今回も、お兄ちゃん目線で物語が進んで行きます。
未音という人は誰なのか、花音のことをどう思っているのか。
そして、自分自身のことをどう思っているのか。
そんなことを書いてます。
ではどぞ!
花音の方は学校が休みらしい。
彼女に昨日の昼、明日はぐっすり寝るから!絶対に起こさないでね!と何度も言われたので、花音を起こすような行動はしなかった。
「ごめんな、おれがこんなんで…」
そう言い花音の髪を撫でる。
花音は辛い思いをしたのに、自分はなにもすることができない。
怖いからだ。
いつまでもうずうずしていて、覚悟を決められなくて、花音を守ることもできない。
逃げてばっかり。
俺は、花音の思う理想のお兄ちゃんじゃないんだ。
未音だったら、どうするのだろう。
ふとそんなことを思った。
彼女ならお母さんのことも、花音の抱えている闇もどうにかしてくれるのではないか。という期待。
「…ダメだな」
俺はフッと力なく笑った。考えてしまっても仕方のないことだ。
未音はもうこの世にいない。
いつまでも幻影に囚われていても、無意味なことだと思った。
俺は玄関を出ると、気持ちが晴れないまま仲間たちの元へと歩いて行った。
「ん…。むにゃ……。」
花音は、奏が家を出て行った後もしばらく寝ていた。
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