テラーノベル
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君がくれた春
ボラス⋯…あいつ…。元気にしてっかな…、
俺は、俺をいつも照らしてくれるあいつに、毎日1枚ずつ葉書を書くようにしている。
だが、あいつが見える世界は3年も前に消えた。読めないことくらい。分かっているが。
3年前。あいつは花咲き病を患った。体中に咲いた花が体中に広がって。
その次に会いに行った時には、もう目まで花に覆われていた。
その色とりどりの花も俺には、全部赤黒く見えた。
あいつの生きる世界を。俺は知らない。
あいつの身体は。俺と同じ様に、元々半分以上が凍てついている。
咲いた花は、枯れることはなく、あいつの身体から生命力だけを奪い、そして凍てつく
。
ずっと。繰り返す。今もまだ、同じことをくりかえしている。
あいつがいつ死ぬかなんて。わからない。
俺は。この広い氷結した場所を、制御しなきゃならない。
あいつのことが心配で、仕事にならないが。
それでも。その、役割から外れることなど許されない。
星々を制御している奴も、天界を制御している奴もいる。
そんな奴らに比べれば、俺の役割なんて。ちっとも大変じゃねぇ。
次、あいつにあえるのがいつになるかは、まだわからない。
ただ。俺はあいつに
ボラス⋯…早く会いてぇ。
コメント
5件
うわあ、もう冒頭から胸が締めつけられました…。毎日葉書を書いているのに、それが読めないと分かっていても書き続ける主人公の一途さ、切ないですね。凍てつく世界と花が咲き誇る病の対比が美しくて、3年も会えていない「ボラス」への想いが痛いほど伝わってきました。「早く会いてぇ」の一言に全部が詰まっていて、続きがすごく気になります…!