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無事に868の皆さんは、ボブキャットを、死傷者なしで完遂したようだ、お陰で仕事がなかった
お疲れ様~!と賑やかな無線を聴きながらバイクを走らせる
《受注もう出来ないから、一旦チルだね》
《レダー、横取りとか行けない?》
《あー大人数みたいだから結構厳しいかも》
《そういえば芹ちゃん、みんなでホットケーキ作りたいって言ってましたよね》
《あー言ったかも?やる?》
《いいよ、買い出ししてくるわ》
《店長、私も行きますよ》
これは個人医の仕事は無さそうだ、そろそろお邪魔だろうと無線へと報告をいれる
〈空架無線抜けます、何かあれば言ってください〉
《お前も参加するんだよ、この前沢山あるって言ってたお裾分けも持ってくれば?》
《ぐち逸さんみんなって言ってるじゃないですか》
《いいよ、忙しいんじゃない?俺我慢するよ》
《あーあ!ぐち逸さん、女の子悲しませた》
〈えっ?参加していいんですか?〉
突然の言葉に、思わず言葉が漏れる
本当に?
《お前は仲間だって言ったじゃん?兎も乗ってる癖に遠慮しやがって》
〈分かりました、マンションですか?〉
《そうそう!焼き鳥やったとこ!》
〈向かいます〉
なぜか熱くなる顔をほかほかする胸
なんだ?体調が悪いのかとバイクを降り自身を診察する
水分が少し減っているくらいで、なんともないそれに首をかしげた、なぜ?怪我がないのに視界が歪む?
心理的なものならきっと
これは喜んでいるだけか、仲間と言われて
子供っぽい自身の感情に困惑する
自分の単純さに嫌気がさし、他の人に見られたくない一心でバイクに乗り込みビュンビュンと走らせる
目指すは一旦砂漠の家
《ぐち逸さん高速道路爆走中です》
どこぞのロボットが、見ていたようで恥ずかしくてさらにスピード上げた
あっという間に家に着き、冷凍のレモンで作ったシロップ、今回はミントが入ったそれを鞄に押し込み、自分で食べようと焼いたパウンドケーキを包む
喜ぶ顔を想像するだけで、なんだか嬉しくなる
喜んでくれるといいな
包んでバイクを出そうとした時、ピンクの音成さんの車が目の前に止まった
「よっしゃ!ぐっさんここであったのもなんかの縁!乗って!」
「あ、すみませんありがとうございます」
二度目の乗車なのでスムーズに助手席に座り
お土産は何かやこの前の食べっぷりがよかった今回も期待しているなど雑談を交わし、あっという間にマンションに付き、音成さんの後ろに着いていく
がやがやとあの賑やかな声が聞こえて、カチャカチャ音がする
もう生地でも作っているのだろう
「ぐっさん拉致してきたで!」
「拉致されました、身代金です」
鞄に入っていた、土産をテーブルの上に置く
推測があたり、大きなボウルに粉に牛乳と卵をいれ混ぜているようだ、レダーさん、芹沢さん、バニランドさんがひたすら混ぜており
ばちりと目があった芹沢さんが疲れた~!と私に重いそれを渡した
「混ぜろってことですかね」
「そう,よろしく!」
まあ働かざる者食うべからずみたいな言葉があった気がするし、混ぜるか
手術用の紫の手袋をポケットから取り出し
ちゃっちゃかと混ぜる
ホットケーキミックスの甘い香り,既にお腹は食わせろとわめいている
にゅっと出てきた手がミリンと書かれた液体を混ぜていたボウルどばっと入れる
あぁ紫水さんか
「これを入れるとふわふわになるみたいです」
「あー前にテレビでやってましたね」
「おっ、そうなんすよ!それです」
雑談しながらくるくると混ぜ込み、一体化したそれをみて満足する
これで焼けるな
出来たそれをジュワジュワ焼いているトピオさんに渡す
ケインさんとトピオさんがフライパンを温め、どんどん量産していく
大きな皿に焼かれたホットケーキ達が山を作り、タコさんが6枚づつ皿に盛って配ってくれている
みんな思い思いのトッピングをしており
タコさんと芹沢さんは果物たっぷり
レダーさんとバニランドさん、トピオさんはチョコバナナ
音成さんはなぜかいろいろなソースをかけて食べている、美味しいのだろうか?
