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「うーんと……じゃあ、二人で美都を化粧品コーナーに連れて行って、その場で売り場のおねえさんにメイクしてもらうのは?」
エミがリビングのテーブルに頬づえをついて話した。
「ああ、それよさそう。新作のルージュが出たから見たいとか言ってね。なら、美都に似合いそうなカラーとか、先にチェックしといた方がいいかもね」
アミの提案に、エミがコクコクと頷いて、
「そしたら、明日の日曜日にでもさっそく見に行ってみようよ。そうすれば週明けの月曜にも、美都を誘えるもの」
善は急げとばかりに、いつにない早口で喋った。
「うん、そうしよっか」
「アミとのデート、楽しみ〜」
「デートじゃないから、もう」そうは言いつつも、アミの方も楽しそうな笑みを隠せないでいた。
翌日、アミとエミの二人は、揃ってデパートの化粧品コーナーへ出かけた。
季節は三月に差し掛かり、店頭にはルージュやチークにも春の華やかな色合いが取り揃えられていた。
「どの色がいいかな? 美都には」
アミが色々なお店を流し見ながら言い、
「どんな色がいいかなァ?」
エミが様々なメイクアップグッズに目移りをさせつつ、同じようにも言う。
「ピンク系もいいけど、オレンジカラーとかもよさげだよね」
「うん、そうだね」と、エミが頷いて、
「どれも合いそうで、決めにくいから、ちょっと店員さんにも聞いてみようか?」
横を並んで歩くアミへ顔を向けた。