テラーノベル
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みぃ(新垢)
➰🎀
百鳥壊綺
AttentionとSettingは第1話をご覧ください。
start.
🍌side
キーンコーンカーンコーン
授業開始のチャイムが鳴った。
———来る。
地獄の時間がッ!!
「んじゃ、採寸開始!」
「うぇい!」
意気揚々とした声が響く。
あの後の話し合いの結果、
メイド・執事、それぞれ4人ずつになった。
時間ごとにメイドと執事1人ずつ、
つまり、「ペア」で対応するそう。
menと一緒の時間がいいな……。
そんなことを、
無意識に考えている自分に気付いて、
小さく息を飲む。
……いや何考えてんだよ。
「次、音璃くーん!!」
🍌「………っ!」
女子に名前を呼ばれ、
肩を縮こめる。
隣にいた、menの袖を小さく掴む。
🍌「men、助け……」
🐷「がんばーッ!」
🍌「うっ……裏切り者ッ!!」
あっさり見放された。
この男、相変わらずニヤニヤしている。
🍌「面白がってるよね?」
🐷「何をおっしゃる」
🍌「え?」
🐷「当たり前だろ」
🍌「………は?」
🐷「w」
くっそ……。
———行くしかない。
「あ、来た来た」
🍌「ごめんごめん」
どこかその会話はよそよそしい。
「じゃ、測るよ!」
🍌「う、うん……」
ぎこちなく頷く。
「まずは……首から!!」
🍌「……え、?
く、首?何で!?」
思わず慌てふためく。
「チョーカーっぽいの作りたい!
って、あの子が」
そう言って、今も必死にペンを動かしている、
美術部の女子を指さす。
余計なことを…………。
「はい!じゃ動かないでね〜」
そう言って、
メジャーが首元に近付く。
🍌「っ……!?」
「え、あ、ごめん!」
🍌「い、いや、大丈夫」
そう強がって見せるが、
耐えられるわけもない。
「じっとしててよ?」
🍌「う、うん……」
ヒタ、と、
冷たい感触が、首をなぞる。
🍌「………」
なんとか、数秒耐える。
だが、肩がびくっと跳ねる。
一度呼吸が乱れると、
その後は速い。
🍌「っふ……w」
「……ん?」
🍌「ちょ、やめッ……ww」
「え、w?」
完全に崩れた。
🍌「んふっ……w」
「もしかして、くすぐったい……?w」
🍌「……………」
「じゃ、動かないでよ?」
🍌「あ、いやそれはッ……」
「くすぐったいんでしょ?w」
🍌「……、ん……うん//」
認めた瞬間、
情けなさが込み上げる。
「可愛いかよw」
🍌「うるさいッ!!」
笑われるのも、
恥ずかしいのも嫌だが、
どうにもならない。
「でも、どうしようか……」
🍌「いやぁ……、その、ごめん」
「あ、いや、全然!」
羞恥心と、後悔が、
入り混じる。
🍌「こういうの…、昔から苦手でさw」
「分かる〜無理な人ほんと無理だよねw」
気まずくないように、
会話を繋いでくれる女子に、
心から感謝した。
ただ、恥ずかしいものは恥ずかしい。
俯いて、拳をギュッと握る。
————でも。
その様子を遠くから見つめる男が1人。
🐷side
……分かってた。
分かってたけどさ。
🐷「……はぁ」
ただの採寸だってことくらい、
ちゃんと分かってる。
なのに——
🐷「……なんでだよ」
目が、離せない。
笑ってる顔とか、
困ってる顔とか、
全部、見えてしまう距離に、
他のやつがいるのが、
こんなに嫌だなんて思わなかった。
いいなぁ。
ずるい。
俺が——
触れたいのに。
自分でも、
ダサいって分かってる。
でも、
止められない。
そんなことを考えていると、
「男子〜誰か採寸してー!!」
声が飛んできた。
視線を戻す。
おんりーが、
耳を真っ赤にして俯いている。
🍌「あの……ハイスンマセン」
