テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

……守りたかったんだ。本当に、それだけだったはずなのに。


蓮司の言葉が、頭の中で、何度も何度も反響する。


“独占欲”。

“自分のものにしたかった”。

“誰にも触れてほしくなかった”。


──そんなふうに思ってた?


違う。違うよ。

俺はただ、あんなふうに日下部が、壊されるのが──


……いや。


もしかして、本当は……?


そう思った瞬間、心がどこかでぐらりと揺れた。

吐き気がした。

自分が、自分じゃないような気がした。


守りたかった。

でもそれが、ただの「独り占めしたいだけの、自己満足」だったとしたら?

それって、あいつらと……変わらないんじゃないか?


そんなふうに考えはじめた瞬間、

「守りたかった」っていう気持ちさえ、

ただの言い訳に見えてきた。


汚いな。

醜いな。

結局、俺も──壊す側の人間なんだ。


そんな声が、心の奥から聞こえてきた。




※遥の内心分析。スルーOK。


本心としての「守りたかった」気持ち。


日下部には、あんな風にされたくない。

あんな風に、壊されてほしくない。

自分が味わってきた「汚される感覚」を、あいつには味あわせたくなかった。


(=愛ではないにしても)確かに“守りたい”という感情はあった。



だが、蓮司に“歪んだ言語”で言い換えられると──


「独占したかったんでしょ?」


「誰にも触れてほしくなかったってことは、自分だけのものにしたいってことじゃない?」


「日下部を“持っていかれる”のが怖かったんじゃない?」



……そう言われた瞬間、遥の中の純粋な気持ちはすぐに“自己嫌悪のフィルター”で塗り潰されてしまう。




遥にとって問題なのは「感情の優先順位がつけられないこと」。


蓮司の言葉に晒されることで、「守りたい」が「独占したい」にすり替わってしまったように感じる。


本当は両方あったはずなのに(多分、守りたかったの方が強く)、「醜い方」だけが自分の本質だと思い込んでしまう。


その結果、「自分はまた、間違った形で誰かを壊そうとしている」と思ってしまう。



結果。


「守りたかった」気持ちは消えたわけじゃない。


でも、蓮司に「見透かされた」と思った瞬間、その感情が信じられなくなってしまう。


「そうじゃない」と思いながら、「もしかしたらそうかもしれない」と飲み込まれていく。



……そして遥はもっとややこしい子になっていく……何してくれるんだ……アイツ(蓮司)……。

この作品はいかがでしたか?

45

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