TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する






突然目の前に現れたのは 、ふたつ歳が下で

あの頃も 、このような感じで

同じ学園に通っていた 。四年い組 …否

一年一組の平野 滝夜叉丸だった 。




急に現れたと思えば何を言うか 。




私が綾部を嫌いなのは百も承知 。



だが 、なぜ貴様にそのような事を

口挟まれなきゃならんのだ 。



そう言いたいところだが 、

彼は何かと苦労しているのであろう 。





平野 綾は入学してからというもの 、

学園でトップクラスの問題児になった



そんなヤツが双子の妹など 、

苦労してかなわんだろう




私が関わらないで済むならば 、

喜んで引き受けてやろう








「….あの 、なんか言ってください」




『あぁ 、すまない 。

そんなのでいいのならっ






そんなのでいいのなら 、良いだろう

もう平野 綾とは関わらない 。



そう告げるはずの口が何故か動かなくなった



体が固まるとかそういったのではなく 、

言葉が詰まる 。そういった方がいいのだろう






「…立花先輩?」



『あ 、あぁ .. 違うんだ 。


良いだろう 、もうヤツとは関わらん 。』













これを望んだのはお前のほうだろう?




なのに 、なのに何故



そんな辛そうな顔をするのだ 。






『おい 、平野 …

「では 、私はこれで」   もう行くのか 、?』




「この後は綾と昼食をとる約束をしてるので」




『随分と可愛い約束だな』



「はい 、まぁ 。

綾はたまにそういう所がありますし 。



でも 、もう先輩には関係無いんですもんね」







『…それは嫌味か』



「まさか!!そんな訳ありませんよ」



「本当に時間なので 、失礼します」








『まったく 、彼奴はいつもああだな


流石は喜八郎の肉壁か 。』




『は 、!?』








いま 、私はなんといった ?




確かに口がヤツの旧姓とやらを発した 。






『…ゔッ…』







またズキズキと頭が痛くなった











____________________






「あれ?仙蔵 、どうしたの?」






『少々頭が痛くてな 。

少しの間 、ベッドを借りてもいいか』



「もちろんだよ!?

平気??最近頭痛が酷いんじゃない?、」




『自分でもどうして

こうなったわからないんだ 。』




「…..」




言わずとも 、わかっている


あの女が原因だってことぐらい 。









「….わかったよ 、もう寝ときな」




『..あぁ 、失礼する』









保健室の3つのベッドのうち 、1番奥に入り

ゆっくりと腰を下ろし横になる



別に 、寝るつもりなどなかったが 、


なぜか気づくと懐かしい光景が広がっていた






















ここ、私がよくよく覚えていたあの場所 。



かつて 、私達六年生は

死とすぐ隣り合わせの任務に行っていた 。





そこで 、私と留三郎は死んだ 。




私は最後の最後で油断をした


留三郎は転んだ伊作を庇い矢を打たれた



そんな私たちは死ぬ直前 、

ある人物の話をしていた 。








「…はぁ〜 あ!もう___とは

会えないかもしれないとかやだやだ!!」




「何言ってんだ 、伊作

はやく敵をぶっ飛ばせば___に会えるし

「先輩凄いでーす」って

褒めてもらえるかもだぜ?」




「それ私も言われたーーい!!!」





「あのなぁ 、もう敵の区域入ったんだぞ

お前ら少しは危機感を持ちやがれってんだ」


「…もそ」






あんな日常が 、こんな簡単に崩れるとはな





静かに5人の会話を聞いていると 、

今度は私自身が口を開いた 。





『くはは 、揃いも揃って無様だな

___は私のものなのだぞ 。

そんな四方八方にしっぽを巻くなど

するわけが無いだろう??』





人物の名前がよく聞き取ることが出来なかった


でも 、そのとき .. 私が発した言葉に

一番最初にピンときた相手が 、




あの平野 綾だった







「別に仙蔵のものではないぞ!!」


「そーだよ!!

あんな焦らされ方されちゃってさ!

僕だったらそんな事しないのに〜」


「なーんで___はコイツを好きなんだよ…」


「これに関しては文次郎に同意だ 。」


「..もそ …..仙蔵 、許さない」


『んなっ長次まで..!!』





楽しそうな光景の中 、ふと思う節があった



伊作の言った焦らされ方とは一体なんなのか



私は 、思い人には意地悪をするタイプなのか


その矛先に向けられるのはやはりあの女で





私と平野はどういう関係なのか



平野は一体どういう人物なのか



なぜ 、急に避けるようになったのか




考えたいことが山ほどあった時 、

ちょうど戦の合図が鳴り 、私の目も覚めた









_____________________




「ちょっと仙蔵ってば!」



『…んっ 、』



「あんま下手に動かすなよ」



「然しここまで頭痛が続くとなると妙だよなぁ」



「…病院 、行かないのか」



『いや 、そこまででは無いんだ 。』



長次までもが心配をしてくれた時 、

うーんと項垂れていた小平太がそうか!と

大きく声を出し 、私の肩をガシッと掴んだ




「綾部だ!!綾部に会ってから仙蔵は

ずっと頭痛がしているだろう!!!」



「 「 はあぁぁぁ!?! 」 」





保健室中に我々の声が響き 、

それが鳴り止まった頃 …また小平太が話す 、



「もしかして仙蔵 、

綾部を思い出したいのではないか??」



その言葉に私は少々間抜けな声を出した


その後に伊作が手を合わせ口を開いた




「そっか!そうだよ!!

