目が覚める
まだぼやけた思考の中で
此処は何処か考える
西洋風の部屋
そこに俺は眠っていた様だ
ガチャ
ドアが開く
そこから出て来たのは
妖美な雰囲気を纏わせた女性だった
整った顔立ちに豊満な胸
まさしく絶世の美女と言うべきだろう
しかし、肌の色は少し紫がかっており、人間では無いことが窺える
「もう起きたのじゃな」
ついて来い、と言うふうに手招きをされる
本当は聞きたいことが山ほどあったが
彼女には有無を言わせぬ気迫があった
大人しくついて行く
幾つかの部屋を移動し
一際豪華な部屋に着くと
女性は椅子に座り
俺も椅子に座る事を促す
「まずは、誕生おめでとう。新たな魔王よ。」
「は?」
出て来たのはこの一言
これ以外の言葉が見つからない
「ああ、そうじゃった。お前は【素】の魔王。名をアスマと言う。」
「わっちは【魔】の魔王。クレアと言う。」
なんというか、どんどん情報に突き放されているのだが…
俺が魔王?
確かに、俺に関しての記憶は全く無い
他の常識や認識に対しての記憶があるにも関わらずだ
「何か質問はあるかの?」
「俺が魔王ってどういう…?」
「言葉のままじゃ。お前は歴代千人目の魔王。他の同期7人と共に今日生まれた」
整理すると、俺は【素】の魔王とやらで、他に同期が7人いる
取り敢えず今の現状は飲み込めそうだ
かなりギリギリだが
「さてと、記憶の整理はついたかの?」
目の前の女性…改めクレアさんが聞いてくる
「はい、一応は…」
「では、今から試験を行う。ついてくるのじゃ。」
「先はお前の事を魔王と言ったが、これは暫定じゃ。今からお前のユニークスキルを調べる。スキルが魔王にふさわしければ合格、ふさわしくなければわっちがお前を殺す。」
魔王としての適正を見る感じか?
にしても殺すか…
魔王だし当然の事なのだろうが
言うには少し抵抗があるな
一部屋移動すると
さっきまでの豪華な作りとは似ても似つかない
石造りの部屋に来た
「お前のスキルを発動して見せるのじゃ」
「あの、クレアさん」
「さんは不要じゃ。後、敬語もよせ。」
「して、何かな?」
「スキルを発動するってどう言う事だ?」
「魔王なら生まれたてでも分かるじゃろう?」
謎の圧
正直言って怖い
スキルの発動の仕方なんて分からない
なんて言おうものなら八つ裂きにされそうだ
何か、何かあるか?
精神を研ぎ澄ます
すると、身体を何かが巡る感覚があった
これをどうにかすれば良いのか?
身体を巡る何かを手にかき集めるよう力を込める
上手くいったようで
手にはその何かが形を成そうとしている
段々と手に何かが集まっていき
そして
頭にある一つの言葉が浮かんだ
不思議な感覚で今知ったばかりなのに、昔から知っていた様な
【エレメンス】
そう唱えると、俺の手には無色に近い白色の小さな竜巻があった
その竜巻は何をする事も無く
手の中に収まっていた
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