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シープが配信を切った後⋯
ころん「ど、どうしよぉぉ 三十分後にゲーム始まっちゃうよぉ」
さとみ「ゲームが始まったら誰かが鬼になって誰かを56すんだよな⋯」
ころん「そんなのやだああ⋯兄弟を56すなんてやだよおおお」
ころちゃんが泣き崩れてしまう
ななもり「ころちゃん落ち着いて⋯」
部屋には重たい空気が流れた
莉犬(せめてこの流れだけでも変えなきゃ⋯)
色々考えているうちに一つ、俺はひらめいた
莉犬「ね、ねえ!」
声を上げる できるだけ明るく、みんなを不安にさせないために
莉犬「鬼になっても、誰も56さなきゃいいんじゃない!?そしたらみんな生きていられるよ!」
るうと「でも、そしたらここからずっと出られないじゃないですかあ」
莉犬「それは⋯いつか出られるよ!とりあえず生きてなきゃ!」
ジェル「そうか⋯たしかに!めっちゃええやん!」
さとみ「そうだよな、生きてなきゃな」
場が和んでゆく みんな希望がみえてきたみたいだ
莉犬(よかった⋯)
ふと、なーくんの方に目をやる
なーくんは俺の視線に気づきこちらを向いてニッコリ笑う
(あ り が と う)
口が声を出さずに動き、俺にそれを伝えた
俺は嬉しくて、なーくんに笑い返す
少し、緊張がほどけ幸せな時間が流れた
だが、俺達は知らなかった
この楽しい時間がもう二度とこないこと
そして
三十分がたった
モニターが光る
シープ「はーいみなさんこんにちは。それぞれの遺言は伝えあえたかな?」
ジェル「うっさいわ はよ始めてや」
シープ「そんなに4に急がなくてもいいのに⋯まあいいや、じゃあお望み通り。
これからゲームを始める。着替えにルール説明、役職配布などなど⋯
やることがたくさんあるので部屋を移動します。ウルフについてってね」
ウルフ「こちらです」
全員「!?」
いつの間にか部屋のドアのそばに一人のフードを被った男がたっている
その男のフードには灰色の狼の耳がついていた
莉犬(おそろいだ⋯)
さとみ「いつの間に⋯」
ウルフ「ついてきてください」
みんな大人しくついていく。ここで56されたらどうしようもないからだ
トコトコトコ⋯
るうと「どこに行くんでしょう?変なことされなきゃいいですが⋯」
莉犬「大丈夫!なんかあったら兄ちゃん守ってあげるから!」
るうと「(●´ω`●)それなら安心です」
しばらく歩いて
ウルフ「つきました、どうぞお入りください」
ひとつのドアのまえでたちどまる
中は暗く、眼の前にあるモニターだけが唯一の光だった。
部屋には机と、何やらプリクラのような機械があった
ころん「え?プリクラ?」
さとみ「wwなわけねーだろ」
シープ「その機械は役職配布とルール説明を行うもので、後で君たちにも入ってもらうからね。とりあえずその机の上にある服に着替えて」
机の上には赤、黄色、水色、ピンク、橙、紫のジャージがおいてあった
シープ「好きな色選んでねー」
みんなそれぞれの色を選んだ
シープ「着替えたら一人ずつそこの機械に入ってね。役職配布とルール説明しちゃうから」
そういってシープは配信を切る。あたりが暗くなる
プリクラのような機械から漏れる薄い光が点滅している。まるで、俺達を急かすように
全員「⋯」
さとみ「⋯誰から行くよ?」
るうと「僕は嫌ですよ⋯そういうさとみくんが行けばいいじゃないですか」
さとみ「無理だな」
全員「⋯」
ななもり「⋯俺、行くよ」
ジェル「じゃ、じゃあ俺はその次」
さとみ「ころん一緒に行くべ」
ころん「⋯お前先入れよ?」
なーくんをはじめにみんなどんどん決めて機械に入ってゆく
残りは俺とるうちゃんだけ
るうと「⋯うぅ」
莉犬「るうちゃん。先行きな?早くみんなにあっておいでよ」
るうと「えっ⋯」
莉犬「大丈夫、すぐ行くから」
るうと「⋯絶対ですよ」
そういってるうちゃんはしぶしぶ機械に入っていく
莉犬「⋯俺も行くかあ」
俺はそう言って機械に入った
機械の中は本当にプリクラみたいだった
違いといったらイスがおいてあるくらいだった
おらはその椅子に座る
目の前のモニターに「ルール」という文字が浮き上がる
『【鬼ごっこ】このゲームは、
「鬼」=逃げを殺す側
「逃げ」=鬼から逃げながらミッションをこなす側
で進行する。
鬼は逃げを“見つけ次第、殺していい”。
手段は問われない。
逃げ側は鬼の正体を知らない。
参加者の中の誰が鬼なのか、最初は伏せられている。
逃げの目的は、指定されたミッションを時間内にクリアすること。
全クリアで生存確定。
未達成なら即アウト。
鬼は、ミッション完了前に逃げを殺すこと。
ゲーム中、鬼は逃げに混じって動いている。
会話もできるし、普通の参加者のフリが可能。
逃げは
「誰が鬼か探りながら」
「ミッションをこなしながら」
「追われたら全力で逃げる」
という三重苦を背負う。』
莉犬「⋯」
ルール説明が終わると「役職を見る」という文字が浮き上がる
おらはその文字を震える指で 押した
【鬼】
莉犬「⋯え」
目の前にある文字に絶望した
莉犬(俺が⋯鬼?みんなを⋯56す?)
現実に押しつぶされそうになる 呼吸が浅くなる
莉犬(⋯いや、みんなと話したじゃないか。鬼になっても誰も殺さなければ⋯)
なんとか冷静になろうと必死になっていた なりすぎていた
そのせいで気がつけなかった。
背後で静かに起動する体を固定する拘束具
そして、伸びてくるケーブルのようなもの
それは俺のうなじにゆっくり、ゆっくり近づいていった