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その《何か》の正体はすぐに分かった。
私が見ている世界から色が消えていたから。
といってもすぐに色が消えていったわけではない。
少しずつ、少しずつ消えていった。
親戚はどこも引き取ってくれずたらいまわしにされる日々が続いた。
学校でも誰も私に話しかけてこなくなった。
理由?そんなの私の家族が殺されたからに決まってんじゃん。
どーせ私の周りにいると殺されるとか思われてるんでしょ。
そんなわけないのにね笑
それでも私の心はだんだんすり減っていった。
そのたびに世界から色が消えていった。
すぐに環境が変わり誰も心配してくれない。
同情してほしいわけじゃない。
ただ、「大丈夫?」の一言が欲しい。
普通に接してほしい。それだけだ。
家に帰って毎晩泣いた。
苦しくて、つらくて、消えたいと思った。
そんな時私の家族を殺した殺人犯の裁判が始まった。
名前は斎藤 傑(さいとう すぐる)
名前を聞いたけど知らない人だった。
そんなことはどうでもいい。
気になるのは判決だけ。
そして判決が下った。判決は―――
―――第3話に続く…―――