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・:.。.・:.。.




一段低くあつらえた大きなバスタブの縁に沙羅はキャミソールとパンティ姿のまま腰掛け、ラベンダーのバブル・バスを掻き混ぜて芳しい泡を立てた



浴槽には盛大に湯気が立っている、体中の毛穴を開かせるためにはお湯は少し熱いぐらいがいい



音々の誘拐事件から1週間・・・



沙羅は終始半狂乱で音々を家から外に出すのを嫌がった、しかし、人は何があっても生活を続けて行かなければいけないし、音々もいつまでも学校を休ませるわけにもいかない



そろそろ心が痛くなる音々の誘拐事件は心の隅にそっと寝かせて、通常の生活に戻る時期が来た



力は音々にGPS追跡機能付きのあらゆるグッズを購入した、音々のスニーカーとランドセルには常時GPSが作動しているモノを用意させた



一番良いのはGPS付きのピアスだと拓哉は言ったが、日本人で音々の歳でピアスを開けている子供はいないし、それが原因でいじめられたらどうすると沙羅が意見すると、あの子がいじめられるタイプな訳がないと全員が笑った



そんなこんなで一週間も経つと、いよいよ家に閉じ込められたままの音々のフラストレーションが爆発した



サセン女子達は無事に逮捕された事だし、脅威は去ったとして拓哉達が一泊二日で行く、南紀白浜旅行に音々もどうかと誘った



音々は絶対行くと言い張った、そこに健一と、力が雇った韓国からやってきたボディガード二人も加わった、お店を休めない沙羅はしぶしぶ音々を拓哉達と行かす事をOKした




そして旅行が決まった夜、力から沙羅にlineメッセージが入った




―夜、二人で食事に行かないか―

・:.。.・:.。.






・:.。.・:.。.




ブォ~・・「行ってきまぁ~す」

「気を付けてね~」



お気に入りのGPS搭載リュックにキッズスマートフォンを首からぶら下げて、踵にも高性能GPSが搭載されているスニーカーを履いた音々が、拓哉の運転するベンツ4WDから手を振る



沙羅は音々の髪ゴムにもGPSを入れるとゴネた、逆にGPSから発せられる5G電磁波を常に全身に浴びてる音々の体に良くないと健一は心配し、俺達がちゃんと見てるから大丈夫だと拓哉に却下された



とうとう沙羅は拓也達を信用すると手を振って一行を見送った、店も早めに閉店して、そして今はバスルームにある時計を見た



午後3時・・・力との待ち合わせは夜の7時だ、ここからは時間との戦いになる




バスルームのお湯が流れる蛇口を閉め、バスタブの淵にipadを立て掛ける、ipadからは有名な韓国美容家『フォン・ジョン・ヨ』が小麦粉よりも白い顔で自作の美容用品を説明している



ブツブツ・・・「べっ・・・別に・・・力は食事に誘ってくれただけだし・・・特に何かあるってわけじゃないだろうし・・・でも最低限の女性の身だしなみとして・・・」



そう誰に聞かれるでもなく、ブツブツ独り言を言いながらも、寝室のクローゼットから大きな段ボール箱を出してくる




その中には韓国から輸入した『フォン・ジョン・ヨ』の美容用品の数々がたっぷり入っていた



エアパックの端を商品を傷つけないようにカッターで切り、中身を一つずつ丁寧に取り出す、いずれも値が張る品物ばかりだ



高級クリーム除毛剤、デリケートゾーン専用脱毛ワックス、ボディスクラブ、ボディパック、フェイスパックシート、美容家電、それら一式を胸に抱き、いそいそと浴室に戻る



髪をクリップでねじって止め、キャミソールとパンティを脱衣所に脱ぎ捨て、バスタブに足を入れた



湯につかると自分の体が冷えていたのだと自覚させられる、普段はさっとシャワーで済ます沙羅は、ゆっくり湯につかる贅沢を楽しんだ



体を沈め、脚を伸ばしてリラックスする、炭酸のバブルバスが毛穴を開くのを感じる、体の毛穴がしっかり開き切るまで少なくても5分は肩まで浸からなくてはいけない



家の中は静まり返っている、聞こえるのは『フォン・ジョン・ヨ』の動画の声だけ・・・



この家がこんなに静かな事があっただろうか、子供を一人で育てている母親は入浴に満足のいく時間を取れない、沙羅にとってはこんな風に時間をかけて自分の体を手入れするのは音々を生んでから初めてかもしれない




