テラーノベル
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スターーーと!!!
玄関は、朝から混雑していた。
「靴!誰か俺の靴しらない!?」
「知らないって!」
「それ、昨日りょうたが履いてたやつじゃない?」
高校生組の声が飛び交う中、亮平は玄関の端でそれを眺めていた。
「はいはい、落ち着いて。たつやのは左、ひかるのは下」
「まま、なんでわかるの」
「見ればわかる」
本当は、昨日揃えたからだ。
「ラウール、帽子」
「……あ」
年長のラウールは、少し大きめのリュックを背負って立ち止まる。
背は同い年より高いけれど、中身はちゃんと五歳だ。
「忘れものしないでよ」
「するわけないじゃん」
そう言いながら、帽子をかぶるとちょっと照れた顔になる。
幼稚園では、先生にも友だちにも人気者らしい。
無意識で目立つタイプだ。
「こうじ、写真は持った?」
「うん!」
小学校一年生。
今日は生活科で校内探検があるらしく、
首から小さなカメラを下げている。
「ぶれないようにね」
「がんばる!」
その返事がもうかわいい。
「だいすけ、廊下走らない」
「はーい!でも今日アニメの——」
「聞かない」
元気すぎる小5。
学校でもテンションは変わらないらしい。
「りょうた、弁当」
「ありがと」
中学二年生。
料理好きで落ち着いているから、先生からの信頼も厚い。
「今日、家庭科あるんだよね」
「うん。包丁使う」
ちょっと楽しそうなのがわかる。
「しょうた」
最後に声をかける。
「今日はどう?」
「……たぶん、平気」
ツンデレで口数は少ないけれど、
美容の話になると急に饒舌になる。
学校では、意外と女子から相談されがちだ。
「無理なら、ちゃんと保健室」
「……わかってる」
それでいい。
「いってきます!」
声が重なって、玄関が一気に空になる。
残ったのは、亮平と蓮だけ。
「りょうへい、みんな行ったね」
「うん」
「今日もすごかった」
「毎日だよ」
そう言いながら、亮平は少しだけ腰を下ろす。
静かになると、胃の存在を思い出す。
「大丈夫?」
すぐに気づく蓮。
「平気。少し休めば」
「無理すんなよ」
心配そうに言われて、亮平は笑った。
「それ、僕のセリフ」
その頃、それぞれの学校では——
・たつやは友だちにゲームの話でいじられ
・ひかるは体育で筋トレメニューを提案し
・りょうたは家庭科で先生に褒められ
・しょうたは保健室で少しだけ休んでから教室に戻り
・だいすけは相変わらず元気に走り回り
・こうじは校内の花を真剣に撮り
・ラウールは「大きいね」と言われてちょっと困っていた
場所は違っても、
それぞれが、ちゃんと自分の一日を生きている。
亮平はそれを全部知らない。
でも、信じている。
「……さて」
静かになった家で、亮平は立ち上がる。
目黒家の一日は、外でもちゃんと続いている。
続きお楽しみにー!
コメント
10件
賑やかな1家だねぇ~笑笑
え?可愛い! 大家族だと大変そう💦 この話めっちゃ面白い!! めっちゃ続き楽しみ!!