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コメント
4件
ラウとやってない……だと!? あーん、やっと更新された🥺ずっと待ってた🤣🤣 ほんのちょっぴりでもひーくんと絡ませてくれてありがとう😊
翔太 side
2人を知ると孤独が怖くなって
3人を知ると不安になる。
ひとりでいた時の方が強く生きていた。
涼太は俺の一番の理解者だ。
いつだって俺を優先して、欲しい言葉をくれる。
・・・初めて涼太から拒まれた。
てっきり〝ずっと居てもいいよ〟って言ってくれるものだと思っていた。その言葉が聞きたかった。
安心したかったんだ。
いつでも帰る場所があるって・・・
涼太のアパートを出て、自分の家に帰ろうと夜道を歩いていた。
露店に並んだキーチェーンに目が止まった。
蓮が俺の家の合鍵につけている物とそっくりで、二つ並んで売られていた。
迷わずその二つを購入すると、来た道を戻り通り過ぎたその先を目指す。
翔太💙『3人お揃いだ』
嬉しくなって、自然と歩くスピードが速くなる。
亮平喜ぶかな?喜んだ顔を想像するだけで嬉しくなって早く2人に会いたくなった。
煌々と灯る3人の部屋を下から見る。久しぶりに帰ってきたその家からは暖かい光が漏れている。
鍵を開けて中に入ると、静まり返ったリビングにワインの空き瓶が一本転がり、もう一本はテーブルの上に置いたまま。
ワイングラスには、まだ飲みかけのワインが残っている。寝室から声がして向かうと、思っても見ない光景が目に飛び込んできた。
思わず露店で購入したキーチェーンを、落としてしまった。ガシャンと乾いた音を立てて落ちると片方だけが衝撃で割れ、綺麗な星屑のフレークが散った。
そんな音も気にならないくらい、2人は夢中だった。
2人仲良くヤッてる。
あぁほらね捨てられた。
俺の知らないところで仲良いんじゃん。
不思議と涙も出ないし、なんなら拍手を送ってやってもいい。2人して気持ち良さそうに感じてる。
阿部ちゃんに関しては長年の恋心がようやく実ったんだ。お祝いしてあげたいくらいだ。
〝亮平〟なんて呼んじゃって聞いてるこっちが恥ずかしい。
そのまま家を出ると、自然と向かった先はいつもの涼太の家・・・
先日迷惑そうにされ、さっきは俺の事を受け入れてくれなかった。もう涼太に甘える事も出来ない。
涼太の家を通り過ぎてひたすら歩いた。足が痛くて近くの公園のベンチに座った。
ふと足元を見ると裸足だった。
サンダル履くのを忘れるくらいには動揺してたみたいだ。
翔太💙『ふふっカッコ悪いな』
たくさんの愛を欲しがった。
我儘で強欲なお姫様は全ての愛を失った。
蓮を好きになった頃は1人だけの愛でよかったのに・・どこで狂っちゃったんだろう。
公園の隅に子猫が蹲ってる。
翔太💙『お前も1人?一緒だね。行くとこないの?・・・可哀想なやつ』
茂みの奥からお母さんらしい大人の猫がニャァーと声をかけ走り出すと、俺を睨みつけてその後に続いた。
〝お前と一緒にするなよ〟そう言われた気がする。
翔太💙『嫌なやつ…1人なのは俺だけか・・・良かったね帰る場所があって・・・』
ポタポタと流れ出した涙は、止まる事を知らなかった。静かに泣いた。
空を見上げると、厚い雲に覆われて星が見えない。
蓮の大好きな星が見たい・・・
近くのコンビニでサンダルを買うとタクシーに乗りプラネタリウムを観に行った。
いつか蓮と来たかった。
あとひと月足らずで七夕らしい。
天の川が俺の頭上で揺らめいて消えた。
涙がそうしてるのか、綺麗に輝く天の川が霞んでよくみえない。
シャツで涙を拭うと、キラキラと輝く星が目に飛び込んできた。
綺麗だよ蓮すっごくお星様綺麗だ。
綺麗なものを綺麗だと感じる事ができる・・・
きっと大丈夫だ。1人でだって生きてける。
星に願いをかけた。
〝蓮が、亮平が、ふたりいつまでも仲良く幸せに過ごせますように〟
翔太💙『おい開けろ!先輩の言う事が聞けないのか?』
ラウ🤍『ねぇ脅迫と一緒だからね。こんな夜更けに何の用?』
翔太💙『泊めろ!お前に断る権利はないぞ!』
〝人に頼む態度じゃない〟と悪態をついているが知った事か。こいつは俺に借りがあるからな!
