中也Side
俺がこの学校に転入してきて1ヶ月が経った。
標的の〇〇とは更に仲を深め、任務はいい方向で進んでいると解釈した。
そろそろ、話を持ちかけるべきかもしれない_______。
自分の恩人であり、今回の標的。
かなり複雑な心境の中、中也は標的として〇〇を見るように意識をしていた。
これは、幹部昇進のため。
俺はタイミングを見計り、二人きりの時間を作ることにした。
夕日がゆっくりとしたスピードで落ちていくのに比例して、俺達も肩を並べゆっくりと歩く。
〇〇「どうしたの?話って」
もう、言うしかないんだ。俺達の関係はここまでになるかもしれない。その覚悟の上、俺は〇〇に語り始めた。
中也「俺、〇〇に隠していた事がある」
〇〇「何を?」
キョトンとした顔で〇〇は見つめてくる。
中也「俺が、この学校に来たのは_____」
中也「手前目的だ」
〇〇は目を見開き、硬直する。
中也「急に言われても分かんねぇよな」
中也「率直に言う。俺はポートマフィアだ、聞いたことあるだろ」
驚くべきことに〇〇の反応は知っていたかのように小さかった。
〇〇「そうか。そうなんだね」
〇〇「私を殺す為に、中也は来たの?」
此奴、とんでもねぇ勘違いしてやがる。
中也「ちげぇよ。俺は手前を、マフィアに勧誘しに来たんだ」
〇〇「私を…マフィアに。何で_____」
中也「首領の命令だからな。目的は知らねぇ」
〇〇「………」
〇〇は黙り込んでしまった。こうなる事は分かっていたが、〇〇が傷ついているように見え、胸が苦しい。
〇〇「中也はもう…私の答えなんて分かってるでしょう」
中也「………」
中也「手前の気持ちを汚してしまって、申し訳ないと思っている」
これは事実だ。此奴にマフィアなんて一番似合わせねぇ言葉背負わせるのは違う。
仲が深まっても、本質は変わらない。
今日中也は、その事実を悟った。
気まずい沈黙が流れ、時は過ぎていった。