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すれちがい

3 - Chapter2「Oraf-Kun」

♥

118

2025年08月21日

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「すれちがい」

注意 🦍社二次創作 ifルート 鬱設定あり



Chapter2「Oraf-Kun」




「おらふー、大丈夫かぁ?」

目が覚めて、辺りを見回すと、昔のシェアハウスのソファーで眠っていた。

「えっ…あっ…ごめん」

慌てて起き上がる。

「全然気にせんでええで、お前幸せそうに寝るから、こっちから見てても幸せや」

僕の友達は、にかっと笑顔をみせた。


何かを忘れている?

何かって、なんだろう。


「今日って、何年の何月?」

友達はえ?というような顔をした。

「えっと、2017年の…3月やろ?」

大学2年生で…来月から3年生か。

「そっか、ごめん、よーわからんこと聞いたわ」

慌てて自室に戻った。




結局僕は、 シェアハウスを辞めて上京し、そこそこ有名な企業に就職し、5年ほど経った。


今は、2023年。コロナ禍だけれど、結局これまでと職務内容は変わらない。

僕は真面目に仕事をして、昇進してはいる。

社会に慣れて、仕事を始めたばかりの頃よりかはやる気も体力もついた。

でも、いつも身体に重荷が載っている感覚がして、苦しい。


毎日毎日、カーテンが閉められた部屋で、朝日ではなくうざったい電子音で構成されたアラームで目を覚まし、

ぬるいお湯をシャワーで浴び、 憂鬱な気持ちで味のしない朝食を食べる作業をする。

緩慢な動作で家事をし、重い足を引き摺るようにして家を出る。

外の日光は眩しくて、頭がくらくらしながら駅へ行き、毎回毎回、黄色い点字ブロックのその先へ行ってしまいたいと思う。


いつも通り、慣れた動作で仕事をこなし、他の人と話し、頭を下げる。

意味のない飲み会に毎回毎回参加させられ、上司に接待して、美味しくもないお酒を飲む。

終電を逃し、タクシーを拾って財布を薄くする。

真っ暗な部屋の中で歯を磨いて服を着替え、ベッドへ行き、倒れるようにして寝る。


こんなくだらない毎日を過ごしても、何も面白くない。


毎日毎日同じことを繰り返し、身体は動かず、休日は暗い部屋で1人、布団の中で長い時間を過ごす。




鬱病と診断されたのは、数週間前だった。

カレンダーは捲ることなく、2024年の1月で止まっている。スマートフォンを見ると、今は11月だった。


僕はこれまで働きすぎていたのかもしれない。

有給を一切消化せず、仕事に依存しているようなレベルだった。

溜まりに溜まった有給を消化し、家で天井を見つめる。


部屋の中は、空き缶やペットボトル、読みかけの書類などが床中に広がり、足の踏み場がない。


「…11月かぁ。なんかぁ…懐かしいなぁ…」


そう呟くと、涙が止まらなかった。


「ーーーさん、お誕生日おめでとう〜‼︎」

みんなで喜んで、乾杯をする光景が浮かぶ。

いつもの接待をする非生産的な飲み会とは違い、楽しくて自由な飲み会。

それも、慣れ親しんだ人達で。


「あれ…あれ、なんで僕泣いてるんやろ。」

「はは…誰やっけ、その人達の名前。」




今日は月に一度の通院日。

重い身体を起こし、1ヶ月ぶりに外に出る。

久々に見た日光はとても眩しくて、世界が白く見える。


「…しんどいなぁ…」


そう呟いたところで、誰も助けてはくれない。

自分の声は、か細くて、掠れている。久々に声を出したからだろうか。

苦しくて苦しくて、絞り出した「しんどい」という言葉は、無機質なアスファルトに吸い込まれた。




先月から通い始めた精神科の先生は、優しい先生。


首にかけた名札には、「ドズル」と書かれていた。


金髪で、ゴリゴリマッチョみたいな感じの人だけれど、話してみるとふわっとしていて、明るい人。声は、初めて会った時からどこか聞き覚えのある声をしていた。


今の僕とは、対照的な人。


「…おらふさん、最近どんな気分ですか?」

「…わからない、です…寝てばかりで…」


「…たまには陽の光を浴びてみましょう。無理に外に出なくて良いですから、カーテンを開けてみてくださいよ。」

「…わかり…ました」

「最近急に寒くなってきてるんで、部屋の中にいるとしても、風邪をひかないように服とか着込んでくださいね〜」


この先生はいつも患者の心配をしている。



「おらふくん、大丈夫?しっかり休もう?」

にっこりと笑って僕を心配してくれていた貴方の顔、名前が僕には思い出せない。




Chapter2「Oraf-Kun」fin

next→Chapter3「Qnly」



☃️さんの年齢は考察をして作っているので、捏造です。

この作品はいかがでしたか?

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コメント

1

ユーザー

んわ、もう大好きです🥹 最推しチャプが次なので楽しみに待機ですね😖👍🏻

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