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『大きな音』
教室の廊下。
ガタン!!
誰かが机を勢いよく動かした。
バンッ!!
扉が乱暴に閉まる。
👁️🗨️の肩が大きく跳ねた。
(また……。)
胸が締めつけられる。
「怒ってる。」
「こっちに来る。」
頭の中で考えが一気に膨らんでいく。
廊下から聞こえるイライラした声。
ドンッ。
また大きな物音。
👁️🗨️は耳を塞ぎ、その場にしゃがみ込もうとした。
そのとき。
「立て。」
Ი𐑼の声だった。
「……無理。」
「私を見る。」
👁️🗨️は震えながら顔を上げる。
外ではまた、
ガン!!
と何かをぶつける音が響く。
心臓が速くなる。
「怖い……。」
Ი𐑼は落ち着いた声で言う。
「音は大きい。」
「だが、その音だけで君に危険が起きるとは限らない。」
👁️🗨️は息を整えようとする。
うまく吸えない。
「私の声を聞け。」
「足の裏を床につけろ。」
言われた通り、足に力を入れる。
「机を一度触れ。」
冷たい感触が手に伝わる。
「今、見えるものを言え。」
「……窓。」
「時計。」
「椅子。」
外ではまだ物音が続いている。
でも、さっきより少しだけ現実が見えてきた。
Ი𐑼は最後に短く言った。
「音に引っ張られるな。」
「音は過ぎ去る。」
「今はここにいる。」
👁️🗨️はゆっくりとうなずいた。
外の音はまだ聞こえる。
それでも今は、Ი𐑼の声のほうが少しだけ大きく感じられた。
コメント
1件
みぅです🥀 第5話、読んできました。 「大きな音」というタイトルからも伝わる通り、このエピソードは音の暴力に飲まれそうになる感覚がとてもリアルで、胸がぎゅっとなりました。 特に、👁️🗨️がしゃがみ込もうとしたところで「立て」と Ი𐑼 が声をかける場面、あの瞬間が本当に好きです。ただの励ましじゃなくて「足の裏を床につけろ」「机を触れ」という具体的なアンカーを出すことで、パニック状態の人を現実に戻す方法の優しさと確かさが感じられて、心に残りました。 音は過ぎ去るもの。今はここにいる。その言葉が、静かに支えになっているのが伝わってきます……。 かほさんの書くこういう繊細な心理描写、いつも丁寧で好きです。次も読ませてくださいね🌙