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白物語bl
sei×kei 創傷
r18要素有
「ぁ、母ちゃんっ…やめ…」
宙を舞う算盤は勢いよく自身に向かってくる。
夢だ。
こんなことされていない。
「っ!はぁ、はぁ…」
薄暗く簡素な風景。
目覚められた。
「最悪…」
悪夢に魘される。
貘に存在しない悪夢を散々見せられ討伐後、あまり寝れなかった。
ただあの人と会えた日辺りは良く眠れた。
あの人とは母親。
幸いなことに職場の人と思わしき人と仲良くやれていたようだった。
本当に良かった。
良かったのに。
何故悪夢を見るのか。
恐らくだが父ちゃんの行方、母ちゃんに少しは接した方が良かったのかという葛藤。
様々な不安による過度な疲労。
悪夢の原因はきっとそれだろう。
しかし分かったところで何も変わらない。
時也みたいに何事にも勇気を持って立ち向かったり、あの野良九十九師みたいにマイペースに振る舞うこともできない。
何で俺は…
突如として音がする、スマホの通知音。
「んだよ…」
画面に表示されている名前はエンドウセイイチ。
何の用だ?
闇を照らす光を覗く。
『昏東区での事件、解決したんですね』
『事件の詳細知りたいので家来て話せませんか?』
…ふざけてんのか?
本当に腹立つ。
そもそも何故昏東区の事件を知っている?
ニュースにもなってはいたが…
悩んだ挙句の答えがGPSとかだったら本当に寒気しかない。
事実付き合ってはいる。
基本冷たいし愛想の欠片もないが、戦闘面では頼りになるし、意外と気遣いもできて行為も下手とは言い難い。
…脱線した。
正直彼にはとても会いたいが今会えば確実に甘えてしまう。
自分は強くなければいけない、大人だから、九十九師だから、1人の先輩だから。
謝罪の3文字だけを入力し電源を落とす。
「やっ!痛っ…!う゛ぁ゛…」
頭を乱暴に掴まれ背中を何度も叩かれる。
夢、早く目覚めろ。
「っはぁっ…〜っ、なんでだよ゛…」
スマホを手に取り時刻を確認する。
2時24分、二度寝から数分しか経っていない。
もう疲れた。
近くに川がある。
このまま…
『どこかで元気にしていてくれればいいんだけど…』
…何か、何か心の安寧となるものは。
ふと炎道の送ったメッセージが過る。
「炎道…」
瞬間通話の招待がくる。
驚きつつも緑色の円に触れる。
「だから何の用…」
『ごめんとだけ打たれても来るか来ないかはっきりしないので』
「わざわざ通話じゃなくても…」
『声が聞きたかったのもありますしメッセージを打つより効率いいかと』
「あっそ…」
…彼の温もりが欲しい、甘やかされたい。
「行くから待ってろ…」
『…迎えに行くので準備してください』
「…了解」
念の為算盤銃を収納している肩掛けバッグを用意する。
数分も経たないうちに戸をノックする音が聞こえる。
来る速度がイカれてやがる。
丸眼鏡、ひらりと揺れる広い袖、対照的にタイトなパンツ。
自分より背丈があり多少の劣等感を感じるものの、彼と会えたという事実に少しだけ愉悦を覚える。
「久しいですね」
「そう、だな」
「結局寝れました?」
「全然に決まってんだろ」
「そうですか、歩けますか?」
「多少はな、肩借りるぞ」
歩けはするも、足取りは覚束なく、何かを支えにしなければ夜道は危険である。
「ぅあ…」
左側の腹部にぞわぞわとした感覚が襲う。
「どうしました?」
「何でも…ない…」
不快でもないが形容し難い感覚が気味悪いがその内その感覚も消えるだろうと小さく一歩ずつ踏み出す。
「ねみぃ…」
理性は寝ることを拒否するも本能は眠いと言っている。
「何か夢見ねぇ方法とかねぇの?」
あるわけないだろう。
適当に思いついた質問をそのまま投げただけなのだから。
「その…そちらが良いならの話ですが…」
「さっさと言えよ」
「ヤるのはどうでしょうか?」
「あー…………ん?今なんて?」
「ヤると…」
「…………おま…馬鹿やろっ!そういうのはもっと、ちゃ、ちゃんとしたときに…!」
唐突に壮大な話をするな。
心臓に悪い。
見つめるな、恥ずいんだよ。
…………まぁ、その、ちょっとなら…まぁ、良い、のか?
「勝手に…しろ…」
小さく呟けば手袋を外したり、潤滑剤、ゴムなどの準備を手際良くし始める。
こいつ、俺が了承すんの分かってたな。
「ん゛…いったんとまれ゛…」
「あなたこそ声抑えないでくださいよ」
「や゛っ、恥ずいんだよ…!…んぁ!?ゆぃ゛っ、入れんな!」
行為中はどうしても声を漏らしたくなかったから閉じることに専念していたのに。
侵入してきたソレは閉ざした口内をこじ開けるように蠢く。
抵抗は無駄なものとなりただただ聞きたくもないよがり声を発する。
「ひっ!ひあ!?さわんなよっ!えんどっ…えんどうっ!」
「”俺が付けた傷”で感じるなんて…本当に…」
満足げに呟く。
左手はあの時の傷を艶めかしくなぞり、右手では口内をひたすらに荒らしていく。
あの時の傷。
時也____禁忌の彼を護るために炎道と戦った。
恋人ではあるが九十九師としての責務を果たした上での交際、戦闘をすることもなくはない。
結果は勝利だったものの彼の炎刀で傷を負っている。
傷は決して性感帯ではない。
なのに。
「ぃ゛っ…!?〜んっ、やぇろ…ぬ゛げっ…」
指のせいでまともな発音が出来ない。
指に尖ったもので抵抗すれば舌の表面に指を滑らせられる。
快楽を逃そうと腰を僅かに浮かせただけで傷を弄り倒していた手を下腹部に移し力強く抑えつけてくる。
それらのせいで唾液をたくさん漏らすも飲み込めずに肌を伝ってゆく。
「っあ゛っ…!?〜っ…い゛っだっ…はーっ、ふーっ…」
複数のところから一斉に信じられない位の快楽を受け達してしまう。
同時に指が抜かれる。
「もっ、いいだろっ…もう…ぬ、け…よ゛っ」
「…………無理」
「はぁ!?別にもう必要ねえだろっ!」
反抗した態度を見せれば耳元でお願い、と即座に呟かれる。
彼のお願いなんて滅多にないため頭の回らない自分はソレを許してしまう。
傷を舐め回すように弄りながら再度ピストンを再開する。
「今夜は寝れませんね?」
「く、んっ…はっ、うるさっ…」
end