ブツブツ・・・「毛深い方じゃないけれど・・・」



ため息をついて湯船から立ち上がり、まずは『フォン・ジョン・ヨ』の動画説明通りにパッケージを開ける



ペラペラペラ・・・『こちらの除毛クリームは私共で開発した専用ヘラで塗ってくださいませ、実際にこのヘラを使用することにより、手で塗るのとは違う効果が―』



沙羅はコクコクと動画を見て首を振り、除毛クリームに備え付けられているヘラでまんべんなく向こう脛に薬剤を塗りつける、昔、力と付き合っていた時はよくこういう事をしていた




なぜなら力はすぐ沙羅とくっつきたがるし、どこもかしこも沙羅を良く触っていた、はじめは沙羅も剃刀を使って生えてきたものを剃るだけの処理だったが、恋をした女は変わる




カミソリで処理したら2~3日もしたらチクチクと剃り跡から生えて来る、動画の『フォン・ジョン・ヨ』が除毛クリームを自分の足に塗って実演している




ペラペラペラ・・・『この強力除毛剤は毛穴の奥に浸透し、毛根から毛を溶かすので一度使うと2~3か月は生えてこない優れものです、生え始めもチクチクしませんし、熱いお湯で開いた毛穴に備え付けのヘラでたっぷり除毛剤をムラなく塗り込むと効果が増します、10分置いてくださいませね!』




沙羅は脇、口の周り、指の毛まで丁寧に塗り込んで10分置いて流した、次に動画の『フォンジョンヨ』はピンクのパッケージを持って笑顔で説明する



ペラペラペラ・・・『こちらは当方でしか特許を取っていないデリケートゾーン専用の除毛剤でございます、こちらは陰毛を整える用の型紙がついていて、膣や肛門回りの特別にお肌が弱い場所の毛を溶かす特殊な除毛ジェルですのよ・・・成分は100%天然素材で私共が特別に開発した・・・うんぬんかんぬん・・・』



沙羅は小さな鏡の前にしゃがみこみ、『フォン・ジョン・ヨ』の言う通り、鏡を見ながら塗り残しがないように肛門や膣の周りに丁寧に天然素材のジェルを塗って行く、こんな姿は音々にも誰にも見せられない



不思議な事に陰毛は体のどの部分も黒くて太くて剛毛だ、髪の毛が細い沙羅はこの毛の太さが少しでも髪にくればいいのにと思いながら丁寧に除毛していく



ペラペラペラ・・・『次に恥骨の陰毛でございます、こちらは備え付けの「型紙」を使ってくださいね、3パターンの型紙が入っています、わたくしのお勧めは、Tバックや面積の小さなおパンティを履いてもはみ出さない「切符型」がお勧めですね』




動画を見ながら沙羅も股間にぴったりと切符型の型紙をつけて、はみ出た部分に除毛ジェルを塗っていく、誰もいないのに誰かに言い訳するように沙羅は言う




ブツブツ・・・「べっ・・・別に期待してるわけじゃないけど・・・もしそうなったら・・・」



そうなったら・・・



力はきっと舐めて来る・・・絶対に!



