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学園の姫と騎士

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学園の姫と騎士

1 - 第1話:男子校に転校してきた姫

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2026年02月14日

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お久しぶりです。

AIを使って1次元夢小説を作っているかるびたんです。新作ができたので投稿しようと思います。

主人公は一ノ瀬 朔(イチノセ  サク)

面倒くさがりだけど面倒見が良い普通の男子高校生です。面倒見がいいのは弟や妹達が居るからである。 意外にも日記をつける習慣がある。日々の出来事を文字にして整理している。


登場人物:如月  琉惟(キサラギ ルイ)

極度の人見知りだが、一度懐いた相手には甘えを見せる。感情が行動に出やすく、照れると袖を掴んだり、相手の背後に隠れたりする。女性ばかりの家族構成だったせいか男慣れはなく異性なら平気だが同性は苦手。

家族とは毎日メールをするほど仲がいい


ある日私立鳳学園という全寮制の男子校に現れた姫のような存在の如月 琉惟(キサラギ ルイ)如月に一目惚れしてしまった一ノ瀬の物語です。


長いですが最後まで見てくれると嬉しいです。



















全寮制の男子校、私立鳳(おおとり)学園。

その日のHRは、少しだけ浮足立った空気につつまれていた。

​「今日から転入することになった、如月 琉惟です。よろしくお願いします」

​教壇に立ったのは、驚くほど小柄で、どこか浮世離れした美少年だった。

ふわふわとした髪に、潤んだ瞳。少し首を傾げて小首をかしげる仕草は、計算された「あざとさ」のようにも見える。教室のあちこちから「……可愛い」「女子か?」という声が漏れた。

​だが、最後列の窓際で頬杖をついていた一ノ瀬 朔だけは、少し違った。

(……なんだ、あれ)

面倒くさそうに視線を向けたその瞬間、心臓が跳ねた。

​整った顔立ちというだけではない。

琉惟が、緊張のあまりぎゅっと自分の制服の裾を握りしめ、言葉を探すように視線を泳がせている。

周囲には「あざといアピール」に見えているその仕草が、妹や弟の面倒を見てきた朔の目には、必死に「人見知り」と戦う子供のSOSに見えてしまった。

​「如月の席は……一ノ瀬の隣だな。一ノ瀬、色々教えてやってくれ」

「……っす」

​気だるげに手を挙げると、琉惟がこちらへ歩いてくる。

朔と目が合うと、琉惟はふいっと視線を逸らした。

(あ、興味ねーって顔されたな、これ)

朔は苦笑する。実際、琉惟は朔を一瞥しただけで、そのまま隣の席に静かに座り、さっさと教科書を広げてしまった。

​だが、朔は見ていた。

琉惟が机の下で、震える指先を隠すように自分の膝をぎゅっと押さえているのを。

さらに、教科書を開いた瞬間にその視線が鋭く変わり、数ページ先の内容を瞬時に理解していくような、天才児特有の「冷徹な知性」を。

​「……あのさ」

休み時間、朔が声をかけると、琉惟の肩がびくっと跳ねた。

「これ、学園の地図。食堂とか迷うから、持っとけ」

ぶっきらぼうに紙を差し出すと、琉惟はおずおずとそれを受け取った。

​「……ありがと。一ノ瀬、くん」

初めて向けられた言葉。

琉惟の顔は無表情のままで、頬が赤くなることもない。けれど、受け取った手が、わずかに朔の指先に触れた。

その瞬間、琉惟は弾かれたように手を引っ込め、パタパタと小走りで教室を出て行ってしまった。

​残された朔は、自分の指先を見つめて呆然とする。

「……やば」

ただの面倒見の良さのつもりだった。なのに、あの一瞬の接触と、逃げるような後ろ姿に、完全に射抜かれてしまった。

​感情が顔に出ない琉惟が、唯一「行動」で示した動揺。

それを「自分に興味がない」と捉えるどころか、朔の心はこれまでにないほど強く、新入生に惹きつけられていた。

そして4限までの授業が終わり昼休みになる、昼休みの学園食堂は、男子生徒たちの熱気と揚げ物の匂いで溢れかえっていた。

その喧騒の中で、そこだけぽっかりと静寂が訪れているような一角がある。

​「おい、見たかよ。あれが噂の転校生の……」

「ああ、転校生の『鳳の姫』だろ? マジで実在したんだな」

「近寄りがてーけど、ずっと見てられるわ……」

​下級生や同級生たちの視線の先にいるのは、如月琉惟。いつの間にか『鳳の姫』というあだ名?着いていた

彼は周囲のひそひそ話など一切耳に入っていない様子で、白いワイヤレスイヤホンを耳に押し込み、手元の端末で何らかの数式か論文を眺めていた。

​琉惟の目の前には、この学園で一番人気の「油淋鶏定食」。

大ぶりな鶏肉を箸で小さく切り分け、口へ運ぶ動作は驚くほど淀みなく、そして上品だ。

がっつくわけでも、残すわけでもない。ただ淡々と、しかし綺麗な所作で食事を進めるその姿は、確かに男子校には不釣り合いな高貴さがあった。

​(……姫、ね。納得いかねーな)

