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コメント
1件
んわ、もう大好きです🥹 最推しチャプが次なので楽しみに待機ですね😖👍🏻
「すれちがい」
注意 🦍社二次創作 ifルート 鬱設定あり
Chapter2「Oraf-Kun」
「おらふー、大丈夫かぁ?」
目が覚めて、辺りを見回すと、昔のシェアハウスのソファーで眠っていた。
「えっ…あっ…ごめん」
慌てて起き上がる。
「全然気にせんでええで、お前幸せそうに寝るから、こっちから見てても幸せや」
僕の友達は、にかっと笑顔をみせた。
何かを忘れている?
何かって、なんだろう。
「今日って、何年の何月?」
友達はえ?というような顔をした。
「えっと、2017年の…3月やろ?」
大学2年生で…来月から3年生か。
「そっか、ごめん、よーわからんこと聞いたわ」
慌てて自室に戻った。
結局僕は、 シェアハウスを辞めて上京し、そこそこ有名な企業に就職し、5年ほど経った。
今は、2023年。コロナ禍だけれど、結局これまでと職務内容は変わらない。
僕は真面目に仕事をして、昇進してはいる。
社会に慣れて、仕事を始めたばかりの頃よりかはやる気も体力もついた。
でも、いつも身体に重荷が載っている感覚がして、苦しい。
毎日毎日、カーテンが閉められた部屋で、朝日ではなくうざったい電子音で構成されたアラームで目を覚まし、
ぬるいお湯をシャワーで浴び、 憂鬱な気持ちで味のしない朝食を食べる作業をする。
緩慢な動作で家事をし、重い足を引き摺るようにして家を出る。
外の日光は眩しくて、頭がくらくらしながら駅へ行き、毎回毎回、黄色い点字ブロックのその先へ行ってしまいたいと思う。
いつも通り、慣れた動作で仕事をこなし、他の人と話し、頭を下げる。
意味のない飲み会に毎回毎回参加させられ、上司に接待して、美味しくもないお酒を飲む。
終電を逃し、タクシーを拾って財布を薄くする。
真っ暗な部屋の中で歯を磨いて服を着替え、ベッドへ行き、倒れるようにして寝る。
こんなくだらない毎日を過ごしても、何も面白くない。
毎日毎日同じことを繰り返し、身体は動かず、休日は暗い部屋で1人、布団の中で長い時間を過ごす。
鬱病と診断されたのは、数週間前だった。
カレンダーは捲ることなく、2024年の1月で止まっている。スマートフォンを見ると、今は11月だった。
僕はこれまで働きすぎていたのかもしれない。
有給を一切消化せず、仕事に依存しているようなレベルだった。
溜まりに溜まった有給を消化し、家で天井を見つめる。
部屋の中は、空き缶やペットボトル、読みかけの書類などが床中に広がり、足の踏み場がない。
「…11月かぁ。なんかぁ…懐かしいなぁ…」
そう呟くと、涙が止まらなかった。
「ーーーさん、お誕生日おめでとう〜‼︎」
みんなで喜んで、乾杯をする光景が浮かぶ。
いつもの接待をする非生産的な飲み会とは違い、楽しくて自由な飲み会。
それも、慣れ親しんだ人達で。
「あれ…あれ、なんで僕泣いてるんやろ。」
「はは…誰やっけ、その人達の名前。」
今日は月に一度の通院日。
重い身体を起こし、1ヶ月ぶりに外に出る。
久々に見た日光はとても眩しくて、世界が白く見える。
「…しんどいなぁ…」
そう呟いたところで、誰も助けてはくれない。
自分の声は、か細くて、掠れている。久々に声を出したからだろうか。
苦しくて苦しくて、絞り出した「しんどい」という言葉は、無機質なアスファルトに吸い込まれた。
先月から通い始めた精神科の先生は、優しい先生。
首にかけた名札には、「ドズル」と書かれていた。
金髪で、ゴリゴリマッチョみたいな感じの人だけれど、話してみるとふわっとしていて、明るい人。声は、初めて会った時からどこか聞き覚えのある声をしていた。
今の僕とは、対照的な人。
「…おらふさん、最近どんな気分ですか?」
「…わからない、です…寝てばかりで…」
「…たまには陽の光を浴びてみましょう。無理に外に出なくて良いですから、カーテンを開けてみてくださいよ。」
「…わかり…ました」
「最近急に寒くなってきてるんで、部屋の中にいるとしても、風邪をひかないように服とか着込んでくださいね〜」
この先生はいつも患者の心配をしている。
「おらふくん、大丈夫?しっかり休もう?」
にっこりと笑って僕を心配してくれていた貴方の顔、名前が僕には思い出せない。
Chapter2「Oraf-Kun」fin
next→Chapter3「Qnly」
☃️さんの年齢は考察をして作っているので、捏造です。