小学校から引き続きのトモダチは変わらずナカヨクしてくれた。中学校では新しいトモダチもガリガリだなとからかいながらアソンデくれる。背も平均より下回っていたので頭周りを弄り回された。歩き方も今までの怪我の影響か、ほかの人とは異なっているようで尻を叩いて合図をしてくれる。
小学校だろうと中学校だろうと関わりのある人が増えたと言うだけで環境は何も変わらなかった。たかだか年齢と図体と相手が数を増したのみである。
このまま変わらずに人を終えるのだと思っていた。しかし、訪れた。僕にも転機が訪れたのだ。それは6人兄弟の末っ子を筆頭とした。
末っ子は兄と同い年らしく、今年、兄と同じ高校に入学し出身中学が同じであったことから仲良くなったと言う。僕は知らなかったが中学では生徒会長を務めていたようだ。もう学校でのことからは守れないけれど校外なら呼んでくれれば兄弟のうちの誰かはそばに行けるだろうと言って笑ってくれた。
父に怪しまれない範囲で関わり、立ち止まって五分以上話し込まないように気をつけた。僕が家に帰らなかったら家は壊れてしまう。そう思って僕は家に帰り続けた。
校内での話だ。まだ小さかったはずの会長が父に母との離婚を問うたのをトモダチが聞いていたと言う。だからもしも自分たちを恨むことがあるのならばヤツを恨めと言った。おかしな話だろう。酒に酔った6人兄弟のうちの5男が母に父の浮気について報告したと教えてくれた。おかげで母は今、弟と幸せに暮らしているはずだ。悪気もなく、大変気にかけてくださっている会長の一体何を恨めと言うのか。きっと今まで誰かから恨まれ続けたに違いない。だから恨みを友好としているのだろう。可哀想だ。どうにか君たちを幸せに出来ないかな。残念ながら僕はまだ人を幸せにする術を知らないんだ。僕に良くしてくれる兄のことも、6人兄弟のこともいつかは幸せにしてあげたい。
でも、幸せって、何が基準なんだろう?
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