テラーノベル
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ラテ「なんで?当たり前のことじゃん」
以外にも、彼女から帰ってきたのは、怒りの感情ではなかった。
俺の言い方に怒らず、素直というか、純粋にそれが当然のことだと思っているような声。
呆気に取られる俺を見て、彼女は不思議そうに顔を傾ける。
ラテ「どしたの?」
いえもん「いえ……怒らないんだな……と思って」
ラテ「う〜ん……」
彼女は俺から目を外し、先程と同じように、どこを見てるかわからない虚ろな目をした。
ラテ「なんか、全部分かんない」
いえもん「分からない?」
ラテ「怒りとか、悲しみも……喜びも」
いえもん「そんなことあります?」
ラテ「うん」
冗談を言っているのかと思って少し煽り気味で聞き返してみたが、これまた返ってきたのは、波のない肯定だった。
いえもん「喜怒哀楽がないなんて……」
ラテ「きどあいらく?って何?」
いえもん「え?」
いえもん「えっと……それは…喜びと、怒りと、悲しみと、楽しみ……」
ラテ「それだけ?」
いえもん「それだけじゃなくて、感情自体も表すこともありますけど……」
ラテ「へぇ……初めて知った」
そう言って、彼女はニコっと幸せそうに笑う。
けれどそれがまた不気味で……造物らしいと言えば良いのか……
いや、表現の仕方が間違えていたのか。
喜びを知らないと言っている人が、幸せそうに笑うなんて、矛盾している。
めめ「終わりました」
ふと考えていた顔を上げると、めめが俺を待っていた。
先程の壁や人の面影はもはや一片もなく、穴が空いていた地面は元通り埋まっていた。
彼女はそのまま部屋の入り口付近に進み、「早く外へ出ましょう」と、急き立てる。
俺は、地面を蹴り、急いで追いつこうとした。
ウパパロン「ラテ、!」
ラテ「?」
広場の中から出ようとしたら、ウパパロンが、ラテを呼び止めた。
そう言えばさっきの戦闘中は、俺と話してばっかりで、彼女に話す機会がなかったことを思い出す。
彼は彼女に話したいことがあったと言っていたため、少し申し訳なく思った。
ウパパロン「ごめん、やっぱいい、」
ただ、彼は何かを躊躇ったように、断ってしまった。
ラテ「そう……」
鉱山の外に出ると、朝日が出て来て、辺りがほんのり見えるようになっていた。
久し振りの眩しさに目を細める。
いえもん「これからどうします?」
めめ「さっきの騒動で、もう村人はほとんど居ないと思います。万が一生きている村人がいても、とっくに森へ逃げた後でしょう。なので……もう復讐する相手は居ないと思います」
めめ「どうします?二人とも。可能性が低くても残りの村人を探すか、もう諦めて終わらすか…」
一時の迷いがありながらも、ウパパロンが結論を出した。
ウパパロン「……ごめんなさい。巻き込みすぎました」
ウパパロン「もう復讐は終わりにしたいです。残った連中も見逃しましょう」
やけに潔い。驚きに目を見張る俺を横目に、めめは、そうですか、と納得した様子を見せる。
なんでさらっと納得できるんだ……
この中で一番マトモなのは俺なのかもしれない。そう思いながら俺は、酷使した体を、無理やり回復した反動で倒れた。
やばいやばい遅刻!!
またね!!((
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