テラーノベル
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『』→〇〇
「」→夏油傑
#呪術廻戦
#自己満
#苦手な方はお控えください
任務の帰り道、夏油傑と並んで歩いていた。
夜の帳が落ちた道は静かで、足音だけが響く。
「……やっぱり、君は人間を守るのが当たり前だと思ってるんだな」
夏油がふと、空を見上げながら呟いた。
『当たり前だよ。弱い人を守るのが、私たち呪術師の役目だから』
自分でも当然すぎる答えだと思った。けれど彼は、薄く笑う。
その笑みは優しいのに、どこか寂しげだった。
「……私はね、時々思うんだ。守る必要なんてあるのかって。呪霊を生むのは人間だろ? だったら──」
その言葉に、胸がざわつく。
思わず足を止め、夏油を見上げた。
『夏油、それは──』
「冗談さ」
彼はいつもの調子で笑ってみせる。
でも、その目の奥は決して冗談じゃなかった。
沈黙のまま、ふたりは歩き出す。
やがて学び舎が見えてきたとき、彼はぽつりと呟いた。
「君となら……違う未来もあったのかな」
振り返った瞬間には、もう彼は前を向いて歩いていた。
問いかけたいのに、言葉が出ない。
その背中は、どこまでも遠くに行ってしまいそうで──。
──そして、未来。
血に濡れた地面に、夏油傑が横たわっていた。
彼の瞳はまだ、どこか遠くを見つめている。
最後に、彼はかすかに笑みを浮かべて口を開いた。
「……やっぱり、君となら……」
その声はそこで途切れ、瞳から光が消える。
私は、震える唇を噛みしめながら届かない想いを吐き出す。
『……私も、君となら…どんな未来でもよかったのに』
その一言は彼には届かない。
ただ夜に溶けて、儚く散っていった。
END
コメント
8件
うわやばいこれめっちゃ感動🥹 題名と内容超ピッタリなのまじ凄い てかカバ画の夏油さんの表情めっちゃ好きすぎるんだけど🫶🏻🫶🏻🫶🏻
なんこれ最高やんけぇ!!, 切ない...