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「彼氏?」
「彼氏いるの?」春人はそっけなく問い直す。
「。。。いるわよ、彼氏くらい」麻帆はつい嘘をついてしまった。
春人はニヤリと笑い、コーヒーを啜った。(なんなのコイツ聞いといて、微笑むだけかよ)
少し間を開け春人がこう言った。
「可愛いからなぁ、そりゃそうだ」
「そういうあんたはどうなのよ?」麻帆は嬉しさを抑えながら春人に尋ねた。
「いるはいるけど2年前から会ってないから、事実上フラれたのかもしれないな。。」
服役を知らない麻帆にとっては2年も会っていないのであれば、恋人ではないだろうと思った。2年会ってない女の話をするなんでどんだけ引きづり男なのか、それとも、忘れられないくらい魅力的なのか。オレンジジュースをストローでかき混ぜながら考察してしまっていた。
「元カノは諦めて、チャレンジしようかな。。。」麻帆を見つめながら、春人は意味深な言葉を漏らす。
(なんなのこの男は。。チャレンジって私?それとも他の子?イケメンじゃなかったら、気にすることないけど、イケメンなだけにドツボにハマりそう。彼氏いるって言ってるのにチャレンジ?イヤイヤ全ては私をからかっているだけよ、きっと。)
17歳の少女が18歳の青年に言葉でもてあそばれているのであった。
「そう言えば、何か用事があったんじゃないの?」
「買い物に来たのよ、明日ミラノに。。。」麻帆は言葉に詰まった。
「ミラノ?」
せっかくのイケメンに出会ったのに、明日旅立つなんで、チャンスを台無しにするような事実は言いたくなかった。
春人は席を立ち、伝票を手に取り会計をし始めた。
「買い物に付き合わせてよ、それで貸し借りなしにする。」
コーヒーでなく、財布を拾ってくれたお礼に買い物を付き合わせて欲しいと頼んだ春人、麻帆は完全に春人のペースに呑まれていた。
彼氏どころか、友達付き合いもない麻帆、不思議なバカイケメン、春人との時間は始まったばかり。