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クールキッドは、エリオットから目を逸らさない。
さっきまでの幼さは、どこにもない。
「……お兄ちゃん」
静かに、でもはっきりと。
「一緒に住もうって話したのに」
エリオットの肩が、わずかに揺れる。
「聞いてくれなかったよね」
「それは——」
言葉が、詰まる。
クールキッドは一歩近づく。
「仕事がなければ、うちに一緒に住める?」
まっすぐな目。
逃げ場のない問い。
「……なんでそんな話に」
エリオットの声が少しだけ強くなる。
「今はそれどころじゃ——」
言い切る前に。
着信音。
鋭く、場違いな音。
エリオットが反射的にスマホを見る。
店の番号。
嫌な予感が、走る。
「……はい」
出た瞬間、
向こうの声は混乱していた。
『エリオット!?どこだ今!?』
「店の外だ、どうした」
『火事だ!!店が燃えてる!!』
一瞬。
世界が止まる。
「……は?」
『厨房から火が出て——もう煙が——!』
言葉が、途切れる。
騒音。
誰かの叫び。
「——っ」
エリオットの顔色が変わる。
「すぐ行く」
通話を切る。
その動きの速さに、
クールキッドが一歩引く。
「お兄ちゃん……?」
エリオットは迷う。
一瞬だけ。
でも、決断は早い。
「店、火事だ」
「俺、行く」
それだけ言って、踵を返す。
ドアへ向かう。
その背中に——
「……やっぱり」
クールキッドの声。
小さい。
でも、はっきり。
「仕事、だよね」
足が、止まる。
一瞬だけ。
振り返れない。
「……悪い」
それだけ残して、
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#生成AI
エリオットは走り出す。
ドアが閉まる。
静寂。
取り残された空気。
クールキッドは、動かない。
ただ、立っている。
そのとき。
テレビの画面が、ゆらりと揺れる。
ノイズ。
そこに、浮かぶ人影。
「——すごいね」
あの、声。
うっすらと、顔が見える。
顔の半分はドクロ。
もう半分は悲劇のマスク。
頭には、王冠をかぶっている。
セブンには見覚えがある。
Noliが使っていたアバター。
そのマスクに反して、楽しそうに。
「そんな事もできるんだ」
クールキッドの指が、ぴくっと動く。
ゆっくり、画面を見る。
「……火事」
小さく、呟く。
「ぼくが……?」
Noliが、くすっと笑う。
「ほら」
「さっき、思ったでしょ?」
甘く、囁く。
「“仕事がなければいいのに”って」
心臓が、どくんと鳴る。
クールキッドの目が、揺れる。
「……ちが」
否定しきれない。
ほんの一瞬、
そう思った。
その“ほんの一瞬”を、
Noliは逃さない。
「いいんだよ」
「それくらい」
頭を撫でるように、優しく。
「大事な人と一緒にいたいだけだろ?」
沈黙。
クールキッドの拳が、ぎゅっと握られる。
「……お兄ちゃん」
小さく、呟く。
さっきの背中が、頭に残る。
振り返らなかった背中。
「……ぼくのほう、見てくれなかった」
ぽつり。
その一言。
Noliの声が、少しだけ低くなる。
「じゃあさ」
一拍。
「見させればいい」
空気が、変わる。
静かに。
でも、確実に。
「君ならできる」
「もっとすごいこと」
「もっと、“目を離せなくなること”」
クールキッドの目が、
ゆっくりと光を帯びる。
迷いと、
寂しさと、
ほんの少しの——期待。