ーside:のっき
こうして私の覚悟は決まった。
私は皆の望み通りに動こうと思った。
その為には悪役のやり方を見極める
必要があった。
そういえば…あの『物語』は
妙にこだわられていて、
必要以上に出来が良かった気がする。
そう思い私はこの『物語』を読み始めた。
動機、アリバイ、犯行の仕方。
この3つは全て惜しい所までいっていた。
それは全て現実的でなく、
【ここをこうしたら…ッッ!】
という所で止まっていて。
いわゆる【The☆非現実的】なのだ。
それがいままで
『完璧主義』であらざるを得なかった
私の心に火がついた。
私は頭の中で
私の改変『物語』を組み立てた。
そして。
現実的で手が届く範囲で置き換え、
見たのがバレるとまずいと思い、
スマホの閲覧履歴を消した。
nk[ゔ…ぐぅ゙…]
…気持ち悪い。
雨でも降っているのだろうか
『体調不良』。
これは私にとって
切っても切れない存在だった。
何度要らないとごみ箱に捨てても
ーまた出てくる。
何度入ってくるなと言っても
ー問答無用。土足で踏み込んでくる。
此の位私にとって
『体調不良』というのは
1種の
…なのである。
これさえ捨てられるのならば。
私は
どんな『人間』だって押しのけられる。
無駄に
私の線の中に入るだなんて許されない。
そう。『無駄』なのだ。
何故なら私が拒むから。
私は優しくなんてない。
もしかすると、『極悪非道』かもしれない。
誰かが言った言葉を言おう。
ーー人間は苦しみの先、希望を手にする。
それなら私はもう既に希望を持つ筈で。
私の空白は埋まっている筈で。
私は私の意思で動いている筈で。
私は私を操作出来る筈で。
私が欲しいと願ったものも。
努力したから…持っている筈なのに。
私は…
nk[わたし…は…]
nk『[何も持っていないんだ]』
そう言った所で
私は声が出ている事に気がついた。
nk[ぁ…]
出ている声はカサカサで。
震えているようにも聞こえてきて。
自分が…
…そんなの……
……
nk[…情けない]
自分を嘲笑うように吐き捨てる。
それだけでも心が少し軽くなるのだ。
でも…ここは外だ。
nk[…ふぅ]
作り笑いをした所で。
こうなった経緯を辿る。
画材を買う途中で休憩したのは良いが
考え事に夢中になってしまった。
外で暗くなってはいけない。
…これは家に帰って反省会だな。
…1度本能のままに
絵を描いてもいいかもしれない。
絵は…最高の表現法だから。
私を描いたらどうだろう。
暗黒に染まるだろうか。
それとも画材で埋まるだろうか。
どちらにせよ楽しみだ。
私は私を唯一描けるものを描いて。
嗚呼…凄く…
To be continued…….
ーーーside???????
今日、マウスが壊れた。
一夜漬けしたこともあって
[あ゙?こっちから買いに行ったるわ‼]
という勢いで
家を出て通りに行ってしまった。
ーやめときゃよかった。
眠いし 疲れたし なにより眠い。
su[帰ったら寝よ…疲れた…]
なんてのんびりしてたら
座ってるのっきたんがおった。
その顔は随分暗かった。
ーなんや。のっきたんも一夜漬けか!w
と、呑気に思っていたら
何処から声が飛んできた。
『[何も持っていないんだ]』
冷たく、低い声だった。
いや、どちらかというと
冷めた声かもしれない。
立て続けに聞こえたのは
[ぁ…]という情けない声だった。
それはやっぱりのっきたんの面影がある。
優しい、暖かい声だった。
でも、さっきの冷たい声が
のっきたんから発せられたと
理解するまでに時間がかかった。
nk[…情けない]
まるでじ自身を嘲笑うように言っていた。
その声は消え入りそうで。
苦しそうで。
思わず手を取らなければとまで感じていた。
あまり他人に興味がないが、
のっきたんは大切なメンバーの1人だ。
それはもう、他人と言えるだろうか?
考え方によっては
YESと即答する人もいるだろう。
でも今の僕にはメンバーがいる。
大切な人達が。
あの顔を見て胸騷ぎがしたのは。
やっぱりあの顔は見たくないのだろう。
当たり前だ。
のっきたんは大切な人の1人だから。
【今度家に呼んで一緒に甘い物でも食べよ】
そう思って僕はケーキ屋さんへ
一歩足を踏み入れた。
ーーsideサムライ翔大切な『1人』だから。
おまけ 終わり。
コメント
3件
はぁぁぁ好きです、 本当に最高です😿💞 書き方がすごく丁寧で 綺麗で凄いです!! 続き見たいです😢💧
あーうんうんわかったなるほどね。 怜菜ちゃんって神なんだ納得 😇 相変わらず語彙が … 語彙が凄い … 言葉選びが天才的すぎるッ !! 😭