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 〈 注意!! 〉
・これは完全妄想の物語となっております。
・御本人様とは一切関係がございません。
・キャラ崩壊にご注意ください。
・bl要素ありです。
 ※『視点主』「その他の人」です
 
 [ヴァンダーマー視点]
 今日はやけに暇だった。
警察の数が少ないから大型もできず、今できる強盗の殆どはやり尽くされている。
 うちの構成員も暇を持て余して出かけて行った為、最後までアジトにいた私とルーファスは海へ来ている。
 
 『いい景色だな』
 「そうですね、ダーマー様」
 最初は困惑していたルーファスだったが、今はノリノリでアロハシャツを身につけ、せっかくだから着るようにと私にも渡してきた。
 
 いつものスーツより何倍も涼しい服。
 いつもより何倍も美しい景色。
 
 そしていつもよりずっと楽しそうな友人。
 たまにはこんな日があったっていいな、なんて思っていると、こんな提案をされた。
 
 「誰もいないですし、海へ入りませんか?」
 
 いや確かに人影はない…でもおじさんふたりぞ??
 
 『、、お前がいいならいいが…』
 「ではいきましょう♪」
 こんなに楽しそうなルーファスは本当に珍しいし、もう2度と見られないかもしれない。
 
 …仕方ない乗ってやろう。
 
 まだ暑い9月でも、海は冷たかった。
クラゲに刺されないよう入るのは浅いところまでにしておきつつ、転ばないように足元に気を配る。
 
 「まさか海に誘っていただけるとは思ってもいませんでした」
 
 『私もこんな唐突な提案に乗ってくれるとは思っていなかったよ』
 
 浅瀬を歩きながら、たわいのない話をたくさんした。
車の運転法が変わって苦戦していることや、新しい犯罪などの街の変化から、夢の世界での思い出話まで。
 
 
 そろそろ海から上がろうと言うルーファスに対して、少しイタズラ欲が湧いた。
 
 
 『なぁ、ルーファス』
 
 声を掛けると共にパシャっと軽く水を飛ばした。
 どんな反応がくるかと待っていると、ルーファスはその場で固まってしまった。
 
 
 
 [ルーファス視点]
 仕事もなくアジトでのんびりしていたところ、ダーマー様から海へのお誘いを受けた。
 
 最初は困惑しかなかったけれど、こんな機会が訪れることはもうないかもしれないと了承した。
 せっかく行くのならと互いにお揃いのアロハシャツを身に纏って。
 
 そしてそのままとんとん拍子で海にまで入り、今私は水をかけられて思考が停止している。
 
 
 しばらくそのまま固まっていると、非常に焦った顔で声をかけられた。
 
 「本当にすまない、つい出来心で…」
 「、大丈夫か?大丈夫じゃないよな…」
 
 当の私は突然のことに驚いただけで別に問題など何ひとつなかった。
 そんな時、まだあまり回っていない頭にある考えがよぎった。
 
 これは反撃してもいいのでは?と。
 
 思いついたらやるしかない、車に戻ってタオルを取ってくると言ってくださったダーマー様を引き止める。
 
 『…ヴァンダーマー様』
あちらが何か言いかける前にバシャっと水をかけ返す。
 『やるからにはやられる覚悟がないといけないのではないですか?』
 
 そう言ってから正気に戻った。この方は私のボスだ。
 
 やらかしたと思った矢先、また水をかけられる。
 「…なんだ、もうダメかと思ったじゃないか」
 
 その声に安堵し、時間も関係も忘れて遊び尽くした。
 
 日が傾いて冷たい風が吹いてきた頃、ようやく我にかえった。
転びながらも水を掛け合って、2人で浜辺を歩いて。
そのせいであまりにもびしょ濡れなもので、来た時の車には乗れなかった。
 
 
 どう帰るかと考えていると、通りかかった心なきの車へ銃を向け、
 「これならいいだろう」とボス。流石だ。
 
 来た時の車は着替えに戻ってから取りにくることにし、その場を後にした。
 
 ひとりで取りにいくつもりだったが、結局ダーマー様と車に乗り込む。
 アジトへ戻る道中も、たわいない会話を繰り広げた。
 
 『今日は本当にありがとうございました』
 『久々の海、すごく楽しかったです』
 
 「こちらこそだ、こんな提案に乗ってくれてありがとうな」
 「そして今日のことは、、秘密にしておこうか」
 
 その言葉の後に、ヴァンダーマー様は窓の方を向きながら何かを呟いた。
 私なんかで申し訳ないと思っていたが、その一言で考えが変えられた。
 
 「また一緒に来たいな」なんて…
 
 
 勿論私はダーマー様に仕える身。
 多少距離感が近いことだって今までもあり、勘違いなどしたことはない。
 
 けれどこれは……
 
 
 そこで考えることをやめ、日の沈み切った街を2人きり、車で走った。
 
 
 結局海に行ったのは見られていて、組織内で様々な憶測が飛んだのは、また別のお話。