​トレイを持った一ノ瀬朔は、遠巻きに眺める観客たちを「邪魔だ」と言わんばかりの視線で散らし、迷わず琉惟の対面の席に腰を下ろした。

​「ここ、座るぞ」

​ガタッと椅子を引く音に、琉惟が肩を揺らした。

彼はハッとして顔を上げると、イヤホンを外すよりも先に、自分を凝視している周囲の視線に気づく。

その瞬間、琉惟の眉間にスッと深い皺が寄った。

​「……ッ」

​琉惟は咄嗟に、獲物を威嚇する小動物のように、鋭く、少しだけ不機嫌そうに目を細めた。

「見ないで」という拒絶の意思。だが、その目つきが悪くなればなるほど、周囲の男子たちは「怒った顔も可愛い……」と逆効果な反応を示している。

​「如月。目つき、怖いぞ」

「……一ノ瀬くん。……見てる人たちが、多いから」

​琉惟はイヤホンを外し、ボソリと呟いた。

耳の先端が少しだけ赤くなっている。それは怒りというより、同性に注目され続けていることへの限界に近い「ドキドキ」の裏返しだった。

​「気にするな。あいつら、珍しいもん見てるだけだから」

「僕、見世物じゃない。……これ、あげる。多い」

​琉惟はそう言って、自分の皿から一番大きな油淋鶏を一つ、朔の皿へひょいと移した。

少食ではないが、朔のような体格の男子に比べれば胃袋はそれなりだ。

人見知りの彼なりに、自分のテリトリーに踏み込んできた朔への、精一杯の「挨拶」と「信頼」の証。

​「……もらっていいのかよ」

「うん。……代わりに、あっちの人たちの盾になって」

​琉惟は再びイヤホンを耳に戻すと、少しだけ安心したように、また淡々と食事を再開した。

感情を行動で示す琉惟。それを理解した朔は、気だるげに背もたれに寄りかかり、周囲を威圧するように見回した。

​「……お前ら、見すぎ。飯が不味くなるだろ」

​朔の一言で、ようやく周囲の視線が散る。

隣で天才児が奏でる、静かな箸の音だけが響く昼下がり。

朔は、もらった油淋鶏を口に放り込みながら、(これ、もう俺の専用席に確定だな)と心の中で独り事を言っているあいだに琉惟は食べ終わっていた。

「……ごちそうさま。一ノ瀬くん、ありがとう。これ、美味しかった」

​琉惟はそう短く告げると、まだ半分ほど白飯を残している朔を待つことなく、スッと席を立った。

その所作には迷いがない。

まるでもう何年もこの学園に通っているかのように、混み合う食堂の最短ルートを見極め、流れるような動きで返却口へと向かっていく。

​「おい、如月……!」

​朔の呼びかけも、琉惟の耳に再び装着されたイヤホンに遮られたのか、届かない。

琉惟は人混みを鮮やかにすり抜け、一度も振り返ることなく食堂の出口へと消えていった。

​「……あいつ、方向音痴とかじゃないのかよ」

​朔は箸を止め、琉惟が消えたドアを見つめた。

今朝転校してきたばかりの人間なら、普通は「教室ってどっちだっけ?」と不安げに周囲を伺うはずだ。だが、琉惟の足取りは、まるで頭の中に学園の完璧な3Dマップが構築されているかのようだった。

​(……可愛げねーな、ホントに)

​朔は苦笑しながら、琉惟から「お裾分け」された油淋鶏を噛みしめる。

人見知りで、同性に囲まれるとドキドキしてしまうはずなのに、自分の目的(食事を終えて静かな場所へ戻ること)が決まれば、驚くほど合理的で冷徹なまでに素早い。

​その「天才」ゆえの孤高な背中を見て、朔の胸の奥が少しだけざわついた。

誰の手も借りず、一人でどこへでも行けてしまう。

そんな琉惟を、どうにかして自分の隣に繋ぎ止めておきたいという、自覚したばかりの熱い感情。

​「……一ノ瀬先輩、今の如月先輩ですよね? マジで歩く姿も絵になるっていうか……」

通りかかった後輩が、琉惟の去った方向をうっとりと眺めている。

​「……あんま見んなよ。」

​朔は低く、地を這うような声で吐き捨てた。

いつもは気だるげで面倒見のいい兄貴分である彼の、見たこともないような刺々しい態度に、後輩は肩を震わせて逃げ出していく。

​「……チッ、さっさと食って戻るか」

​朔は残りの飯を急いで口に放り込む。

早く教室に戻って、あの掴みどころのない「姫」が、自分の隣の席で涼しい顔をして座っていることを確かめたかった。

昼休みが終わり​午後の5限目、気だるい空気が漂う数学Ⅰの授業。

黒板には複雑な二次関数の応用問題が書き連ねられていたが、琉惟は頬杖をつき、退屈そうに窓の外を眺めていた。

​(……教科書を一度なぞれば済む話なのに。どうしてこんなに時間をかけるんだろう)