「いやいや!これはしょーがない!」
困っている。
——チャンスだ。
このまま、
見てるだけなんて無理だ。
🐷「あー、俺やろっか?」
気づいたら、
口が動いていた。
「め、冥人くん!?」
🐷「わりーか?」
「あ、いや全然//」
🐷「それ貸して」
メジャーを受け取る。
「あ、はい!よろしく!」
そのまま、
女子は離れていった。
近づいて行くと、おんりーがすこし、
怒ったような顔をした。
🍌「バカにしに来たか」
🐷「んなわけねーだろw」
🍌「……ありがと」
🐷「おうよ」
ぶっきらぼうに、そう言うおんりー。
少しだけ、
顔を上げたおんりーと目が合う。
🍌「……随分とご満悦のご様子で」
🐷「まあな」
🍌「俺で遊ぶ気じゃない、よな……?」
🐷「んー?」
🍌「おい」
🐷「ん?え?」
🍌「……は?」
🐷「冗談ですがなw」
🍌「……笑えないってw」
🐷「笑ってんじゃんw」
🍌「………なんだよw」
さっきまでの空気が、
少しだけ軽くなる。
でも——
🐷「……ほら、やるぞ」
🍌「……うん」
メジャーを持つ手に、
少しだけ力が入る。
近い。
思ってたより、ずっと。
🐷「……じっとしてろよ?」
🍌「……ん、」
そう言いながらも、
視線が泳いでるのが分かる。
🐷「首な」
できるだけ平然を装って、
メジャーを持ち上げる。
触られるおんりーが緊張するのは納得だが、
———触る方も普通に緊張はする。
指が、
首元に触れる——
🍌「っ……!」
びくっと震えた。
🐷「……悪い」
🍌「……いや、平気……っふ」
全然平気じゃない声。
分かってるのに、
🐷「動くなよ?」
🍌「む、無理言うな……ッ」
小さく笑いそうになるのを、
なんとか堪える。
メジャーを、
ゆっくりと回す。
指先に伝わる体温。
柔らかい皮膚の感触。
🐷「……っ」
無意識に、
息を止めていた。
🍌「っふ……w」
🐷「我慢しろ」
🍌「してるって……!w」
震える声。
首元が、
わずかに逃げようとする。
🐷「ほら」
軽く、指で押さえる。
🍌「ひぁっ、!?!?」
🐷「動くなって」
🍌「むりむりむり……ッ//」
完全に限界らしい。
でも、
🐷「……もうちょい」
離したくなかった。
この距離を。
🍌「っは……w、ま、待って……w」
🐷「んー………、はい終わり」
名残惜しさを振り切るように、
メジャーを離す。
一気に距離が空く。
🍌「はぁ……っ、はぁ……」
肩で息をしてる。
🐷「大袈裟すぎだろw」
🍌「そんなことない!」
🐷「そんなことあるだろ」
🍌「お前がやると余計無理……ッ//」
一瞬、言葉に詰まる。
🐷「なんでだよ」
🍌「知らんッ!!」
顔が真っ赤だ。
🐷「……次は、、」
🍌「まだやるの!?」
🐷「当たり前だろw」
🍌「地獄じゃん……」
そんなやり取りをしているうちに、
さっきまで感じていたモヤモヤは、
綺麗に消えていた。
——代わりに、
もっと厄介な感情が、
胸の奥に残っていた。
🐷「……腕な」
🍌「はいはい……」
今度は逃げないように、
少しだけ距離を詰める。
🐷「おとなしいな」
🍌「腕は大丈夫よ?」
自慢げに笑って見せるおんりー。
🐷「なんで自慢げなんだよw」
🍌「w」
小さく言い合いながら、
それでも、
どこか心地いい空気が流れていた。
触れるたびに、
距離が近づいていく気がして。
でも——
それを言葉にするには、
まだ少しだけ、勇気が足りなかった。
🐷「えーと次は…」
🍌「まだあんの……?」
少し涙目で抗議してくる。
けど、逃がす気はない。
メジャーを軽く持ち直す。
🐷「ウエスト」
🍌「……は?」
一瞬、固まる。
🍌「ちょ、待って待って待って」
🐷「なんだよ」
🍌「そこ……?」
🐷「採寸だからな?」
🍌「いやそうだけど……!!」
明らかに動揺してる。
