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「わからない。」


四季「…は?」


氷介「なんでそんなに人のためを思えるんだ?なんのメリットがある?」


氷介「この世界の僕がお前に何をした?ただ存在して、ただ喋って、ただ一緒にいただけなんだろ。」


氷介「なんでお前がそんなにこの世界の僕ににこだわるのかがわからない。」


また彼が震え出した。すると乾いた笑いが聞こえてきた。


四季「あっははは…!!」


四季「お前さ、俺たちのことを散々バカにしてきてるけどさあ」


四季「1番人間じゃねぇのはお前じゃねぇか。」


今、何を……僕は誰よりもちゃんとした人間だ。今までちゃんとやってきたんだ。何を知ってそんなことを言っているんだ?


四季「よく聞けよ。お前がレンに勝る日なんか一生来ねぇよ。」


氷介「……勝るも何も、僕がこの世界の僕に劣ってるところなんてあるわけない。」


四季「このやろっ…!!!」


性懲りもなく殴って来ようとするその姿勢が愚かそのものだ。こんなやつと笑顔で一緒にいる僕の頭がいいはずもない。


矢颪「やめろ」


矢颪「……俺も気持ちは同じだけどよ、今は冷静になるべきだ。」


四季「…わかった。ごめん、矢颪。」


僕には謝らないのか。

酷い性格をしている奴だ。僕は殴られそうになったんだぞ?


無陀野「…仕方ない。今日伊都を入れるのはやめておく。だが、明日からはちゃんと慣れろ。」


無陀野「ではこれにて始める。」


無陀野の合図とともに生徒が散る。

僕はふとさっきのことを無陀野にも聞いてみた。


氷介「理解ができなかったんだよ。なんであんなにこの世界の僕にこだわるんだ。」


無陀野はじっとこちらを見つめている。

体の隅から隅まで見透かされているようでゾッとする。


無陀野「…見てて分からないのか。」


分からないから聞いているに決まっているだろう。聞き返すのも手間なので黙っていると無陀野が続けた。


無陀野「それはお前がこれから見つけていけばいい。あいつらといたら自然とわかってくるはずだ。」


そう言っては生徒の様子を見に無陀野は姿を消した。

一緒にいたらわかるだと?僕は今すぐ答えがほしいのに。僕にないもの、僕が欲しいもの。教えてくれればきっと僕だって変われるはず。


何故かその時、一ノ瀬の言葉が頭をよぎった。


「1番人間じゃねぇのはお前じゃねぇか。」


僕は人間だ。確かに人間なんだ。

だけど、だけど。それは外の形だけなんじゃないか?姿が人間なだけなんじゃないか?

皆が何を思ってるか分からないのも、みんなに慕われないのも、みんなが僕を煙たがるのも。


一ノ瀬なら何か知っているんだろうか。

僕は結局、彼に頼るしかない。この世界の僕の軌跡を知っているのは彼たちだけなのだから。

氷上の王子が鬼だった話。

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なんか恋太郎くんの為に怒る四季くんとそれを自分の思いを押し♡♡♡ながら止める碇くんを 見ているとなんか泣きちゃいそうです…! 鬼の恋太郎くんが戻ってきますように…!桃太郎の恋太郎くんも心を持てますように…! 続き待ってます!頑張ってください!

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