テラーノベル
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前回に引き続き、最初グロいです、
森さん死にます。
俺は男の息の音が止まっても刺し続けた。
「なぁ゛、いっそ、…忘れちゃえば良かったの゛かなぁ゛…。」
「…家に帰って2人にキスでもすりゃ良かったか、笑」
皮肉たっぷりにそんなことを言う。
どうすればいいか、なんて
答えは一生出ない。
そんなのわかっている。
わかっていても、どすればいいを、どうすればいい?
そう、思ってしまう。
俺はナイフを投げ捨て、廃工場の屋上へと繋がる階段に向かう。
カツンッ
カツンッ
まるで死に向かう階段のようだ。
屋上のフェンスを超えたところに立ち、
俺は涼ちゃんと若井のレコが終わらなかった、あの 未完成の楽曲のワンフレーズを口ずさむ。
「…腐ってしまうこの身を〜♪、」
もうこの世界ともさらばだ。
俺は涼ちゃん、若井がいるであろう天国に向けて、
上を仰いでこう紡ぐ。
「飾ってください、私の事だけは〜、」
天へ血濡れた右手を伸ばす。
「忘れないで〜…、」
そして下を見ず、
右足を夜の街へと落とした。
街の風景がいつもより美しく見えた。
だが、そんなことはどうでもいい。
僕は目を閉じて、藤澤涼架と若井滉斗にもう一度会うことだけを願う。
もうすぐ其方に行くからね。
もうヤダ…。森さんがどす黒くなってくだけじゃないデスカ…。
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