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船着き場近くにある、たくさんの小さな宿屋の軒が並ぶ下町――その中のひとつの宿に決めたわたしたちは、三人部屋の一室で荷物をおろしてひと段落していた。
宿とはいってもとても簡易なもので、部屋は石づくりの建物に木の扉がはめこまれているだけの造りで、用心で錠がかけられるといっても内側からひもをかけるだけのものだった。
この三人部屋も、今回は運よく寝台が三つあいていたけれど、普段は相部屋で、知らない旅人同士が適当に隣りあって泊まる用途に作られているらしい。
ろうそくの灯はあるけれども薄暗い室内で、古びた毛布のある寝台に腰かけながら、わたしは夜風の入ってくる窓の外に目をやった。
(ここが、ラザラス王国……)
宿の二階にあるこの部屋からは、あいかわらず酔っ払いが喧嘩をする怒鳴り声や、なにかびんのようなものが割れる音、それに混じって港から遠く霧笛やドラの音が響いている。
グリーアは、この時間で*********
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