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kn.side
俺が教室に行くと、黒板に貼ってある座席表に目を通す。それから自分の席を確認しようとすると、そこには既に人が座っていて。
「あの…、そこ、多分俺の席だと思います。あの表、ちょっと見方難しいですよね、笑」
きっかけはこんな小さなことだけど
「席、見つけてくれてありがとう。俺、紫崎須磨。…..よろしく、きんとき」
俺たちは隣の席同士だった事もあり、自己紹介をしてから先生が来るまでの時間を会話で潰した
先生が来ると会話も切り上がり、体育館に移動して入学式と、学校についての長い説明が始まった。
(須磨、か…..。ぶるっくに紹介したらなんて言うかな…、)
(俺の席に座ってたんだって言ったら、笑いながらいいなって、楽しそうだねって言ってくれるかな…、)
なんて、無意識に彼のことを考えてしまう自分に少しだけ嫌気がさした
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「須磨、この後少し時間ある?紹介したい人がいてさ」
先生の長い説明を終え、まだ慣れない学校に早くも疲れを感じたが、やっぱり紹介するなら早いうちの方がいい
幸い須磨も時間があるとの事なので、ぶるっくを呼んでお互いを紹介することにした。
「須磨。こっち、ぶるっく…..あ、琉樹ね。中学で仲良くなって今でも縁あって…って感じ。」
「ぶるっく。こっち、須磨。教室入ったら俺の席座ってて、そこから仲良くなって…って感じ。」
お互いにお互いを紹介すると、早速ぶるっくが言葉を発する。
「え〜!何それ僕も見たかった〜…!!いいな、楽しそう!」
案の定、…いや、予想以上に楽しそうにしている彼に心臓が締め付けられた。……ダメ。今は、ダメだ。我慢の時だから。
「えっと、須磨くんだよね?…..あ、じゃあスマイルだ!」
「…..は?」
いきなりのぶるっく節に、須磨は目を丸くして素っ頓狂な声を上げていた。だけどぶるっくは止まらなかった。
「だから、スマイルのスマで須磨でしょ?」
毎度ぶるっくの考えは俺の斜め上をいく。これがぶるっく節なのだ。
そんな自由なところに惹かれて好きになった、なんて、口が裂けても言えないけれど。
「…..まぁ、自由に呼んでくれていいよ。琉樹」
「あ、それじゃあ僕も!ぶるっくでもぶるーくでも自由に呼んで!」
「………ぶるーく」
「よろしく、スマイル!」
俺ら3人が打ち解けるのに長い時間はかからなかった。