ラウ🤍『何そのダサいサンダル、それに翔太くん足から血出てない?』
*翔太💙『生きてるんだ!足から血くらい出る*』
何かしら察したのかラウールは何も聞いてこない。
ラウ🤍『ご飯食べる?』
出来た後輩だ。その後も〝お風呂入る?〟〝スキンケアは?〟などと言ってきて完璧だ。
居心地良いったらない。
翔太💙『俺ここに住もうかな』
ラウ🤍『えっ何?俺の事好きになっちゃった?』
*翔太💙『あっあぁそうそう好き好き永住させてココに*』
完璧すぎる最年少のおもてなしだが、強いて言えばサイズがデカすぎる。ラウールのTシャツはぶかぶかすぎて肩がズリ落ちてきて、気持ち悪い。下着はラウールがコンビニで拵えてくれた。
ほんと出来た後輩です。
ラウールは隣で晩酌してる。まるでおじさんだ。
俺は隣で膝を抱えて座ってる。
ラウ🤍『何?家出少女?』
翔太💙『女子高生みたいに言うなよ!もう連れ込んだから犯罪だからな!』
ラウ🤍『どっちの言い分を信じるか、実物だね』
翔太💙『ごめんね。迷惑ならホテルに泊まるから今日だけ泊めて』
ラウ🤍『何で家に帰んないの?』
翔太💙『ん〜引越す・・・なんて言うの巣立ちだよ』
ラウ🤍『めめから?』
翔太💙『お前さ・・・何でもない』
ラウ🤍『何?話してよ?泣いちゃう系?』
翔太💙『泣くだろ!泣くぞ!いいのか?面倒くさいぞ泣いたら・・・だから聞くな・・・やっぱり朝には出て行くごめん迷惑だな』
〝いいよ構わない〟
そう言ってくれたけど、結局誰彼甘える俺の性格が全ての災いなんだと今更ながら気づいた。
ソファーに蹲って横になるとすぐに瞼が重くなった。なんか疲れた・・・
朝早く起きて部屋を出ようとすると、ラウールは既に起きていて〝ココに居な〟と言って玄関を両手を広げてバリケードを作った。
ラウール side
めめに連絡するべきだろうか?それとも舘さん?
大人なんだし、余計なお世話のような気もする。第一何があったか話さないし、でもどっか居なくなるよりはここに置いてた方が良さそうだ。
食欲はあるし仕事がない日はジムやサウナに行って汗をかいてるみたい。
しょっぴーがうちに来て1週間が経つ。
夜になるといつも翔太くんは何処かに出かけて泣いているようだ。
帰ってくるといつも目が真っ赤だ。
ご飯を食べ終えるとソファーに沈み込み、隠れて泣いている。
昨日、翔太くんの後をつけたらプラネタリウムを観に行っていることが分かった。
星が好きな蓮と会ってるのかな?
でも何で毎日泣いてるんだろう。
今日は久々のグループ仕事。
しょっぴー大丈夫かな・・・
蓮 side
翔太くんが行きそうなところは手当たり次第に探した。
いの一番に舘さんの家行ったが来ていないと言われた。
何があったのか聞かれたが言えるわけない。
卑怯なのは分かってる。
今日は仕事で翔太くんと会える。
会えるからどうしようとしてるんだ。平謝りして俺の元に戻ってくるだろうか。
ただ俺には謝る事しか出来る事はない。
早めに楽屋入りした俺の目に飛び込んだのは阿部ちゃんだ。あれ以来会ってなかった。酷い顔をしている。
蓮 🖤『酷い顔だよ。阿部ちゃん』
〝蓮もね〟そう言うと楽屋の隅に小さく収まった。
翔太くんが楽屋入りしたのは一番最後で、1週間ぶりに見た翔太くんは底抜けに明るくて顔色も良く、元気だった。ただ俺達とは距離を置いて、岩本くんの傍にべったりと張り付いてる。
辰哉💜『珍しくねぇかなべ』
翔太💙『んっ?何が』
辰哉💜『いやっ・・まぁいいけど』
今日は新曲のMV撮影だ。翔太くんはカット数が多いので撮影を終えたメンバーが次々に帰る中、次の出番を待っている。呼び出すなら今だろか・・・同じ事を考えていた人に先を越される。
涼太❤️『翔太、少しいいか?』
翔太💙『少しも良くない』
涼太❤️『子供じゃないんだ着いてきて』
頑固にも翔太くんはその場を動かない。舘さんは翔太くんの手首を無理やり掴むと楽屋に戻ってきたラウールとぶつかりその拍子に翔太くんは逃げ出した。
涼太❤️『こら翔太!』
追いかけようとした舘さんをラウールが引き止めた。
ラウ🤍『舘さん、やめてあげて』
何か知ってそうなラウール。
その場に居た、舘さんと阿部ちゃん俺の3人は同じ考えのようだった。
3人同時にラウールに詰め寄った。
ラウ🤍『何があったかは知らない。俺の家に泊まってた』
亮平💚『何で過去形なの?』
ラウ🤍『何で阿部ちゃんがこの話に突っ込んでくるんだよ?』
蓮 🖤『どうでもいいだろそんな事!はっきり答えろよ』
ラウ🤍『今朝出て行った。新しい家見つかったからって』
結局翔太くんは自身の撮影が終わると楽屋に荷物を置いたまま、また居なくなった。楽屋で待ち伏せされてると分かったのだろう。
ラウ🤍『何があったか話して。そしたら一つだけ有力な情報を教えてあげる。俺だって心配なんだ翔太くんの事・・・』