テラーノベル
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第4話?スタート!
玄関を出たあと、家の中は一気に静かになる。
亮平はその静けさを、少しだけ味わってから洗い物を始めた。
その頃、目黒家の子どもたちは——
それぞれの場所にいた。
「おはよー!」
教室に入るなり、たつやは声をかけられる。
「今日も眠そうだな」
「それ、毎日言われる」
ゲームの話になると急に目が覚めるけれど、
授業が始まると、ノートは途中で止まりがち。
それでも友だちに囲まれて、
笑われて、いじられて、
たつやはそれをちゃんと楽しんでいる。
——自分はこの役回りでいい。
たつやは、そう思っている。
体育館。
「じゃあ、腕立て追加な」
「はい!」
誰よりも元気に返事をする。
筋トレは裏切らない、が口癖だ。
休み時間には、机に突っ伏しながら甘いものの話。
「放課後、タピオカな」
「それだけで一日がんばれる」
単純で、まっすぐ。
でも、仲間が困っているときはちゃんと気づく。
——家では見せない顔を、ここではしている。
家庭科室。
「手際いいね」
先生に言われて、少し照れる。
包丁を持つ手は慣れていて、
周りの様子もよく見ている。
双子の兄のことも、
家のことも、
多くを語らないけれど、いつも考えている。
——ちゃんと回っていれば、それでいい。
午前中の授業が終わるころ、
しょうたは少しだけ保健室に寄った。
「無理してない?」
「……してない」
そう言いながら、ベッドに腰を下ろす。
美容の話になると饒舌なのに、
自分のことは後回し。
でも、昼休みには教室に戻る。
——家で心配されすぎるのは、ちょっと照れくさい。
「にゃはっ!」
その笑い声で、クラスが少し明るくなる。
アニメの話をして、
休み時間は全力で遊んで、
怒られても、へこまない。
——楽しいって、最強だ。
首から小さなカメラを下げて、
校庭の花を撮る。
「それ、なに?」
聞かれると、少しだけ誇らしそう。
静かだけど、
ちゃんと自分の世界を持っている。
「ラウールくん、大きいね」
また言われる。
「……うん」
返事は短いけど、嫌ではない。
外遊びでは走るのが速く、
でも昼寝の時間は誰よりも早く眠る。
——まだ、五歳だ。
同じ家から出てきても、
過ごす一日は、それぞれ違う。
亮平はそれを全部は知らない。
でも、夕方になれば、
また同じ場所に集まることを知っている。
「……今日も、みんながんばってるな」
それで十分だった。
続きもおたのしみに!
コメント
6件

めっちゃ見るの遅くなった💦ごめん💦 めっちゃ小説書くの上手いすぎん?! めめあべ最高👍 𝘚𝘯𝘰𝘸𝘔𝘢𝘯って1度ハマったら脱げ出せない沼だよ!! 次回も楽しみにしてる!

最高すぎる😭👏✨