露見
宮舘「…?なんだろ…」
朝方、目が覚める。身体のだるさが原因だろう。違和感を感じ起きてしまった。
宮舘「……チラッ」
“予定日”……そう書いてあるカレンダーに目をやる。もう3ヶ月か。学校を休んでしまったらまた渡辺先生が騒ぐんだろうな。照先生と阿部先生に迷惑かけちゃうな…
宮舘「……ハァ…ハァ……ッ…」
コンコンッ…
妹『にぃ…大丈夫?ここ薬置いとくから』
宮舘「ん……ッ…あり……ガと…ハァッ……っ…」
妹『…今回、いつもよりきついみたいだね…やっぱり成長するにつれて波が激しくなってるね』
宮舘「はぁ…ハァっ…がっこ……は?」
妹『今日は午後からだから。母さんたちも出張だしね』
『…大丈夫だよ、安心して寝て?』 ナデナデ…
宮舘「……ごめっ……ハァ……ッ…!…」
俺の体質…成長するに連れ、ヒートが悪化していく傾向にあるようだ。薬を飲めばどんだけキツかろうと抑えることができるのだが、少しでも薬を飲むのが遅れれば効果は何もない。なかなかにもヘビーな身体なのだ。
妹『学校には連絡した?』
宮舘「フルフルッ……」
妹『そっか…どうしよう。……“翔太くん”…は辞めてたほうがいいかな?』
宮舘「っ!……だ……めっ…ッ」
妹『うん、分かってる』
もうお気づきだろうが俺は“Ω”だ。そしてそれは…翔太にも言っていないのだ。……この16年間、俺が唯一彼にバレていない隠し事だ。
渡辺『…また…来てないのか』
岩本『考えすぎだぞ?』
渡辺『…今日は帰りに家に寄るよ。なんだか嫌な感じがするんだ…』
ピーンポーンッ…
渡辺『……』
ガチャ…
妹『あ…翔太くん、どうかしたの?』
渡辺『涼太…いる?』ニコッ
妹『ごめんね、今いないんだ』
渡辺『そっ…………っ!?』
なんだ…この“甘い匂い”…妹ちゃんの匂いじゃない。涼太の匂いでもない…ただただ甘い匂い。それも…“α”を惹きつけるような…
渡辺『っ!妹ちゃん…ごめん入るよっ!』
妹『っ!まって翔太くん!!』
嘘だ…そんな話聞いたことがない。でもそうでなければ説明のしようがない。
てっきり涼太は“α”だと思っていた。でも違う。この匂いがすべてにおいて裏付けるのだから。
涼太は“Ω”だということを……
バンッ!
渡辺『りょう…たっ……!!』
すごく甘い匂い。涼太のいつもの匂いじゃない。間違いなく…“フェロモン”の匂いだ。
宮舘「へっ……?なんで…翔太が……ッッ///」
火照った顔、困り眉、涙目、甘い匂い…全て…
すべてが彼が“Ω”であることを証明した。
渡辺『……ごめっ…涼太…もうダメだ。』
ドサッ…
宮舘「っ!……ら……めっ……!!///」
そんな力ない抵抗…αには無意味だ
コメント
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あぁ こんな翔太くんならバレてもいいのかな💕💕💕