テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
93
#掃除
月城 蓮桜音
5,050
saza
148
水羽
1,062
「亜漕さん、奥の院の修繕だけど…」金隠氏が来ている。彼は妻が尼僧で有るので『さん』ずけで呼ぶ。亜漕は奥の院は小さく、ひなびた寺だけど、もう少し直したかった。「とりあえず100万捻出したよ。」「ぇえ゙〜ホント?」亜漕は最近聞き慣れ無い金額に驚愕した。金隠氏は、「あたしだけだと修繕も進行が遅いから、ナンさんに頼んで2人ぐらい手つだいに来てもらうから。屋根と、危ないから仏間への入り口はサッシにするよ。」と言った。今までは時代劇の様に障子の入り口だった。夜は物騒なので、入り口外側に重たい石を運んだりして塞いでいた。
「それから『奥の院』のページを作ったんだけど、ここは電話もネットも出来ないから、檀家からの連絡は幻覚寺か、満腹寺のあたしのページにアクセスが有れば、急ぎなら誰かをバイクでここに寄越すよ。あなたからは、用が有れば例の近道で1時間歩いて幻覚寺に行ってくれ。」
修繕は、持って来るのが大変だから、多分小さい窓のサッシだろう。無いよりましだ。100万の予算は考えて使わないと、ここ迄の人件費で食われてしまう。
亜漕の原始的な発想は、この「奥の院」までお参りに来て欲しい事だった。(なんかエサを考えよう…そうだ!)「そうしたらさあ、ネットに、ここ迄お参りに来てくれたら特別な魔除けの祈祷とお守りをさしあげますって書いて。」と金隠氏に言った。
コメント
1件
第122話、読みました。金隠氏が100万円持ってきてくれたのは驚きでしたね。でも「あたしだけだと修繕も進行が遅いから」って、彼なりに亜漕さんの生活環境をすごく考えて動いてるんだなと感じました。障子からサッシへ変える話も、夜の物騒さを考えると現実的で説得力があります。そして最後の「エサを考えよう」からネットでお参りを呼びかける発想、亜漕さんの原始的な発想と金隠氏の現代的な発想のバランスが絶妙で、思わず笑顔になりました。この小さな寺に少しずつ変化が訪れている感じが好きです。