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口角消えた
🦈side
アキの家、誰もいない部屋。
ちゅ、と音が響く。
それは、唇が重なり合った音だった。
直ぐに唇は離されてしまった。
もっとしたかった、と心の何処かで思う自分がいる。
そんな事を考えていると、デンジの口が開かれた。
「…俺も、ビームが好きだ。」
「…エ、チェンソー様、ホント?」
「おう。」
ビームが問いただすと、デンジは即答する。
すると、ビームの顔はみるみるうちに赤くなっていく。
唇の感触はまだ残っている。
赤く染った顔を見て、デンジはふっ、と笑う。
「照れてんだ。カワイーな。」
「ギャ!?」
ビームは困惑する。
すると、デンジの手が伸びてきて、頭を撫でられる。
赤くなった頬を更に赤くしながら、ビームは顔を隠す。
「隠すなよ。」
だが、その手も直ぐにデンジによって退かされてしまい、顔があらわになる。
「ア、ア、」
「はー、マジでカワイイ。」
「チェ、チェンソー様、」
「なァ、ビーム。」
デンジが口を開くと、1番の目的である言葉が吐き出される。
「俺たち付き合う?」
「ア、」
ビームは、手をギュッと握りしめる。
そして、口を開いた。
「オレ、デンジ様とツキアイタイ。」
「ン。俺も。」
笑顔で返されて、ビームの顔はもう茹でダコだ。
カッコイイ…イケメン…
そんな事を思いながらビームは言葉を返す。
「ギャ…オレ、チェンソー様と付き合えてウレシイ。」
「俺もだぜ。これからよろしくなァ?“カレシさん”よォ?」
「ヴギャ”ァ”ッ…」
―その日、ビームがデンジの顔をまともに見れなかったのは、言うまでもない。