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時間が経っても、胸のざわめきは消えなかった。歌ってるとき、配信してるとき、ただ笑い合ってるとき――気づけばまろを探してる自分がいる。
「(これ……もう催眠のせいとかじゃ言い訳できないだろ)」
夜。
作業を終えてスタジオを出たところで、まろが待っていた。
「ないこ、ちょっとええ」
人気のない廊下で二人きり。
まろは真剣な顔で、俺を見つめる。
「……催眠とか関係なしに言うわ。俺、ないこのことが好き」
胸が痛いほど高鳴る。
「……やめてよ。そんなこと言われたら、俺……」
声が震えた。
まろが一歩近づいて、俺の手を掴む。
「もう逃げられへんやろ? ないこも同じや」
図星だった。
必死で否定しようとしたけど、唇が勝手に動いてしまう。
「……そうだよ。俺も、まろのことが好き、」
言った瞬間、力が抜けていく。
隠していた気持ちを、もう隠せなかった。
まろが安堵したように微笑み、俺を抱き寄せる。
「……やっと言ったな」
その夜――もう“催眠”なんかじゃない。
俺たちは、本当の気持ちで結ばれた。
メンバーの反応(後日)
翌朝、収録前。
りうらがにやにやしながら俺の顔を覗き込んでくる。
「ないくん、顔赤いけど……何かあった?」
「な、なんもないって」
しょーちゃんがニヤついて。
「ほら見ぃ、両想いなっとるやん」
いむが苦笑しながら。
「ないちゃん、隠してもバレてるよ……まぁ、幸せそうだしいいけど」
そして、あにきが低い声で。
「……人前でいちゃつくのはやめとけよ」
その場が爆笑に包まれる。
俺は顔を覆って、まろを肘で小突いた。
「……もう、全部お前のせいだからな」
まろは嬉しそうに笑っていた。
催眠から始まったふざけた企画。
けど――俺とまろの関係は、もう戻れない。
「(あの日から、全部変わったんだ)」
そんな実感とともに、俺はまろの隣で笑っていた。