……正直、俺もしてる。
🐷「ほら、さっさと終わらせるぞ」
🍌「いや、心の準備が……!」
その言葉に、
思わず少しだけ笑いそうになる。
🐷「それじゃあ一生終わらんぞ」
🍌「それは困る!!」
少しの沈黙。
🍌「……じゃあ、一瞬で頼む」
🐷「無理だろw」
🍌「なんでよ!?頑張って!?」
くだらないやり取りのはずなのに、
妙に、空気が重い。
🐷「……いくぞ」
🍌「っ……、う、うん」
一歩、近づく。
距離が、
さっきよりも近い。
目線を少し落とす。
——細い。
思ってた以上に。
🐷「……」
一瞬、躊躇う。
触れていいのか、
分からなくなる。
でも——
🐷「動くなよ」
🍌「……ん」
小さく頷く声。
そのまま、
指先を——
腰に、添える。
🍌「っ……!!」
びくっと大きく跳ねた。
🐷「動くなって」
🍌「む、無理だろ今のは……ッ//!」
声が、震えてる。
🐷「はいはい」
軽くなだめながら、
もう片方の手で、
メジャーを回す。
背中側に手を回した瞬間——
🍌「っ、!!!」
息を飲む音が、はっきり聞こえた。
🐷「……」
近い。
背中と、腹。
両側から、囲むみたいな体勢。
🍌「ちょ、ちょっと待って……」
弱くて、
細い声。
すがるような思いで、
訴えているのが伝わる。
🐷「動くな」
🍌「無理……ッ」
逃げようとする体を、
軽く押さえる。
🍌「ぁゔーっ〜〜ッ!!」
🐷「ッ!」
不意に、シャツを掴まれる。
🐷「……しばらく掴んどけ」
胸の辺りを、
必死に掴んでいる。
立つので精一杯の様子だった。
そして、
身長差が良く目立つ。
(🐷「小せぇな……、」)
すると周りから、
くすくすと笑い声が聞こえた。
「やば、近くない?」
「え、あれ大丈夫?w」
「尊……」
そんな声が、遠くに聞こえる。
でも——
今は、それどころじゃない。
🐷「……ほら」
メジャーを締める。
ウエストの細さが、
指に伝わる。
🐷「……細」
🍌「言うなッ!!//」
顔を真っ赤にして怒る。
🐷「事実だろ」
🍌「うるさいッ!!」
そのまま数値を確認して、
ゆっくりと、手を離す。
一気に空く距離。
🍌「……っはぁ……」
大きく息を吐く音。
🐷「終わり」
🍌「死ぬかと思った……」
本気で言ってる顔。
🐷「大袈裟すぎだろ」
🍌「お前がやるからだろ……ッ//!」
また、それか。
🐷「だからなんでだよ」
🍌「知らん!!」
そっぽを向く。
耳まで赤い。
——分かってるくせに。
🐷「……次はぁ〜?」
🍌「まだあんの!?」
🐷「………嘘w」
🍌「ぅあ……、良かった……、」
心の底からの安心を露わにするおんりー。
笑いながらそれを見る。
でも、
さっき触れた感触が、
指先に残っている気がして——
無意識に、
手を軽く握った。
🐷「……」
ダメだ。
これは、ダメなやつだ。
さっきまでの嫉妬とは違う。
もっと、直接的で、
逃げ場のない感情。
🍌「……men?」
🐷「あ?あぁ、悪い」
我に返る。
🍌「いちおー、感謝はする//」
🐷「え、『一応』?」
少し沈黙。
🍌「……アイス買ったげる」
🐷「……マジ!?✨」
🍌「新作のやつ買お?」
🐷「っしゃ!」
小さく笑い合う。
でもその奥で、
さっきより確実に、
距離は近づいていた。
触れた分だけ、
意識してしまう距離に。
戻れなくなる一歩手前で、
踏みとどまっているみたいな。
そんな、曖昧な境界線の上で、
二人はまだ、何も知らないふりをしていた。
計4986文字
遅くなってごめんなさい!
だいぶ頑張りましたよ((
リアルで恋愛経験ゼロなんでね( ̄▽ ̄)ハハハ
妄想の中で楽しませてもらってますw
next.→♡600
コメント
1件

もう喘 いでますやん、これは。早くつきあえぇぇ!! 続き楽しみに待ってます!