3話ー貴方の視界に映らなきゃー
イッヒは今、嘔吐処理をしている。
あれ、この光景、何処かで見た気が…
思い出した。
思い出したよ。全部。
ドイツ「っあ…すまん…」
??「迷惑なんだよ」
??「もっとちゃんとしろよ」
??「勝手に仕切って…お節介」
??「皆君の事よく思ってないよ」
??「消えればいいのに」
??「お前なんて死ねばいい」
ドイツ「ッ…ぅえ”ぇ…」
??「え?何で吐いてんの?」
??「処理は自分でしろよ」
??「もしかして、構ってちゃんなんだ」
ドイツ「ごめ、んなさい…」
ドイツ「申し訳…ッございません…」
ドイツ「い…嫌だ…」
ドイツ「もうしません…もうしませんから…」
ドイツ「お願い…見捨てないで…」
記憶が蘇ってくる。
もう思い出したくなかった。
怖い
怖い
誰にも頼っちゃ駄目だ。
もっと自立しないと見捨てられる。
今のイッヒはまだまだ。
見捨てないで。お願い…頑張るから…
ドイツ「っあ…」
ドイツ「まただ…」
最近はいつもそう。
フラッシュバックを何回も繰り返している。
ドイツ「…外。出てみたいな…」
ドイツ「あれ?鍵掛かってない…」
イッヒは外に出てみた。
すると、涼しい風が吹いてきた。
何だ。全然醜くない。
そこでばったり日本と会ってしまった。
日本「ドイツさん?」
ドイツ「っあ…ごめん」
日本「分かってなかったんですか…少しお話を」
終わった。
⬛されるのかな。
まあ、それなら本望か…
イッヒは何回も人を⬛してきたんだし。
堕ちるなら地獄だろうな。
日本「何で外に出たんですか?」
ドイツ「えっと…見てみたくて…」
日本「そんな簡単な話にならないんですよ」
ドイツ「ごめんなさい…」
日本「今回は未遂、として見逃そうとしましたが」
日本「そうもいかないんですよ」
ドイツ「…はい…」
日本「こっちへ来てください」
日本「あのね、外は危険なんですよ」
日本「どうか…分かってください」
ドイツ「…駄目なのは知ってたんだ」
ドイツ「ただ、気になって…」
日本「綺麗なのは分かりますが、とても危険なんですよ…?」
ドイツ「ごめん…」
日本「はぁ…ごめんなさい」
ドイツ「うぅ…」
どうやら休憩だったらしい。
日本「…あ、お仕置きしないと…」
あ、
叩かれるのかな…
殴られるのかな…。
日本にはされたことないけど…もう愛想つかれてるかもだし…。
イッヒは恐怖のあまり目を閉じた。
日本「はい」
ドイツ「え?」
暴力を振るわれるわけでもなく、渡されたのはパンやその他諸々の食品だった。
日本「ドイツさん食べなさすぎですよ。何日食べてませんか?」
ドイツ「うーん…えっと、1週間くらい…それ以上か…?」
日本「…はぁ…、鏡見てください」
ドイツ「…!」
鏡に映ったのは、前よりもやせ細った自分だった。
まあそうか、ずっと何も食べないで吐いてばっかいたから。
確かに…、さっき吐いた時も胃液しか出てこなかった気がする。
嬉しさと驚きで複雑な気持ちになっていた。
それにしても…酷い顔だなぁ…。
日本から貰った物は有り難く貰うものとしよう…。
!?
まって、こんなに美味しかったっけ?
品種改良?されたのか?
時代は変わったんだな…。
イッヒが興味持たなすぎなのか?もしかして。
まあいい。眠くなってきた…。
今日はもう寝ることにした。
おやすみ。日本。帰ってくるかな。
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