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「俺の所に40年前から参拝しに来る人が (旧姓)(河原茉莉子)さんや。
春も夏も秋も冬も雨の日風が強い日も一日も欠かさず参拝しに来てくれた。
…..さっき言った会ったことがあるって言うのは、ちょっと違うかもしれん、姿を見られたの方が正しいかもな。」
神輿の中に光が射し、その姿が神々しく美しく見え、静かなくらい淋しく思えた。
「茉莉子さんが結婚式を挙げる前日、俺の神社に参拝しに来た。いつも通り彼女はお気に入り服を着て鳥居をくぐり手水舎(ちょうずや)で手を清め本殿に頭を下げお参りしていたな….」
30年前
二月の半ば寒い日が続いてはいたが今日は空も晴天で暖かく、日が社を照らし梅の花が寒さに負けじと花を咲かせてた。
「綺麗に咲いとる」梅の木から社ながめ、優しい匂いが鼻の奥を刺激する。 「ええなぁ〜」
まだまだ寒さが厳しい時期に凛と咲き誇る梅の姿に見惚れていた。
「ん〜!さて、俺も屋敷の方に戻るか」梅の木から降りようとすると、(**チャリン)**と賽銭箱にお金を入れる音がした。
あの人かな…?
目を向けると、俺の感は当たっており、寒いのだろう頬を赤く染め髪を一つに結って、白のスカートにグレーのセーターを着て手を合わせ祈りを始めた。
神様。私明日結婚するんです!
今日はその報告をしに来ました。
「ほ〜!結婚するんか!!それはおめでとさん」わざわざ結婚の報告をしに来てくれるなんて、ほんまにええ子やなー。
「….せや、」
俺は梅の木から降りて彼女の方に顔を向けるとー。
「えっ…..」