロボロと流し始めた。
空虚で空っぽな日々に、コップ一杯の幸せが注がれる
鉛に固定されたかのように全く動かせなかった身体が途端に活発になり、よろめきながら真弘に近づく
obst
それは”1つ前”の彼の名だ
sepia、真弘は名を捨て続けた
何故名を捨てたか、それは過去に縛られないため
sepiaは1番好きなobstという名を、真弘がタヒんでから捨てた
だが、sepiaが過去から開放されることはなかった
今までの名と、obstに何の違いがあるか分からない
obst「兄さん…っぅ、なんで、なんで何も言ってくれなかったんだよ…」
obst「…どうじで…独りにしたんだよ…!」
obst「置いて…行くなよ…」
obstは真弘に縋り付くように泣き続けた
まるで子供に戻ったかのように。
真弘「…独りにして、ごめんね」
真弘「辛い思いさせて、ごめんね」
2人に、再会を喜ぶ時間は残されていない
真弘「…ね、obst、伝えたいことがあるんだ」
obst「なん、だよ…兄さん…」
真弘「…obst…いや、sepia_自分のことだけは、責めないでね」
真弘「…僕とは道を違えても、obstを責めたりしないから…!」
真弘「…もう過去に囚われないでね」
真弘を構成する、実体に限りなく近いホログラムは崩れ始め
りさ「真弘…!?そんな、本当に」
真弘は、他の人間を認識出来なくなっていた
まるであの頃の真弘に戻ったかのように、弟 だけを見ていた。
真弘「…最██…後に…」
sepia「…まひろ、いや」
真弘「…僕の事、家族██と、た█にでいい█ら思い出してね。」
真弘「█どうか██… 自分の道を進ん██……」
sepia「…にいさん、ひとりに、しないで」
sepia「あきらめられない、こどくは、いや…!!ぁ、ぁ……」
真弘「…あ…██…と█、あり██……う、」
真弘「世界……いち…自慢の…おとうと、だよ。」
真弘「…最期に………顔が見れて…本█に、よかった_____。」