​琉惟にとって、高校数学の範囲はすでに「既習事項」だ。

教師の解説を聞くまでもなく、ノートの隅にはすでに解答どころか、さらに効率的な解法の証明までが走り書きされている。

​一方、隣の席の一ノ瀬朔は、珍しく眉間にシワを寄せていた。

もともと地頭は悪くないし、弟たちの勉強を見ることもある。だが、先ほど一瞬だけ意識が削がれた隙に、黒板の展開式を見失ってしまった。

​(……チッ、あそこ、どう繋がってんだ?)

​いつもなら「ま、いいか」と投げ出すところだが、隣に座る「姫」の、あまりにも余裕しゃくしゃくな横顔が目に入る。

朔は少しだけ躊躇した後、椅子をわずかに寄せ、琉惟の耳元に唇を寄せた。

​「……おい、如月」

「……!?」

​不意に間近で発せられた、低く湿った男の声。

めるの肩が跳ね、持っていたシャープペンシルがノートの上を滑った。

無表情を貫いていた顔が、一瞬だけ驚きと、同性に近寄られたことによる強烈な「ドギマギ」で崩れる。琉惟は目を見開き、金魚のように口をぱくぱくとさせた。

​「……な、なに、急に」

「わりぃ、驚かすつもりはなかった。……そこ、一瞬聞き逃した。教えてくれねーか」

​朔が指差したのは、ノートの空白部分。

琉惟は激しく脈打つ鼓動を鎮めるように、何度も深呼吸を繰り返した。

頬は赤くならない体質だが、ペンを持つ指先がわずかに震えている。それでも、頼られたことへの戸惑いを抑え込み、彼はすぐに「天才」の顔を取り戻した。

​「……これ、は。前の式を代入してる、だけ」

​琉惟は自分のノートを朔の方へグイと押しやった。

そこには、教師が解説しているよりもはるかに整然とした、美しい数式の羅列。

琉惟は震える指先で、朔のノートの余白にさらさらと略解を書き込んでいく。

​「ここをこうして……こう。わかる?」

「……ああ、なるほど。サンキュ。助かった」

​朔が感心したように頷くと、琉惟は「……どういたしまして」と小さく呟き、逃げるように前を向いた。

授業中、琉惟の視線は二度と朔の方を向かなかった。

けれど、琉惟の左手は、朔に教えるために寄せた自分のノートの端を、ずっとぎゅっと握りしめたままだった。

​その様子を横目で見ていた朔は、(感情、行動に出すぎだろ……)と、口元にこみ上げる笑みを必死に堪えていた。

無表情な仮面の下で、琉惟が自分に対して、明らかに「普通じゃない反応」を返してくれている。

それが、朔にはたまらなく愛おしく感じられた。

そして昼休みが終わり6限目を受ける。

キーンコーンカーンコーン――。

6限の終了を告げるチャイムが、静まり返った教室に響き渡る。

​「……終わった」

​琉惟は小さく息をつくと、迷いのない動作で数学の教科書とノートをまとめ、教室の後方にある個人ロッカーへと向かった。

一方の朔は、まださっきの問題の解き直しに没頭しており、隣から気配が消えたことにようやく気づいて顔を上げた。

​「……あ? 如月、どこ行った……って、早ぇな」

​驚いて振り返ると、琉惟はすでにロッカーから戻ってくるところだった。

その手には、学園の「部活動一覧表」と、まだ真っ白な「入部届」が握られている。

​席に戻った琉惟は、すとんと椅子に座ると、転校初日とは思えない堂々とした仕草で足を組んだ。

そして、愛用のシャーペンを指先で滑らかに回転させる。高速で回るペン先は、彼の明晰な頭脳がフル回転している合図のようにも見えた。

​「……一ノ瀬くん」

​ペン回しをピタリと止め、琉惟がこちらを見た。

相変わらずの無表情だが、その瞳にはわずかに熱が宿っている。

​「なんだ……何の部活に入ろうか、迷ってるのか?」

「……まぁ、一ノ瀬くんは、何部?」

​琉惟から話しかけてきたことに、朔は少し面食らった。

「姫」とまで呼ばれるほど繊細な外見の彼が、部活動という汗臭い世界に興味を示


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