テラーノベル
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〈kiriyan side〉
br 「きんときが、いなくなっちゃったんだよ、、!」
kr 「、、、は?」
br 「校舎の揺れと同時に急にきんときの身体が透け始めて、、それでっ、、!」
震えるように訴える彼は一体何をみたのだろう。すごく怯えていて顔がひどいことになっている。
きんときはどういうことだ、、?
消えたなんてあり得ない。 だってきんときは死んでいない現世の人間だから。
…………………………………………………*
〈brooock side〉
br 「ねぇ、きんときはスマイルが戻ってこないと思ってるの?」
kn 「、、いや。なんか今俺らはこの状況を受け入れているわけだけど、本来ならあり得ない話で」
kn 「それを受け入れたふりをしてたっていうか、なんていうか」
kn 「あー、上手く言えないけど、夢が覚めちゃいそうな感じでさ。」
br 「なるほどね」
br 「でもきっと、」
ガタンッ
そこからは目が焼けるほどにいたく覚えている。
戸惑う彼の声と、透ける身体。
kn 「ぇ、俺、、透けてる?」
その声が何度も何度も、なんども、なんども、!頭に響いて、彼を助けようと伸ばした手は空気のようなものしか触れられなくて、そして目の前で何もできないことを悟った。
パリンッ
彼の体がガラスの破片のように砕ける。
サラサラな髪も一つのピースのようになり、切り取られた瞳は僕を見つめてた。
その綺麗さだけを焼き付けて、こうして僕は何もできずにいる。
br 「きんさん、、?」
br 「きん、、、、と、き、、?」
僕の胸は拳銃で撃たれてぽっかりと穴が空いたみたいだった。
痛みはせず、ただただ呼吸が苦しい。
大切にしていた記憶が、そこから溢れていくようで僕は強く胸を押さえつけてそれを止めようとした。
br 「いかないで、、、おねがぃ。」
掠れた声は雨音に消されてしまった。
愛おしい彼と共に。
〈kiriyan side〉
何が起きてるんだ、、、
スマイルが消えてしまうのは想定内だ。何故なら彼は魂のみの存在であるから。
しかしきんときは、、、きんときは肉体を持った人間だ。それなのに彼岸に混じった??
そんなことはありえないはずだ。
霊感がある人でも肉体を所持しているなら彼岸に連れてかれることはない、、、となると?
俺の前提が間違っていたのか
kr 「ぶるーく、今から俺はなかむとシャークんを探してくる。ここに残れる?」
br 「、、、ぼくもいく」
kr 「そんなに震えているのに?無理だよ。 」
kr 「大丈夫、すぐ戻るから。
もし怪異がこっちに混じってきたら、静かに呼吸をして身を縮めるんだよ」
kr 「俺があげたお守りも持ってるでしょ?」
br 「うん、、」
時間がない。
もしこの前提がすでに崩れているのであれば今頃彼らは、、、、急がないと
…………………………………………………*
〈smile side〉
どれくらいの時間が過ぎただろう。
こうして学校を眺めて自分がどれだけこの場に執着していたかが理解できた気がした。
でも俺が執着しているのはここにあるこれじゃない。
sm 「惑わされないように、、、」
---ハァ、ハアッ、、、グズッ
雨が降らないこの場所には涙の滴が波紋を広げる。
、、、この教室は
カラカラ
「グスッ、、フッ、、」
過呼吸になりかけない小さな背中。
吐息に混ざる少し高めの声、サラサラなストレートヘアを見間違えるほど俺は呆けてはいないようだった。
ただ、ここにはいてはいけないはずの人。
sm 「なんで、ここに入ってこれた」
sm 「きんとき。」
kn 「、、す、すまいる、」
kn 「おれ、身体が透けて手が届かなくて、、戻らなきゃ、、ぶるーく、っが、、」
中途半端な存在は彼岸に混ざる。
あぁ、これが虚偽の情報ならどれだけいいことか。自分に対して言われた時よりも彼の姿を見てようやくこの状況が何を意味しているのかを理解できた。
俺ができることってなんだろう。
目の前に縮こまるともの姿を見て、心が温もりを灯すと思っていたのに
sm 「きんときの身体は透けてないよ。
ほら、見てごらん」
sm 「それにこんなにも温かい。まだ間に合う」
sm 「いこう?元の世界に」
kn 「、、、ん」
震える温かい手が俺に触れてもぬくもりは染み込んでこなくて、冷静な頭と身体は連動していた。
出口なんてものは知らない。
きんときがどこからきたのか、何を見たのかもくわしくはきけない。
ここでは感覚に任せてクラゲのように彷徨う。
はぁ、はぁ、はぁっ
kn 「俺が来たのは多分、ここの上で」
kn 「って、あれ」
sm 「待て、離れろ。」
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