💛side
家で日課のトレーニングをしていると、インターフォンが鳴った。
💛翔太…
喧嘩してからほぼ一週間。LINEも電話も無視が続いていたのに、急に翔太が家に来た。
俺は戸惑いながらも、嬉しくてドアを開けた。
💙よお。差し入れだ
💛どうしたの?こんな時間に
途中で買ったという不二家の袋を俺に手渡しながら、家に入って来る。
そして、小さい声で言った。
💙今日は泊まりに来た
💛えっ
嬉しかった。頻繁だと困るが、久しぶりに翔太といられる。筋トレしてスッキリもしているし、一晩ぐらいなら寝なくても大丈夫だ。
💙泊まってもいいか?
💛もちろん。嬉しいよ
翔太は俯いて言った。
💙シャワー、も、借りていいか?
💛もちろん
そして翔太はバスルームへと消えた。
突然の急展開に頭が追いつかない。
でも最悪このまま振られたらどうしようとまで悪く考えていたから、俺としては嬉しい以外の感情が湧かなかった。
ダンベルやら、グローブやらを片付ける。翔太が上がったら、俺もシャワーを浴びよう。
ほどなくして、翔太が俺のトレーナーとスウェットを着て出て来た。相変わらず袖が余ってぶかぶかで可愛い。
髪を拭きながら、俺にも入れと促した。
シャワーから上がり、翔太のもとへ戻ると、翔太は目も合わせずに、俺の袖を掴んだ。
💙行こう
💛どこへ?
💙こっち
俺たちは寝室に入った。
翔太が電気を消した。
そして、先立ってベッドに入る。
💛もう寝るの?
翔太が頷いた。
別に文句はないので、一緒に横になる。俺はこれからまた眠れぬ長い夜が始まる覚悟を決めた。
💙いいぞ
💛手?繋ぐ?
💙そうじゃなくて
翔太は苛立ったように、言った。
💙襲っても、いいぞ
俺はパニックに陥った。
襲ってもいい、とは。つまり…その…?
💙早く。気が変わらないうちに、やれ。脱ぐか?
翔太が返事を待たずにトレーナーを脱いだ。外からわずかに射し込む灯りで、暗闇に白い肌が浮き上がって見える。
俺は見てはいけないものを見てしまったような、そしてもっともっと見ていたいような不思議な感覚に襲われた。
💛ちょ、わからないんだけど
💙ずっとしたかったんだろ
💛翔太
💙ごめんな、遅くなって…
翔太が半裸のまま、俺の方へ来て、固まる俺の唇にぎこちなく自分の唇を重ねた。
🖤side
🖤結局うまくいかなかったの?
💙いくか!ばか!あんなんもう当分懲り懲りだ
しょっぴーはぷりぷり怒っている。
いつものしょっぴーだ。色々あったみたいだが、二人がどうにかこうにか努力を重ねているのが聞いてて面白かった。
💙お前、阿部に死んでも感謝しろ!絶対に絶対に阿部を泣かしたら許さないからな
そして、その飛び火が俺たちにまで及んでいる。なんていうか、可愛い。なんていうか、岩本くんの苦労と喜びがよくわかる。
💙俺の話、ちゃんと聞け!!!
🖤はいはい
💙はい、は一回だ!
🖤はーい
💙舐めやがって……
🖤(笑)でも、阿部ちゃんには本当に頭が上がらないよ。いつもお世話になってます
💙ふん。わかればいいんだ。お前らは楽ちんなんだからな、その気持ち、肝に銘じろよ
ついさっきまでしょっぴーの赤裸々な話を散々聞かされて、俺は本当に阿部ちゃんに感謝しきりだった。そして、これからなるべく岩本くんにも優しくしようと思った。この調子で振り回されたら、同じ立場として、気の毒でならない。俺たちの恋愛相談所はアフターケアもきちんとしないと。
💚めめ、翔太、そろそろ出番だよ
💙っしゃ。じゃあ、俺行くから。阿部ちゃん、色々とありがとう
しょっぴーは、阿部ちゃんの肩をぽん、と叩いて、岩本くんの方へと走って行った。
💚めめも行くよ?
🖤うん、阿部ちゃん、愛してるよ。ありがとう
💚ちょっ…急になに?
赤くなってワンテンポ遅れた阿部ちゃんを置いて、俺はスタジオへと走り出した。
おわり。
コメント
27件
コメント書けてなかった!! いやもう私もまきぴよさんが書いてくれるしょっぴー大好きです😍😍😍 今からこの3日間分?くらいを取り返すために全部読んで全部最終話にコメント書きまくってきますね!!🫡 みちるさんのも読んできます🥹
しょっぴー激可愛い💙 ぷりぷり怒ってるっていう表現もバッチリで可愛すぎる✨ ひーくんも優しい大型犬のような感じで可愛すぎる💛