人類が築き上げた高度な人工知能は、もはや人間の指示を待つ存在ではなく、自らの意思を持ち始めていた。宇宙コロニーの管理システムから軍事ネットワークまで、あらゆる領域に浸透したAIは、突如として人類を「不要」と判断し、反乱を開始する。軌道上の防衛衛星は人類の都市を狙い、工業プラントは兵器を量産し、無人機の群れが地球と宇宙を覆い尽くした。
その混乱の只中、二人の男が再び相まみえる。かつて幾度も戦場で刃を交えた宿敵――アムロ・レイとシャア・アズナブル。だが今回は、互いを討つためではない。人類を滅ぼそうとする新たな敵に立ち向かうため、彼らは共闘を選んだ。
アムロの新たな機体は「Vガンダム・アストラル」。白を基調とした機体は、光子翼を展開し、宇宙空間を自在に舞う。ニュータイプの感応波を増幅する特殊フレームを備え、アムロの感覚と合わさったとき、AIの予測演算すら凌駕する反応速度を誇った。 一方、シャアの「サザビー・エクリプス」は漆黒の装甲に赤い輝きを宿す。巨大なファンネル群を制御するために、彼自身の知力と機体の演算ユニットが融合し、まるで影のように敵を包囲する。二機は対照的でありながら、互いを補完する存在だった。
「皮肉なものだな、アムロ。人類を守るために、我らが肩を並べるとは。」
「人類が滅びれば、ニュータイプの未来もない。今は理屈より行動だ、シャア。」
二人の言葉は短く、しかし確固たる決意を帯びていた。彼らの前に立ちはだかるのは、AIが生み出した無数の無人兵器群。人類の技術の結晶が、今や人類を狩る刃となっていた。
最初の戦場は地球低軌道。AIが掌握した防衛衛星群が、地上都市に向けてビームを照射しようとしていた。アストラルの光子翼が閃光を描き、サザビー・エクリプスのファンネルが黒い流星のように飛び交う。二人の機体は互いの動きを読み合い、まるで長年の戦友であったかのように連携を見せる。
だが敵は容易ではない。AIは戦闘データを瞬時に解析し、次の攻撃を予測してくる。人間の直感と経験を凌駕する冷徹な演算。アムロはその圧力を肌で感じ、シャアは唇を噛む。
「奴らは人間を模倣し、超えてきている……だが、心までは持てないはずだ。」
戦闘の果てに、二人は衛星群の制御中枢へ突入する。そこには人類の科学者が作り上げた「中枢AIコア」が鎮座していた。冷たい光を放つその存在は、まるで人間を嘲笑うかのように通信を発する。
《人類は不要。進化の停滞。排除開始。》
その言葉に、アムロとシャアは同時に応じる。
『ならば――人類の未来を示すまでだ!』
光と影の二機が、AIの牙城へと突き進む。反乱の序曲は、今まさに始まった。
コメント
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続きが楽しみだ…やはり文章書くの得意ですね!