記憶喪失っていうのはね 、脳が原因で ..

つまり 、頭に影響がくるわけで 。

もし小平太の言う通りだとしたら 、脳がまだ

追いついてなくて頭痛を巻き起こすんだ」





「…..つまりは仙蔵 、お前やっぱり

綾を想っているのだな」




文次郎の言葉に私は唖然とした




入学式をめちゃくちゃにした問題児



かと思えば私に会った直後泣き出したり



私に会うや否や 、時には冷たく 。

時には悪戯混じりの言葉をかけ 、

私に恥をかかせた 。





そんなヤツを私が好きなわけ 、、、、







「さっきから何ブツブツ言ってんだよ」




『…留三郎 、聞こえてたのか』




「もう!!話戻すよ!!」





「つまりね 、仙蔵 。君は綾との記憶を

取り戻したいと思っているんだ 。

それは全部 、綾が ..喜八郎を好きだから 。



それはおかしなことじゃないからね

ここにいる全員が 、忍たまだった人達が

皆がが綾を好きになっちゃったんだからね」








もし、本当に私が綾を綾部喜八郎を好きなのなら


これからどうしろというのだ 。


散々彼女に酷い言葉を浴びせ 、

その結果本人では無く

本人と最も関わりの強い者から

接触を禁止された 。






『…はは 、神というのは

ときには意地悪をするのだな』











柄に合わずつい弱音を吐き出した 。



そんな時 、ガラッと大きくドアが空いた






「伊作先輩!!!!

いらっしゃいますか!?!」






「…誰か来たみたい 、ここにいてね」





そういい伊作はカーテンを開き戻って行った



そのとき 、

今まさに話していた内容の張本人が来た







「先輩 、あの..あの!!

綾が … 綾が大変でっ!!!」




声の主は滝夜叉丸と三木ヱ門だろうか


その声に皆が反応し 、

その声の元へ歩いていった



「…田村 、平野 。それは誠か?」



「はっはい 、潮江先輩 。」



「一体何があったの!?」


「そ、それが….鉢屋先輩と喧嘩をしてて 。

いつもの事ではありましたが、、

すると急に癇癪を起こしてしまって 。」



「癇癪 ..?」


「急に自分を腕を引っ掻いたり 、

髪を引っ張ったりと散々でして、、

も..もうすぐ先輩方が連れてくるかと …」




するとタイミングがいいのか悪いのか、

廊下から大きな声が聞こえてきた 。




「いやだ!!!!離せッ!!!」



「っ…綾 、!」






伊作は救急箱を持って走り出した 。


私も後を追いかけようとしたさ 、

でも文次郎に止められた 。




『….何故止める』



「今お前が行っては火に油だ」


「….今は皆で待とう 。」


長次の言葉に皆が頷き

ソファやらベッドやらに腰を下ろした






すると5分経ったか経ってないかくらいで

奴らは帰ってきた 。




「 「!!綾っ」 」




「…ぐずっ 、たき …みきぃ」




竹谷に抱かれながらそう名を呼んだ



ふと横を見れば 、口を切ったり腕に靴の跡が

見られる 、不破雷蔵を装った 。否

不破雷蔵と双子であろう鉢屋三郎がいた



鉢屋を挟むかのように 、久々知と雷蔵がいて

各々鉢屋を説教していた 。



「今回はお前が悪いよ 。三郎」


「雷蔵の言う通りだ 。相手はもう女なんだよ

好きな子をいじめちゃうのも大概にしな」




久々知の言葉にばっと皆顔が向いた




「ちょ兵助バカっ!!」


「え!あ!!ごめんっ..!!!」





「こんな近くにライバルが居たとはなぁ」


「腕がなるなぁ?鉢屋」



「あはは 、食満先輩に潮江先輩 。

顔が怖いっすね 、笑いません、、???」





ガヤガヤと騒がしくなったとき 、

ふと彼女の方を見ると 、

まだ竹谷に抱かれており 、その横に尾浜 。

伊作 。平野に田村 。小平太がいた





「ほーら綾もう平気だよ??

八左ヱ門も良いけど〜、、

俺の腕も空いてるよっ」


「竹谷先輩がいいです。」


「おほッ!?あ、、あや!?!」


「ふーん?八左ヱ門良いね羨ましいよ」


「私も綾部を抱きたいぞ!!!」


「ちょ、七松先輩っ

ちょっとその言い方はダメです!!」


「あぁあもう綾は早く降りろ!!」






双方が騒がしくなり 、別の頭痛がしてきた時


静かに本を読んでいた長次が口を開いた 。








「…….綾はなぜ癇癪を起こした」



















この作品はいかがでしたか?

306

コメント

3

ユーザー
ユーザー

続き楽しみですぅ( ´›ω‹`)💕

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