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第58話 「不可解な空気」
身体が強張った京輔だが――史花からの視線の厳しさのせいではなかった。
――自分がうまく立ち回ることができなければ、夏実との未来はないかもしれない。
大げさな考え方だが、一度互いの気持ちのすれ違いから別れたこともあったのだ。
何がどんな結果に繋がるのか、そのときまでわからない。
だからこそ――自分がやるべきことに、真剣に向き合わなければいけない。
京輔は、そう思っていた。
「――わかった。できる限りのことをしてみる」
少し間は空いたが、それでもしっかりと、力強く頷いた――
「……」
「……」
つもりだった。
「……ちょっと脅かしすぎた？」
「あまり気負うな」
史花は苦笑し、園田は穏やかに笑った。
――確かにあの日、何事もなく夏実の父親と話すことができたが、今回はまた状況が違う。
――自分ひとりで、何かあったときにどうにかできるだろう＊＊＊＊＊
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