ケインさんはレモンのジャムにアイスクリーム
牢王さんは生クリームにベリーソース
紫水さんとジョシュアさんJDさんは思い思いにトッピングしたものを分けっこしている
自分は無難に蜂蜜バターである
自分の皿だけなぜか8枚乗っていてオマケ、お前どうせ食べるだろと言われた
貰えるものは貰っていこう
るんるんしながら少し離れた椅子に座りコトリと大きめのテーブルに盛られたそれを置く
目の前に広がる8段のホットケーキふかふかで厚みもありいい小腹満たしになりそうだとナイフとフォークを手もとに寄せる
蜂蜜、溶け出すバターの香り
見た目だけでも美味しいことが証明されている、それに大口にざっくり切り分け口にいれていくとほっかりとナイフが湯気で白くなる
ほぅと思わず息が漏れた
まだほかほかで優しい甘さの生地にちょっぴり塩っ気があるバターの味と香り
そしてそれらを包み込み、個性を発揮する蜂蜜
これが沢山食べられるなんてなんて幸せなんだ
一口、また一口と食べ進めるたび、次はなにをかけようかとワクワクしてしまう
「…美味しい」
がやがやと賑やかな会話をBGMに食べ進める
生地はまだまだあるしトッピング用にといろいろ用意してくれたしソースも多種多様
これは作るしかないだろ、10段のホットケーキ
やりたいことがやれる環境は良いことだ
ハチの無念は私が美味しく頂こう
残った蜂蜜を絡めパクり、あっという間にホットケーキが胃袋へ消えていく
まだまだ皆さんは、半分も食べいてないなか、これはとってもいいのだろうかと眼前に広がるほかほかの茶色い山を見て困惑していた私を、見ていたのだろうか
「ぐち逸さん、おかわりしますか?」
「いただいてもいいですか」
ケインさんがスッと皿に追加で4枚乗せてくれたので、小声で10枚貰っても?と呟くと
ファンがキュルキュル回りながら良いですよと乗せてくれた
やっためちゃくちゃ高い山が出来た
そういえば、レダーさん達のチョコバナナ美味しそうだったな
トッピングが、乱雑に置かれたテーブルでえっさこらさと作っていく
バナナを、上にドーンと乗せて、チョコソース、食感が寂しくないように砕いたクッキーをパラパラ上からかける
出来上がり、重量を持つそれを,ゆっくりテーブルに運ぶ
「いただきます」
ねっとりしたバナナとトロリと垂らしたチョコ
サックリ音を立て崩れるクッキーの食感が飽きがちなチョコを旨い具合にコントロールしてくれていて、どんどんフォークが進んでいく
一口、また一口とあっという間に消えていき
あぁこれでチョコバナナホットケーキは、なくなってしまうのか
悲しみの中周りを見渡すと他の人も食べ終えたのか四段ほどの思い思いにトッピングして食べている
夢に見た10段のホットケーキが眼前から消えていく
空しさと口に残るチョコバナナの味に寂しさを覚える
私をレダーさんが見ていた
よいしょと席を離れ何か焼いている
なんだろうと疑問に持ちながら手持ちの紅茶で喉を潤すと声をかけられた
「ぐち逸、ホットドッグ風じゃんじゃん作るから食え」
お腹をさすりながらレダーさんが積まれているホットケーキを乱雑に取り一枚を歪ませて塩気と燻製香るウインナーとシャクシャクレタス、ケチャップ、スクランブルエッグそれらを真ん中に乗せくるんと筒状にしクッキングシートで手際よく包んでいく、さすが仕事人だ手早く作ったそれを貰い
匂いにつられてパクり
ほどよく冷めているほんのり甘めの生地にパリパリっとした焼きたてウインナー、ケチャップに歯触りの良いレタスがとてもいい
モグモグ食べ進めると塩コショウが効いたスクランブルエッグに到達する
これは凝縮した朝食って感じがして美味しい
気分良くなりながらパクパク食べていく
「いっぱい食べな!」
芹沢さんがにっこりと笑い、食べきれなかったホットケーキを眼前に置いた、他の人もこれも頼みますとテーブルが、埋まっていく
自分は残飯処理か
「なるほど、いただきます」
まだまだ胃袋は空いている、食らってやろではないか
仲間といってくれたこの人達のために