るなside
さっきから、のあさん達が問題を目の前にして焦っている
こちらからは問題文が見えない
「あらあら~大変だね~」
いつの間にこちらにやって来たのか、アリスが隣に立っていた
その様子が、とても腹立たしい
「大変って…いつもあなたは言葉が軽すぎます!
こっちは命かかってるんですよ?!」
そしてつい、今までため込んでいたアリスへの気持ちを喋ってしまった
「ハッ、私から言わせてもらうけど、
君の言葉も軽いよ、こちらの事情も知らないくせに…!」
「事情?敵の事情なんて知っても知らなくても私には関係ありません!」
その言葉を放った瞬間、アリスの目の色が変わった
もともと赤かったその目は、まるで血のようだった
「黙れ!ウサギは静かに肉食獣のエサになるのを待てばいいんだよ!」
っ……!
肉食獣のエサって…
……ウサギには、何の権利もないんですか?
ウサギって、そんなに無力な生き物なんですか?
私には、死ぬ以外、選択肢はないんですか……?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
のあside
『この王様ゲームが始まった時はいつ?』
って…そんなの分かるわけないじゃないですか!
ズル過ぎる!
いや、もとから私達には死ぬ以外選択肢はないのかもしれない……
例えると、私達は檻のなかにいるウサギ
そしてアリスは肉食獣で、肉食獣の機嫌によって、私達の命は失われる
全く……さっきのゲームはたまたま肉食獣の機嫌が良かった…
というか、ただ運が良かっただけで……
「ダメだ!後20秒…分かるわけ……」
「もふくん、諦めたらダメだよ!考えれば……くそっ!俺達には…」
二人はまだ諦めずに考えているが、私は…
私の頭のなかにあるのは、全て最悪の自体だけで…
るなさんの事なんて、もうどうでもよくなった
どうせ助からないんだ
考えても無駄な行為になるだけ
「時間切れ~そしてるなさんの処刑が決定したよ」
時間切れを告げるアリスの声がした
「早速ライオン放っちゃおっか」
アリスがそう言うと、突然るなさんの方に扉が現れて、そのなかからライオンが現れた
とても狂暴そうで、白く光る牙をむきだしにしていた
「いっいやぁ!みんなっ助け‥アガッ」
るなさんの左腕に、ライオンが噛み付く
その後、るなさんは絶叫…声にもならない悲鳴を上げて、動かなくなった
「嘘…だろ?!」
「るなさん…そんな…!」
もふくんとヒロさんは、口を手でおおっている
きっと、目の前で起きた事が信じられないのだろう
対して私は、涙も出ない
悲鳴も上げない
そして、何故かるなさんの死が、嬉しいような…
何だろう…この複雑な気持ちは___
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!