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ナチス視点
ネットで良い人と出会った。
言動一つ一つが愛らしくて、友達として沢山遊びたかった。
ある日、会う事になったんだ。
すごく嬉しかった…のに、
「すまない…ッ!!!」
「えっ…?」
相手はichを見るや否や一目散に何処かへ行ってしまった。
これでも一時間前なのだが、長く待った事を怒っているのだろうか。
彼に限ってそんなことは無いと思うのだが…?
早足行ってしまった彼の背中を唖然と見つめる。
…もう、今日は、帰ろう。
『すまない、何かichの行動が気に障っただろうか、?顔色も悪そうだったから心配だ。何かしたなら本当にすまない…』
なるべく相手を怒らせる事が無さそうに本心を綴った。
そうしたらすぐに答えが返って来た。
『本当にすまない…君は何も悪い事なんてしてないから安心してくれ、急に帰ってしまって申し訳が立たない、』
まずichが気に障っていなかったことに安心した。
けれど次にどうして焦って帰ったのかという疑問が浮かんだ。
そこで聞いてみる事にした。
『それは良かった。では何故あの時帰ってしまったのだろうか…?』
今度は返事が少し遅かった。
きっとichを傷付けない文章を考えているのだろう。
長年(10年)生きてきたからな、分かるものは分かる。
心が締め付けられる気がした。
『それは、体調が悪かったからで、本当にすまない…』
噓だ。
体調が悪かったならそんな一目散に帰る訳が無い。
しかもichが近づく前は笑顔で手を振ろうとしてくれていたんだ。
やっぱり俺が何かしてしまったのだろうか?
それか…そんなichは信用もされて無かったのか?
考えれば考える程頭がおかしくなりそうだった。
『やっぱり何か…
そこまで打って、送るのをやめた。
『そうか。お大事に。』
面倒なこの気持ちは心の奥にしまっておこう。
ichは「また会おう」とも言わず、チャットを閉じた。
ソ連視点
必死に弁明をしようとチャットアプリを開いたと同時に、向こうからメッセージが届いた。
どうやら自分が何かしてしまったと思ったようだ。
罪悪感で胸がいっぱいになってしまった。
とりあえず君は悪くないと送ったが、ネッ友…ナチスは何故帰ったのか気になるようだった。
「そりゃそうだよな…あんな急に帰られたら、」
独り言を呟く。
ここで自分がフォークだということを打ち明けてしまおうか。
でもяが恐怖の対象になるかもしれないと考えると、そんなことは到底出来なかった。
君にだけは離れていってほしくないから。
しかも、自分がケーキだと分かったらいつ襲われるかも分からない恐怖も生まれる。
ナチスにそんな思いはしてほしくなかった。
体調不良ということにしよう。
『そうか。お大事に。』
君は言及せずそれだけ言った。
何かを察したか、気付いていないか。
君なら、いつも、「また明日」を言っているじゃないか。
「ごめんね。」
яはやっぱり、駄目な奴だ。
コメント
5件
切ない……😭! (でもこれが主の大好物です) これからどうなるんだろう…… 楽しみです!(初コメ失礼します)
長年(10年)←思わず笑ってしまった 長年と言うには若すぎる… 初コメ失礼しました。