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#ベリアン・クライアン
ぷち
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番外編105『悪魔に蝕まれる身体と血に染まる刃』中編
※第7章メイストネタバレ注意です
一方その頃――。
『ほらほら、こっちだよ。ハウレス君。』
『くっ、ちょこまかと……。』
『この聖戦で我々天使に勝てると思うな。悪魔執事。』
『っ…。私達は負けない。主様がいる限り。』
ハウレスはセラフィムの羽に刃を突き刺す。
グサッ!
『おっと、羽が…。』
『っ、落ちろ、セラフィム…っ!』
セラフィムは飛ぶ力を失い地面に叩きつけられる。
ドサッ!
『消えろ、知能天使――!!』
セラフィムの身体に剣を突き刺した。
『はぁ、ここまでか…まぁ、別にいいけどさ…。』
セラフィムはボソッて呟いて白い光を放ち消えていった。
『くっ、役立たずが……っ!』
『他の奴気にしてる場合か?』
『っ…!』
『アモン!』
『分かってるっす!』
俺は鞭を振り回し、スローンの身体を固定する。
『忌々しい…っ!』
『そのまま抑えとけ!』
ボスキさんがスローンの羽を切り落とす。
『く…っ!悪魔執事ごときが…っ。』
『はぁ、はぁ…終わりだ……スローン。』
ボスキさんはスローンの身体に剣を振るった。
『くっ、私がここで消えたところで意味はない。創造主がまた新しい天使を作り出す。あの方を倒さない限り…平和な世界は二度と来ないぞ。』
恨み言を吐き消えていった。
『はぁ、くそ…っ。』
『ボスキさん、無理しちゃダメっすよ。』
『あぁ……。』
『シャーキル様。まだ歯向かいますか。』
『……。』
後ろからグロバナー家の憲兵達とフィンレイ様が現れる。
『残念だよ。シャーキル殿。君が人類の裏切り者だったなんて。』
『……。』
『フィンレイ様。ここはお任せしてもよろしいですか?』
『あぁ。ポートレア家に行ってくれ。フブキがいるはずだ。』
『フブキ…サルディス・フブキですか?』
『あぁ。シャーキル殿が軟禁していたらしい。』
『つまり、ユーハン君が悪魔化したのはフブキに会ったから…。』
『絶望を抉るような真似をするなんて…最低ですね。』
『ということは、主様達が危ない…っ。』
私達はその場を離れ、宮殿へ向かう。
ポートレア家 宮殿
『はぁ、はぁ…。』
『ユーハン。仲間まで手にかけるとは。余程悪魔化とやらが進行してると見える。』
『っ、ユーハン…ダメだ…。』
『ユーハンさん…。』
ユーハンによって戦う気力を失ったフェネスとベリアンが床に倒れ込む。
『ユーハン……。』
(止め、なきゃ。ユーハンが…取り返しのつかないことをする前に。)
『お前の相手は俺だろうが。フブキ。』
『ハナマル…さん、邪魔をしないでください…。』
『ユーハンさん……っ。』
ハナマルとテディが剣を構える。
『ユーハンらしくないな。冷静さを失ってるなんて。』
『フブキは、私の家族の…村のみんなの、仇…私がやらねば…。』
ユーハンの背後の黒いモヤが濃くなる。
(まずいな、早く無力化しねぇと…。
魔導服に飲み込まれちまう。)
『テディちゃん。手加減しなくていい。今のユーハンはいつものユーハンじゃないからな。』
『っ、はい…っ。』
『テディさん…。フブキは私とフェネス君で食い止めます。おふたりは……ユーハンさんを…』
私はふらついた足を何とか持ちこたえ武器を構える。
『テディ。同じ別邸の仲間を……自分の手で救ってあげて。』
『ベリアンさん、フェネスさん…。はい!』
『はぁ、はぁ…。みんなを、呼びに行かないと…。』
私はふらふらと立ち上がり、壁を伝って歩く。
ポートレア家 廊下
『広い屋敷だな……。主様達はどこに…。』
ドゴォンッ!!
『っ!!何今の音……。』
『壁が破壊されるような……。』
『っ、みなさんあれ…!』
百合菜様に抱っこされていたムーちゃんが叫ぶ。
壁が破壊され、その隙間から惨状が見える。
『ユーハン君悪魔化が暴走してる…っ。』
『早く無力化しないと…。』
と、その時――
『ルカス…。』
『!主様!!』
『お姉ちゃん!!』
ドサッと廊下に倒れ込む主様をルカスが支える。
『そのお姿は…』
『フブキに襲われかけただけよ…羽織りはベリアンが貸してくれたわ……私のことはいい…。早く、ユーハンを…そして、フブキを…』
私は力尽きて気を失う。
ガクンっ。
『主様!』
『大丈夫。気を失ってるだけだ。人質として囚われていてろくに食べ物も与えられないままだったんだろう。私の主様に良くもこんな、酷いことを……。』
主様をお姫様抱っこしてベリアン達の元へ向かう。
ポートレア家 宮殿
『――。』
主様を安全な所へ寝かせ、私の羽織をかける。
『一人で無理をさせて申し訳ございません…今はゆっくりお休み下さい。』
『お姉ちゃん…。』
(一人で頑張ってくれたんだよね……私のために。ごめんね……。ここからは、私が頑張る番。)
私はお姉ちゃんの剣を手にする。
『!百合菜様…。』
『今度は、私が戦う。』
『でも、主様剣術なんて…』
『お姉ちゃんから教わってるの。だから大丈夫。本番は今日が初めてだけどね。怖くないよ。この剣はお姉ちゃんのだから。お姉ちゃんが着いてる。だから、負けない。』
『主様…。かしこまりました。でも無理しないでください。あくまで戦うのは私達です。』
『行くぞ、お前ら。』
『あぁ!』
『はぁ、はぁ……。う…っ。』
ユーハンはその場に倒れ込む。
『はぁ、はぁ……。』
『はなまる、さん、早く、主様に…』
『あぁ、分かってる……。』
『こんなものか。悪魔執事。』
『っ…元サルディス家当主…剣術まで優れているとは……っ。』
『はぁ、はぁ…。身体が、動かない…。』
『もう邪魔者はいない。この手で確実に殺してやる。ユーハン。』
『っ、やめろ…っ!!くそ、からだが……っ。』
フブキの剣が気を失ってるユーハンに降りかかる。
『やめろ……っ、やめてくれ……っ!!』
と、その時――。
パシュッ!!グサッ!!
『ぐぅ!?』
『矢…?』
矢がフブキの腕に刺さる。
『っ、当たった…?』
『お見事、フルーレ。』
『みなさん…!』
『主様!お願いします、ユーハンさんを早く助けてください!』
『分かってる!ムー…!』
『えぇ、分かってるわ…早く、助けに行きましょう。』
私のユーハンの手に触れる。
そして、そのまま身を委ね、目を閉じた。
次回、後編へ続く――
コメント
3件
ユーハン!!!お姉ちゃん!!!まじであいつら許さない! プチちゃんへいつもありがとね最近気温変化やばいから体調崩さないようにね!
読み終えました…!!中編、もうずっと手に汗握る展開でしたね😭 ユーハンの悪魔化がどんどん進行してて、本人の意思とは関係なくフブキに利用されてる感じが本当に辛い…。そんな中で百合菜様が「この剣はお姉ちゃんのだから」ってお姉さまの剣を持って初陣を決意した場面、すごくぐっときました。立場が逆転していくのが熱い…後編、どうなっちゃうんでしょう。続きが気になりすぎます!