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「ボンさん!!ほら!起きてくださーーい!!」
「わーかった!!わかったから!!耳元でフライパン叩かないで!」
ここは羽星市某探偵事務所。
ボンさん と呼ばれた男はまだ覚醒しきっていない頭を働かせながら今日一日のスケジュールを思い出す。
「あー、卵がない…。ボンさん、朝ごはん食べたら商店街行きませんか?」
「やよいちゃんからのお願いだからな〜しょうがないな〜」
目の前にいる可愛らしい女性、助手のやよいに向けて、デレデレとした声で返事をする。
早急に支度を終え商店街に向かう。
夏だというのに心地の良い風が頬を撫でる。
そよそよと2人の綺麗な黒髪が揺れる。
ふと目線を上にあげると騒いでいる高校生の姿が見える。
「あれ、なんかあの男の方ボンさんに似てません?」
「えぇ?そう?」
ほら、と指を指された方に目線を向けると確かに似ている。紫の目に黒の髪の毛。サングラスまでご丁寧に付けていて、ワンポイントにナスがある。
違う所と言えば年齢、ポンパかそのまま下ろしているかだけだ。
「へぇ、、ほんとに似てるなぁ、、世の中に3人いるって言われてるドッペルゲンガーか?」
そう笑う。するとやよいがパッと閃いたように
「男子高校生、探偵、ときたらあともう1人は何をしてるんでしょうね?」
似ている人間でもやってることは似てねぇんだな、と思いなが、『もし、もう一人似ている人がいたら何をしているか』を考える。
「さぁな〜、探偵の俺にも分からねぇや。俳優かなにかでも、目指してるんじゃない?」
その男子高校生を優しい目付きで見つめながらそう零す。
そのなんとも言えない目に小さな違和感を覚えたやよいだが、深追いをせず隣を静かに歩いた。
(アイツは将来何をやるのかね)