ポンッと沙羅の顔が真っ赤になり、ダラダラと汗が出る




ブツブツ・・・「み・・・磨かなきゃ!!隅々まで!え~と次のお手入れは・・・動画二倍速!」



沙羅はせっせと体にスクラブを塗り付けて肌を磨き出した



あの頃・・・力と付き合っていた頃、沙羅の体のお手入れはこんな風に日常茶飯事で、学校一のモテ男の心を繋ぎ止めておくために、沙羅は見えない所でそれは涙ぐましい努力をしていた・・・



今は学校一のモテ男どころの騒ぎではない、世界を揺るがすスーパースターだ・・・



力は綺麗な女性をそれは今まで沢山見て来ただろうに・・・それでも自分を愛していると言ってくれた、八年前と変わらないと言ってくれた・・・



今はその言葉をただ信じたい・・・



沙羅は再び愛しい男性の為に自分を手入れするのを心の中ではとても嬉しく感じていた、ときめくとはこういう事だ『フォン・ジョン・ヨ』の動画説明が浴室に響く



ペラペラペラ・・・『どうして赤ちゃんのお肌はあんなに白くてツルツルだとお思いですか?それは今まで外気に晒されていなかったからです、この「天然岩蜂蜜塩ボディパック」は岩にしか巣を作らない数少ない蜜蜂から集めた蜂蜜にミネラルたっぷりの岩塩成分が赤ちゃんのお肌を再現します、そして私共はこの度とっても香りにこだわりまして、使えば使うほど細胞から香りを放ち・・・」



ふぅ~・・・「良い匂い~~~」




沙羅はボディパックを全身に塗ってため息をついてた、浴槽中に香る匂いに心が浮き立つ




ペラペラペラ・・・『かつての伝説の美女!「楊貴妃」は桃しか食せず、その香りで殿方を誘惑していました、こちらのボディパックは使用後に体全体をトーン・アップし、うっすらと桃の香りが一日中続きます、香水などのキツイ香りでは無く、汗をかいたり、動いた時にフワッと残り香で漂うのでございます、その残り香こそが殿方の心をくすぐるのでございますよ、いよいよこの(フォン・ジョン・ヨ・メガ割り記念・悩殺ボディお手入れ5点セット)の商品説明の最後でございます・・・この(乳首専用ホワイトニングパックシート)は特殊な薬剤がメラニン色素を分解し、まるで処女の様な綺麗なピンク色の乳首にします、脇にも有効ですよ』




動画の通り、最後の仕上げに桃のパッケージを開け、乳首がピンクになるシートパックを張りつけた、こちらは無味無臭だ、10分間じっとバスタブの淵に座って待つ、鏡を見るとなんと間抜けな格好だろう



湯気と共にツッルツルになった沙羅がバスルームから出て来る



ゆで上がったエビみたいに肌をピンク色にして、のぼせる寸前でゼ―ゼ―言いながらミネラルウォーターをゴクゴク飲む



そこから顔の肌のお手入れ、ヘアメイクをバッチリ決めた沙羅がクローゼットの中から例のワンピースを取り出す




ずっとクローゼットの奥にしまっていたプラダのワンピース・・・



新婚旅行で着ようと思っていた・・・ずっと捨てられずにいた、永遠に出番はないかと思っていた



カバーを開けて足を通し、背中のファスナーを閉じると、まるで沙羅にあつらえたかのように、体にぴったりフィットした、胸の辺りでクロスに前合わせがなっているので、胸が大きく見える




鏡の前でくるくる回って全身チェックする、自分はまだ産後体型は崩れていない方だ・・・



ずっと立ち仕事をしているせいで、お尻にもまだ筋肉はある、でも明らかに八年前と体型は異なっている・・・




手にハンドクリームと踵にもうっすら塗って力の家に行こうとした時、沙羅のスマホの画面に力からのlineメッセージが届いた





―宝町のRグラウンドに来て―





「・・・Rグラウンド?」





野球でもするのだろうか?



沙羅は首を傾げた














【☆五回テノコン最優秀賞】韓国スターの秘密の隠し子〜結婚式で逃げたアイツが父親なんて絶対認めません〜

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