『って!今度はこれかよ!!』
次に連れてこられた部屋と言ったらまさかのキッチン……目の前にはカメラ、と最悪な状況。一二三が料理が得意だから助かるが……
『独歩ー、お願いだからなんもすんなよ?』
『ああ、わかってる』
俺が手を出したら料理が死ぬ、そうつまりは俺は料理が下手だからアニメなんかであるようにできたものがまっ黒焦げになって出てくる。
『俺がやったら死ぬもんな……食材が俺の手によって殺される』
『独歩ちんは隣でラップandラップしといて』
『了解……』
俺の任されることといえば簡単な卵割りだとかそんなとこだ、メインはだいたい一二三がやってくれるが少しだけでも手伝いたいという願いで小学生でもできるであろうことを手伝っている。
『それか独歩座っとけば?久しぶりの休日だし』
『中王区に呼ばれている時点で休日と言えん』
『なら尚更っしょ〜、疲れてるだろーし』
『お前もいつも家事してくれてるだろ』
『マジ独歩そーゆとこ好き』
『やめろ、野郎に言われても嬉しくない』
『え〜?うちのお客さんそーゆーの好きな子多いよ?』
他愛のない話ばかりで何も考えずに一二三の隣にいる。少なからず力になれていると信じて上の方から中王区の奴らから見られてるとは一切思いたくない、だからこそとにかく話で誤魔化す。
✩.*˚✩.*˚✩.*˚
『え、あれもう恋人確定ですよね??』
『え、ええそうですね合歓さん』
顔の下半身を手で隠しはわわと興奮する碧棺合歓を見ている。それは私も同じ気分だ。
好きだが見てるこっちも恥ずかしくなる、あれで恋人では無いとか、信じきれない。
『あー、この部屋作ってくれてありがとうございます』
『私も合歓さんが同じ趣味のもので助かってます』
これだから権利を使ってこういうことが出来るのはありがたい、が無花果さんには止められてしまってこれができるのはとても時間がかかった。
(合歓さんの可愛さでどうにかなってよかった〜)
『ん……?』
よくよく伊弉冉一二三を見ると顔が真っ赤である。これがいつものスタイルではないのか?とも思いながらも合歓は普通に今の光景を堪能している、なら私もそれを楽しむだけだ。
✩.*˚✩.*˚✩.*˚
『独歩〜、焼くのは無理だって』
『いや、でも』
『確かに材料がオムライスのやつしか無かったからって独歩がやらなくてもいいじゃん?』
『いや、やらないと成長しない……』
『何その小学校の教師みたいな言い方』
『そのたとえ分かるようでわからん』
良くわからなさ過ぎる話をしつつもオムライスの卵どちらが焼くか、となっているが本当なら一二三に任せた方が何よりもいいだろうが、俺だっていつかは料理を作りたかった。
『そっちでポテサラ……材料がないわ』
『俺やることないじゃないか』
『いや、だからって焦がすことな……ん”ん”ッッ』
『なんか言ったか……?』
『なんでもない』
もういいこれじゃあ埒が明かないと一二三はやれと言わんばかりにフライパンの前に俺をたたせてきた。
☆彡.。☆彡.。☆彡.。
『あーあ』
『………………』
『やっぱり焦がした……』
『すまん……』
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